「その他ナイト含む」カテゴリーアーカイブ

ウーパールーパー5.13の記録

最近、北部九州の開拓者武下さんと会う度に話題に上る岩があった。
それはサラマンダーの岩。
傾斜130度、高さは8m。
サラマンダーはその中央を走る弱点に沿ったラインで、
2005年武下さんがボルトを打つ、その後初登させてもらった。

去年あたりから話題にのぼり、私もサラマンダーの右に可能性がありそうな気がしたので、なんとなくボルダースタイルで取り付きはしたが、感触は良くなかった。

今年春、ボルトを打ったと連絡を受けた。
トライしていいか確認、快諾頂いた。
とはいえ、前回のボルダーでのトライのイメージが悪すぎ、無意識に可能性を放棄していたのであろう。
暫く放置、時過ぎた4月10日のトライ開始。
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ブランクと感じていたパートも、ギリギリの位置にホールドは存在した。
リードルートにしてはホールドが悪く、動きの精度が求められる。
ブラインドのカチ狙いや、抜きの悪いホールドにデッドなど、ただ距離を出せばいいってものではなくコントロール系の運動シーケンスが続く。
素晴らしいことに終始動きに強度があり、私のクライミングスタイルにぴったりであった。
1便目でmoveはばれた。
問題は気温。やはり外傾したカチを握るには暑すぎる。

3便目、4ピン目前のこと、ぬめっているにも関わらずそのまま捨て身ランジを決行。
案の定落ちたが、モーションなく不用意にとんだためグランドフォール。
ニライカナイ等に比べ、やばくはないので無事無傷。
とはいえメンタルをやられ、この日は敗退。
心理的に道具に頼ったクライミングをしてしまったことに反省。
事故は自身の心理状態が招く。

5月22日
日曜日休みだったことを思い出し、急遽武下さんに連絡。
時間を合わせ、突入。
予報の最高気温は28度、流石に厳しい。
2便目勝負だと予測。

時間より少し早く着いたので、move確認とヌンチャク掛け。ビレイ2回目のテラコに頼む。
もちろん突っ込めないがとりあえず十分な役割を果たしてくれた。
暫く休み、武下さんたちも到着。

気温は予想より早く上がってきたが、ダメ元で2便目。
登るつもりでいたが、指先の踏ん張りが利かず3ピン目後のカンテ出しの一手で落ちる。
確かに核心ど真ん中ではあるが、ここで落ちていたら勝負にならない。

もう少し早い時期に来ていればよかったと、マイナスの感情が芽生える。

暫く休む。気温は更に2-3度増した。
とりあえず核心前の足位置に多少違和感があったのでいじることに。確認する余裕がないのでぶっつけ本番で。ついでに前半も一つmoveを変える。

3便目、カンテどりは相変わらず動きの前に変な詰まりはあったが辛うじて捉えた。
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グランドした次の一手、安定姿勢を探してデッド。成功。
渋いフックでクリップ。このフック外れたらグランドだなぁなんて思いながらであったが案外冷静であった。
高さ慣れだろうか。
核心は終わった、そう思っていたがその2手後のスロットのガバどりでロックする余裕がなかった。
指先のスリップ落ちを恐れるあまり、力が入りすぎていたのだろう。
成功率7割のデットになってしまった……。

無事捉えていたから良いものの、ボルダーであったらメンタルをやられていただろう。

その後は少しわかりにくいリップ付近のmoveをこなしトップアウト。
トップアウト出来るルートは全てトップアウトして初登することを信条としている。

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岩の上に上がる。ロープを解き、ドロドロになりながら裏から岩の下に降りた。

開拓者命名、ウーパールーパー5.13

ボルダー要素満載のこのルートであるが、ボルトルートとしたことで人気は出るであろう。
(早く表に出せるよう頑張ろう。)

無事、完登してからは周辺のトライと整備。
側面の泥落としが最大の核心かもしれない。
秋口数発で終わらせて、表に出そう。

駐車スペースが限られていることやシビアな条件もありネットや紙面公開できないのが残念だ。
何にせよまずは周辺整備。

お付き合い頂いた方、そして武下さんに絶大な感謝。

大分にて、二つのイベント

先週末は実家大分で過ごした。
詰め込みすぎたスケジュールで岩には行けなかったがそれでも得るものは沢山あった。

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5/14 クライミングジムダイブにてイベント。
幾つか私もセットした。
得意な強度系の課題は、セッター陣を見る限り必要なさそうであったのでコーディネーション特化と変則ポジショニングのセットに尽力。後は一応時間確保用にベーシックスクールのセットとランジのレッスン課題を作ったが、イベントもスピーディに進み埋蔵。

イベントはスタートから終わりまでエネルギッシュに進行。

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常連たちの仲の良さを感じた。どこか懐かしい雰囲気、うちもジム始めたての頃のプチコンはこんな感じだったかな。
イベント終了後、というより閉店間際、少しだけレッスンして1日を終えた。

5/15 大洲リード壁イベント
これまた運営側で参加。
昨日のメンバーとはまたガラッと変わる。他にも大分には精力的なメンバーが存在することを知っているだけに、裾野の広さを感じた。
イベントのカテゴリは高校生(中3含有)男子、女子、大人男性、大人女性、4つに分けられる。

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少女は今後の可能性を感じた。

次にオープン参加に小学生がひとり。良い登りをしていた。心技体それぞれの成長を期待する。

少男は、上の世代が目立ちすぎ彼らの噂をあまり聞かなかったのでどんなものかと思って見ていた。
登りを見て、私は安心した。
この子らも3年間頑張ってきたことは、登りや身体つきを見て感じ取れた。
技術習得の機会がなかっただけで、真面目に続けてきたことは感じ取れた。
私はそれだけで嬉しい、今後もクライミングを続けてくれたらより嬉しい。

成女、順当ではあるがまだまだ県としての伸び代は感じた。

成男、ひとり飛び抜けてるのはもういいとして、2人の勝負。2人は対照的で、ひとりは時間オーバー、もうひとりはテンポが狂いフォール。偶然にも同じ位置であった。
決勝は2人ともルートの構成を完全に読みきれず、躊躇の中進み、一手差で決着がついた。

ちなみに残りのひとりは言わずもがな両ルート、淀みなく完登。
おかげで完璧な作品となった。

終了後、沢山の人と話せて良かった。

夕方、大分の重鎮開拓者も含め渋い温泉の一角で夕食を頂いた。

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アルコールなしに濃すぎる会話はとても痺れたが、この素晴らしい空間に感謝。
予想以上に充実した日々を過ごせた。
久留米に帰る。

黒き雲竜とMt.robot

龍体山 雲竜のホールドが欠損したということで早速確認へ。
朝まで雨が降っていたのでコンディションはどうかと思ったが、案の定龍玉岩は黒かった。ここまで黒い龍玉は初めて見た。

とりあえずやってみる。
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とくに影響はなさそうで一安心。
(本日、仲間が雲竜を登ったようで彼も影響ないとの判断)

その後どうしようか迷ったが気になるエリアをダラダラと巡回。

夕方、シークレットととして公開したドームへ。人気があるのかカワセミには真新しいチョークがべったり。

トレーニングでいくつかリピート。
2008年モガキさんfaのMt.robotでゲキハマリ。とりあえずリピート出来たがリップ付近は濡れていたのでショートバージョン。

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何回登ってもこの課題は苦戦を強いられる。
少し登り足りないが体調不良にて撤収。

(ドームは公開されたシークレットエリアです。ネットsns等に地名等場所がわかる情報は流さぬようよろしくお願いします。)

上畑ロックフェス参加

まとまりそうにないので、時間系列で羅列する。

2.27 sat
イベント前夜祭参加前に温泉に行きたいと、前日からうちに泊まっている若者が言い出したので、joyの最寄りの温泉に放置し、私はいつも行っている珈琲豆屋で時間を潰す。幸せな一時であった。

夕方、この日仕事だったテラコを拾い現地へ向かう。

今回公開されるエリアは過去通い詰めた尾平の少し手前。
流石に通い慣れた道、ストレスなく竹田まで車を走らせ、時間があったので定食屋で飯を済ます。

20時過ぎ、宿泊場所兼前夜祭会場、奥嶽茶屋に到着。
名前は立派だが、実際は小学校跡地の体育館である。
それでも、手が行き届いており、比較的綺麗であった。
さらに言えば、きっとOBAスタッフがしっかりと準備していたのであろう。
組織力の強さを感じた。

さて、着いて早々私は絡まれた。
いきなり日本酒と唐揚げを勧められた。
明らかに罠である赤い物体のついた唐揚げを、後の結末がわかっていながら食べなければならない。

断ればいいって?
こんな愉快な仲間や先人達の意向を断れるはずがない。

食べた瞬間、後悔した。
からすぎる、こいつら馬鹿じゃないだろうか、こんなものを人に勧めて……。

仕方なくもったコップに入った日本酒で誤魔化した。

人が来るたびに同じ光景を繰り返していく人たち、飽きないんだろうか。
そもそも酒が入り過ぎていて、覚えてないのかもしれない。

人の波が落ち着けば急にクライミングの真面目な話に戻る。
一体スイッチはどこにあるのだろう。謎でしかない。
関東からの来客や、先人、師匠らに色々話を聞きたかったがそんな状態ではなかった。
そもそも先人らも率先して、悪ふざけをしている。

本当に九州って素晴らしいと思う。

落ち着き始めた頃、天敵おがっちが来た。
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沢山椅子は空いているのにあえて隣に座るあたり、よほど私のことが好きなのであろう。
速攻注がれる酒、イベントの終わりを実感した。

頑張った綱登りも、隣で全裸になった此奴のせいできっとお蔵入りであろう。
挙げ句の果てには、寝床のマットへも割り込んでくる始末。

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何を言っても聞かないので寝ることにした。

2.28 イベント当日。
酒の弱い私にとって二日酔いは仕方ないとして、まさかの寝不足…枕が変わるだけで寝れないのに……。

10:00開始
尾平開拓時代、私も何度か訪れている。
あまりに鬱蒼としているロケーションに当時ヘルズゲートと名付けたのだが、光景は様変わりしていた。

開かれた広場、快適なアプローチ、そして何よりも課題達についたチョークが熱い想いを伝達させた。

ふらふらだったがやはり岩を見るとテンションが上がる。

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一本登っては立ち眩みに耐え、回復したらまた登る。
それを繰り返した。

昼飯前、一旦回復したがご飯を食べたら眠たくなってくる。
岩の上でふらつき落ちかけたところでその日にクライミングをやめることにした。
閉会まで寝る。

15:00 終了
決勝集計、高難度は一切触ってないが登りたいやつを片っ端から登りまくった結果、決勝に行けることが分かった。
幸いのもこの頃には全快。
課題も一番やりたかったフェニックスの下部、チキンv8。

motivetionフルでホールド偵察あり、他人の登り観察なしのぷちフラッシュスタイル。

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九州勢は全員、思いっきりmoveを間違えたままつっこみ落ちるなか、プロクライマーは一撃。
最高に盛り上がったことであろう。

16:30 閉会式

沢山の関係者と話し、その節々で明るい苦労話を聞いた。
こうやってエリアを公開し、みんなの交流の場をつくり、ベクトルを一つの方向へ向かわせることの素晴らしさ、そして意義を改めて感じさせてもらった。

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無事終了後、車の移動があるため速攻で帰らなければならない。

ということでそそくさと撤収。
(〜OBAのみなさま、参加者のみなさま、協賛のみなさま、ありがとうございました。)

帰りの道中、決勝と決勝後合わせて2度だけ触ったチキン、完全体のフェニックスがずっと脳裏を過っていた。

エリアで最もおいしい一本を封印されるなんて……
フラストレーションがピークに達した。
ただ、想えばちょうど良かったのかもしれない。

絶望岩達成後、3度あった休日も岩に行かずにダラダラと過ごしていた。

岩やクライミングに対しての気持ちが完全にきれていたのだ。
そんな暗礁に乗り上げた気持ちを、吹き飛ばしてくれたのはこのエリアの魅力的な岩と開拓者の熱意。
この日ここに来て、この場を感じれて、本当に良かったと思う。

20:30 無事久留米到着、解散。

着くなり休日である翌日の天気予報を確認。
これはとても無意味な確認で、
見たところで悪天であろうが、結局行く事には変わりない。

ozと日向神

11.29
朝一ozroofproject。
抜けの確認をしておきたかったのでリップを掃除。

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シューズを履いてトライ開始。
少し迷ったが確実に登るために右巻きに登ることに、確認終了。
その後もう少し時間があったので核心を。
ホールディングを変えることで精度は増したが、途中で持ち直すことは可能か…
足がよれてきてそのテストに手間取り時間切れ。何とか可能だとは思う。

午後からは仲間と待ち合わせをしていた日向神。

現地にいた枝さんや山崎さんに、雨雲とともにやって来たと言われた。
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そう…着くなり雨。
濡れゆくスラブ。
仲間が作ったルート、空へ1ピッチ目の試登をやる。
正確には、いきなりやらされる。
湿気がどんどん酷くなり焦ったが無事登れた。

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浮き気味のフレーク、凹角のステミング、ノーハンド気味スラブの立ち上がり連続。
極め付けはマントルにブッシュ。
嫌いじゃないクラシックな内容であった。

降りるなりグレードを聞かれたが、パッと出てきたグレードはVII級?
発表は5.11a, 少し厳しく感じたが、乾いていると印象は変わると思う。
流れを良くするためにもっていったスリングをかけ忘れロープが重かった。

雨が酷くなったので、トンネルエリアに移動。
あとは見学して過ごした。

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11.30
oz,projectをやる前に整備、隣の岩のリップを見ることに。
仲間が張ってくれたfixで上がったが、結構怖かった。
リップ掃除は……大ごとだ。
想像しただけでめげた。
とりあえず次回、通路を綺麗にしよう。
気をとりなおしてozの岩の側面フェイス、6m越えのハイボール。
中間部に明らかな浮石がある。
不本意だが、ラペルする事に。
浮石は無事落ちた。
その代償として、ホールドの掛かり具合がわかってしまう。

ラペルしてしまうと大まかなイメージが出来てしまう。
果たしてそれは目指すものに添うのか…。

少し休憩。
暖かい1日で、この時間は至福を感じた。

いざトライ。
ラペルの時点でわかってはいたが、当初期待していた負荷を大幅に上回っていた。
前半は辛うじて解決したが中間部のランジ(となる見込み)が極めて怖い。
結局その一手を出すところで、17:00が過ぎた。

日暮れを言い訳に敗退。
次回登ろう、とは言い切れない程のプレッシャー…。

そのうちやろう、そのうち……。