「はじまりの森 ー公開調整中」カテゴリーアーカイブ

主要な開拓はほぼ終わり、諸事情により公開を見送ったエリア。
現在最終調整中。今暫しお待ちを。

TyphonV12/SupooV10

3月5日
前回バラした獅子門ハングp。

全moveとにかく悪い、これぞボルダリングってライン。
特に初手がガツンと来る。

Typhon v12/四段
最終的に、中間の数手は呼吸が出来るくらいの強度まで落ち、最後の追い討ち「リップへの一手」のストレスは想像より軽いものだった。
全てのmoveが悪い、やりきったという感覚が味わえるこういうボルダリングが一番好きだ。

3月9日
前回帰り際にやったカンテラインの続きをやろうと。

奇跡的に、このラインのキーホールドひとつだけが濡れていた。
こんなことってある???ひどい。。。

仕方なくやってみたけど、ダメ。

ということで、ハングからカンテを跨ぎ右のスラブに逃げるライン
「モンスタースプー」のロースタートpをやる。

離陸が極めて悪い。
30分ほど模索しなんとか離陸成功。その後の初手、2手目も悪い。

上部は2010年に登ったモンスタースプーv8/9(2段)

Monster Supoo (low) v10/三段

本題のprojectをやる体力と指皮はもうなくなっていた。。。
時刻はまだ15時
撤収には早かったので、比較的手頃だろう龍の死直登pをやることにした。

その話はまた。

獅子門pとココアv10

2月17日
ずっと放置していた「龍の死逆流p」
本格的にトライをと再訪。
現地に近づくにつれ雪は酷くなる。

到着すると、岩はグチャグチャ。
仕方ないのでリップと周辺を再整備。

夕方、雨の影響を受けにくい岩壁「チョコレートタワー」の基部で遊んだ。

2008年初登「チロルチョコ」のlowStartProject。
1本指ポケットがエグい。

move解析にかなり時間がかかった。
ポケットで受ける指皮のダメージが激しい、打ち込みたくなかった。
集中して勝負に入る。

気合いを入れた一便…
キーとなるガストンカチが欠損、ふっとんだ。。。

ホールドの掛かりは大幅に悪くなる。

バラシ直しは流石に萎えたが、同じシーケンスで成功。むしろ感触が良い。ホールド自体悪くなったが効く方向と動きの相性が良いようで動きやすい。

翌便、登ることができた。
ココア v10/三段

時間はあったが雪はまだ止まず。撤収。

3月2日 雨上がり
目当ての「龍の死逆流」は、相変わらず濡れていた。

夕方には乾くだろう、それまで陽だまりの岩をやることに。

↑裏獅子 v6/1級

身体がノッてきたところで獅子門のハング。ホールド欠損後(2010年)ライン消滅だと諦めていた。残されたホールドの距離感半端ない。

(獅子門中央p)

不可能だと思っていた二箇所。

ひとつは、最後のカチからリップの外傾した大穴。そこはダイナミックに動けば何とかなった。ラスト一手にこの強度はやばい。。。

もう一つは初手、フルスパンで右手カチにランジ…。
これは不可能だ。
中間に一旦右手を抑えられるポイントがあるが、足ブラでは厳しい、足を残すにもフットホールドが極めて悪い。

選択肢は一つ、それでも足を残す。

やり続けて、何とか成功した。右手の中継ホールドを身体で抑える。
次のフルスパンムーブもそこそこ悪い。

さらにリップランジまで3手入るがここも落ちそう…
もちろんリップランジも悪い。

6手全てで落ちれそうなほど、強度は高い。
こういう課題が好き。

一瞬一瞬の成功を重ねていくようなゲーム的ボルダリング、最高すぎる。

Moveをバラすだけで体力のほとんどを使い切ってしまったが、あまりに楽しくそのままやり込んだ。結果、リップ手前まで2度到達。次回は成功を。敗退。

夕方、目的の岩は乾いていた。もちろんやる元気はもうない。
2010年に放置した白い球pを登り撤収。

白い球 v9/2段

anybody’s game low v12/13と荒野

3/22
先日完全敗退したanybodys gameのlowをやるために、珍しく早起き。
早朝より取り付く。

しかしどうも登れる気がしない。
フック解除のふられがどう考えても耐えれる気がしない。

とりあえずアップで他のパートのおさらい。
今回は心身ともにフレッシュであったため感触は良い。
とりあえず繋げて見る。

1便目、案の定ふられで指先に思い切り負荷がかかり、耐えれずふっとぶ。
やり過ぎると段差下までふっとびそうで怖いし、強度が高すぎて到底耐えれる気がしなかった。
anybodoy’sgameのオリジナルムーブに戻すために確認。手数が大幅に増えるが負荷は減る。
ただ確率の悪いmoveが二連発することもあり、ストレスがかかる。

少し考え、フック解除のふられを、足中継で殺せないか試みる。
ヒールに本気で力を込めたら成功した。
さて、繋げた時どんな負荷になるものか。

繋げ1便目、気楽に取り付く。
前半も軸がぶれたなぁなんて思いながら、落ちることはなかったので核心に突入。
リップデットも止まったので本気でヒールフック。足中継に成功。
あまり感触は良くなかったが突っ込むことにした。

上部前の最後の核心、
インターバルが短すぎかなりパンプしてしまったが、気合いで一手出し止まった。

あとは余計なハイボールパートをこなし、無事トップアウト。

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かなり疲れたが登れてよかった。
グレードは…、anybodys gameは同系統のhevenlyより確実にワンランクは悪いが何故かv12。
それよりは明らかに難しい。
とはいえ、同系統のv13はもっと難しい。v12の範疇ではないだろうか。
ここは公開予定なので、いずれやって貰おう。
とりあえずv12/13ということで。

早く来すぎたため、大幅に時間が余る。
ある意味予定通りであったのだが、大移動し、こないだやり損ねたハングをやりに行く。

…すると、何故か濡れていた。
乾きが悪すぎる……。

諦めきれず無理やり取り付く。
かろうじて二つのラインのmoveがばれたが、繋げると指がフニャフニャになってmoveが起こせず。
潔くなく、2時間打ち続けたが出来ない……、イライラしながら敗退を決める。
不本意だ……。
いつ乾くんだこの岩は、、濡れた岩に強くなりたい。

あまりにも気分が悪く、高原で登り直し。

野焼きした直後の丘は、想像を遥かに越えた美しさで、
全ての出来事が吹っ飛んだ。

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通えば、いつか乾くだろう。
また来よう。

…これだから遠くに宿題を残したくないのだ。

ag lowproject.

3.18
1日のセットを無事終えた。
日中の晴天、週末の雨予報、行くしかないと思いナイトへ。

普段10:00過ぎにしか起きないのにこの日は早起き、しかもセットというハードワーク…少し無理してる気はしたが、速攻projectを終わらせてすぐ帰ればいいと考えていた。

狙うはag v12のロースタートproject.
前回ざっくりmoveをバラしていたのですぐに繋がるという見込み。
agのパートも良いmoveを発見済み。

気合を入れて挑む。
そして2時間の打ち込み、結果は敗退。

ルーフということもあり、繋げると強度が高かった。さらには今回は気温20度近く、バラした際のコンディションと大幅に違い、ギャップに少し感覚が狂った。

あとは4move減らせるシーケンス発見が遅すぎた。
総合力的に、今回は完全敗退。
さて、シーズン間に合うだろうか。

はじまりの記憶と琥珀v12

たるいカチから右のエグいカチにランジするprojectがあった。
正直私はカチが嫌いだ、そして苦手だ。
moveが面白そうなだけに残念な気持ちを持ちつつ放置していた。

2014年3月、それは二日間の濃厚な時間の末、室井登喜男氏により解決。
はじまりの記憶v10という課題となる。
短い期間の中で初登まで持っていく氏の姿をそばで見て、感動した。

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その次の秋に私も登った。
ただ、その時はその完全体であるシットスタートprojectなんて全くイメージ出来るものではなかった。
何せ核心部のランジはひたすら飛んで成功させたのだから、下部でダメージを受けてからなど…。
…さらに核心後に落ちる可能性の増すダイレクトアップなんてトライする気すら起きなかった。

2015年、放置しているprojectにカチの絡む課題が増えてきた事に危機感を抱きはじめる。
そこで今期はカチのメニューを入れる事にした。

冬、数値も増し、無事に幾つかのprojectを終えた。

2016年春前、メインのprojectの止まらなくなったスローパーを眺め、今期断念することを決めた。
上りゆく気温を言い訳に。。。

では、次に何をするか考えて…
真っ先に出てきたのが、はじまりの記憶の完全体であった。

3月9日 トライ前日、一応カチの数値をとってみることに。
見事に下がっていた…岩に行きすぎてサボっていたせいであろう。
とはいえ、2014年よりは遥かにましだ。

3月10日 不安を持ちつつトライすることに。
アップでランジ体制を確認、思いの外感触は良い。
たまたま寒気が味方してくれたのが良かった。

数便でランジはとまった、ただ予想外に核心後の右トラバースが悪く、まさかの落下。
リピートトライで舐めてただけかと思ったが、隣のラインから確認。やはり悪い。手順をちゃんと固める。
翌便、無事repeat。

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核心の精度が今日は非常に良い。
完全体を狙うことにした、隣のラインから上部のホールドチェック。
ガバの位置を覚えた。

ダイレクトの上部は、過去地ジャンスタートで登っている。
そのパートの核心はランジで、v6程度。
数度地ジャンでトライしたが失敗。指皮の消耗が激しい。
感触はつかめたのでそこでやめ、lowの部分を確認。ここは完璧。

しっかり休み、繋げる。
するとやはりはじまりの記憶の核心、カチランジで落ちる。
何度やってもとまらない。

下から来るとわずかに足順が変わる。
大した違いだと思ってなかったが、よくよく考えたら重心が下がる。
無理やり調整し、足順をスタンド時に合わせることにした。

次の便で、カチランジ成功。
ダイレクトアップを目指す。
手順を合わせるための右手5mmのミニデットがかなり怖い、が無事成功。
手順を入れ替え上部突入。

手順合わせに成功したら足が残せることはわかっていたので無事突破。

短いが長く感じるクライミングを終えた。

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琥珀 v12 とする。

はじまりの記憶
はじまりの森と名付けたこのエリア、
そのエピソードを室井さんに話したことでこの課題名になったと解釈している。


狙う氏の姿、
この岩の前の張り詰めた空間に佇むその情景が、今でも鮮明に思い出される。
それこそが私とこのラインの、はじまりの記憶。
終焉したこの先も、この課題と想いを閉じ込めて残れせれば…
そんな意味を込め、名を琥珀とした。