「御伽と神話」カテゴリーアーカイブ

黒い風DP

遡る事約半月、2月中旬の話。
国津神を登った帰りに気になった岩を見に行った。

それはかつて諦めた黒い風のダイレクトアップ。

「黒い風」はこのフェイスの左端から初め、中央にはホールドが存在しないため右カンテまでトラバースし突ぺんを目指すライン、v7あたりだったか?
中央にホールドがあるように見えた。いざ取り付く。

ホールドに見えたものは、確かにホールドであった。ただ向きが悪い(左ガストン)、効かせることはできたが動けない。トライしていて思い出してきた、7年前やった時は効かせすらできなかった気がする。よって前進ではあるが有効的ではない。

見上げるとリップが届くような気もした。
しばらくレストして、とんでみることに。

ランディングがあまり良くないため恐ろしい。何便目かで意を決してとぶ。

…全く距離が出せなかった。覚悟決まらず敗退、出直すことにした。登り足りなかったのでエリアを移動、2013年頃OBAの片島さんが初登したフェイスを登り撤収。良い岩だった。

国津神 V10(三段)

2月7日 かろうじて曇り。
というのも昨日は雨、さらに予報では昼からまた雨。

雨曇に覆われている期間のようだ。登りたい岩は色々あったがどれも乾きが悪い。乾きの良い岩は…と思い返していると、
先日snsで見た「数年前のこの日」という記事の雑木林にある巨石が過ぎった。

そいつを見に行くことに…ただ遠い上にアプローチもある。道中、雨にやられるのではないかとハラハラしながら向かう。
到着、空を見上げると時間はまだありそうな気がした。

狙うはかつて登った色即是空v11(三段)のエクステンション…のつもりであったが、どうも微妙。早速色即是空に繋げるまでのパートをやってみたが無駄な3手のトラバースが増えるだけで強度も全く変わらず、本当無駄に手数が増えるだけだ。

それよりも隣の天津神v7(初段)と色即是空の間の空白地帯が気になった。ホールドはある、どうにかなりそうな気がした。

30分程色々やってラインを確認、天津神のスタートから左上し色即是空上部に抜けるのが一番わかりやすく気持ち良いラインだと感じた。

ということでトライ開始…徐々に空は濁ってきた。

左のガスを取りにいく一手(4手目)が強烈に悪いがその後の寄せ(5手目)もかなり気持ち悪い。

moveはすぐに決まり繋げれる状態にはなったが天気を考えると、一発ミスった時の回復時間が致命傷になる事は明らか。ということで寄せをかなり反復。その後は少しシビアなランジ(6手目)が入るがここは大丈夫な気がした。ランジは成功していないものの寄せの精度は上がってきたので繋げに入る。

案の定左ガスとめ(4手目)が出来ない。ここまではそこまでダメージを受けないので回復しながら慎重にやる。天気はまだ大丈夫そうだ。

2発程ガスをとめるものの寄せで落ちる。精度あげてもこれなら、練習していなかったら大惨事になっていただろう。
ガスとめ成功3発目、寄せも成功しランジもとめた。

そして高さのある岩の上に立つ。雨雲はもう少し先にあった。

国津神 v10(三段) 初登
色即是空v11(三段)より強度は高く2013年は全く手も足も出なかったラインではあるが色即是空の方が確率の悪いmoveが続くように思う。

2013年にはリップも開拓魔人ポにより綺麗に掃除された岩ではあるが今はまた自然に還つつある。ただリップの苔は剥ぎやすいタイプなので誰かと来るときはさらっと掃除したいと思う。

キティズハウス

10月18日

アステラスが登れた後、時間はまだあったので近くの岩を。

来るたびに何となく登れるんじゃないかと思っていたハング中央ライン。
まずはリップ掃除。
約10年前一度掃除したのだがその痕跡は一切見当たらないほど自然に還っていた。とはいえ10分そこらで終わりトライ開始。

想像していた通り、離陸する際のカチがかなり悪い。
何とか離陸したところで初手のカチとりのモーションが微妙で足がきれる。何とか足を残そうと工夫するも上手くいかず。

すると雨が降ってきた。
思えば天気予報など見ていなかった。

どうするか…
工夫も面倒くさくなったところだったので突っ込む事にした。

5便目あたりで何とか初手を決め、そのまま2手目のリップも成功。上手いこといったものだ。

キティズハウス v9/二段
ほんのり時間も余っていたが、これ以上やると店番に支障をきたしそうなので撤収。

そういえば岩の温度が下がって来た。その割に手の温度が高く、ブーストやRXメインだと保持してしばらくするとチョークが玉っぽい感じになる事に気付いた。こんな時こそBlackがよく効く。

アステラスの駐車場で

橙色の世界の中で、2人長らく話し込んだ。
何を話したかはもう覚えていない。

遠い日の記憶。
だだっ広いアステラスの駐車場を包む橙色の光は、今尚鮮明に残っている。


最奥projectと発見者の話は今回は略そうと思う。(書き出すと悲しくなるので)

10月15日
登れるという確信はあったものの、move確認のトライでマット位置にヘマを犯してしまい前腕を強打。実質僅か2便で挑戦を終わることとなる。

10月18日
無事に登りきった。登れることはわかっていた。いつも感じる安堵感や達成感はほぼない、理由ははっきりしている。

過去の自分、
「この岩は不可能すね」と一言で返したあとの野下さんの残念そうな表情…
それを感じ取れていたなら、もう一度見上げて見ればよかったじゃないか。

あの時の期待に向き合わないといけないのは、やはりあの時だけだったのだ…。
刺さったものは結局抜けぬまま。


joywallがまだプライベートウォールだった頃、この岩の発見者であり開拓者、故野下善秋氏
もたまに遊びに来てくれていた。

そして氏と話し込む場所は、何故か決まって近くの温泉施設あすてらすの駐車場。岩の話や開拓の話し、今後の目論見などを話してくれた…。

名を「Usterrace(明日照ラス) V12/四段」とする。

夕方、通り雨が過ぎたあと美しい夕日を見た。
とても美しかったけれど、あの日見た橙色の空はもっと力強かった。

乾いた夕陽が見たい。
野下さんと話したい。

動画
Youtube

竜体山案内と負傷

10/15(mon)

今日は自分のクライミングが目的ではなく、関東のクライマーと岩へ。
前々から平嶋元に案内を頼まれていたので、たまにはしっかり為すべきことをやらねばと…。

どこがいいかと考えたが、結局いつもの竜体山。

思えば自分のクライミングで通い詰めた10数年前から、
色々お世話になっているエリアだ。

途中のコンビニでゲストと合流、
実はしっかりと話すのははじめてだと思う。
ゲストは全国的に名を轟かせているであろうベースキャンプクライミングジムのインストラクター。

私の盟友達と知人なので、初めから特に心配はなかった。

しっかりとしたクライミングスタイルを持ったゲストに安心しほぼ放置。。。

話してて感じたのは、
謙虚さの奥に見えるクライミングに対して芯の強さ。
九州でもガンガン攻めれるといいなと、勝手に応援する事にした。

応援すると書いておきながら、
ここから矛盾した行動に走る私だけど…。

あまりに天気が良すぎる、
岩のコンディションも最高すぎる、
身体もよく動く。

ただ、何故か指先の感触のみ異常に悪い…
(実は先週末から。)

ゲストのクライミングの合間にコソコソと登る。それなりに難しい課題をやっているうちに指先のコントロールも出来だした気がした。
…いけんじゃないか?

…心が揺れる。
結果、ゲストにオススメの課題情報だけ投げ渡し、
「ちょっと夜から仕事があるので」
と予定より1時間早く撤収。

そして、
何故か私はprojectの前にいた。

1時間だけトライする事に。
1便目、予想外に良くできラスト一手まで攻めるが指先がすっぽ抜けそうで怯む。
結果、距離足らずで足がきれ落ちる。

2便目、がっつり捉えたと思った核心一手目がすっぽ抜け
マット外に落ちる。

前腕を下の岩で強打、悶絶。

痛みは引かず、ホールディングを確認したら「引っ掛ける」「握る」は問題ないが「つまむ」と痛む。我慢してもう数便やったが全然駄目。
実質わずか2便で打ち止め……。
こんなことなら竜体山で楽しく登っておけばよかった。

という事で少し早いが、その後の出張キッズレッスン(小国)に備えた。