「遠くの岩」カテゴリーアーカイブ

鳥取最終日「稲垣さんと」

朝日に気づき目が覚めた朝、
私は車の中のサターンの上にいた。

5/21(月)

全身筋肉痛、指皮もほぼ残っていない。
さらには左手薬指に圧痛あり、本格的に故障していることに気付いた。

稲垣さんに、今日は岩登り無理そうだと連絡する。
温泉にでも入って長距離運転に備えようと決めた。


実は先日のコンペ会場で、’あの’稲垣智洋氏に会った。(度々書いているので説明略)
コンペ会場で会うなんてびっくり、
思わずテンションが上がり話し込んでしまいそうなところ、何とか我慢。


しばらくして稲垣さんより
「今日は涼しそうなんで岩に行こうと思っている」
といった感じの返信あり。

羨ましく思えて、再び予定変更。同行させてもらうことに。

車をかっとばし2時間後、岡山にて合流。
真備へ。

言われていたよう気温はそこまで上がらず、エリアには風も入る。
さらには岩のコンディションも良かった。

心配していた薬指も、カチで構成された課題では特に影響なし。

万全だった。
ただ相変わらずカチに弱い…
目隠し 初段

帰りがけに寄りたいところもあったので敗退を決めた。


14:00
少しだけ時間があったので岩をもう一つ。
スッキリ登れる1級あたりがあればと尋ね、稲垣さん即答で「ならば矢掛が良い」と…。

岩に到着、
どのラインも登攀意欲を刺激するカッコいいラインであった。

ただ、
1級よりも美味しそうに見えるラインはフェイス中央の初段。
聞くとやはり名作らしい。

ターゲット変更、

矢掛ノ親指君 初段

見た目も良いのだが、内容も味わい深く爽快なシーケンス。
気持ちよく〆ることが出来た。

という事で目的地、先週コーヒー豆を送ってもらった広島県福山のお店へ。
(まさかこの旅で来ることが出来るとは……)

稲垣さん、リュージ、最強に感謝。
閉店まで滞在し福山を後にした。


旅の終わり、
思えば想像以上に色んな事があった。

過酷な運転も体験の余韻に浸れば案外余裕で…日を跨ぐ前に久留米着。
全行程を終えた。


動画
鳥取三滝
・段 初段
・斬 二段
落折(三段)の岩
海辺の岩
・退屈 二段
・トライアングル 4級
・なまけもの 3級
・チキンドリア 初段
岡山
・矢掛ノ親指君 初段

鳥取3日目「ユース後の岩とジム」

5.20(sun)BYC決勝

友達と一通り話終わったのか、陽太が帰ってきた。
わざわざ戻ってきたところを見ると登り足りないのか?

少し話した末、オオセド家と岩に行くことに。
リツの表彰式は見たかったのでバタバタにはなるが強行。

向かったのは海辺のエリア。

たまたまだがローカルクライマーに会えた。
現場でも話を聞くことができ、
さらにはこの後snsのメッセンジャーで様々な話を聞くことができた。

出逢いに感謝。

陽太にも親切にしてくれ、
彼もまた登りと同様に、こういった出逢いを大切にしてもらえたらな
なんて思いながら、バタバタクライミング。

さてエリアについてだが、
色々とシビアな面もあるようなので、今回地名や情報等にはあえて触れずにいたい。
(調べれば簡単に情報は手に入ると思うが)

岩は特徴的で非常に良い、
ローカルとコミュニケーションを取りながらうまくアクセスしてもらうのが良いのではないだろうか。

20年以上前から登られているらしいこの岩、
朽ちたリングボルトが残っていた。

ある時、若き実力者がそのルーフの中央を登った。
そのラインは看板課題となり…

その岩その課題が人を呼び
岩は朽ちること無く今尚活きている。

その岩に九州の名もなきクライマーが世代を超えセッション…
なんて不思議な光景なんだろう。

チキンドリア 初段 (初登 小澤信太氏)

充実したひとときであった。
多少時間が押したため予定していた観光などする余裕はなく、無理を言って珈琲だけ飲ませてもらった。

無事全日程を終え、みんなと別れたあとは倉吉のジム「ババーン」へ。

穏やかなジムでついつい登り過ぎた。
課題について、
何よりmoveを起こす際の軸足が私と真逆な事が多くかなり新鮮、早く帰ってセットしたくなった。

閉店間際までがっつり登り撤収。
その後宿泊地を探したがまさかの空きなし……。

車中泊となった。
就寝。

鳥取初日後半「落折と退屈」

5/18(金) 徹夜で鳥取まで移動後、三滝で登りまくり今に至る。
何故こんなに慌てているかというと、予報は午後から雨なのだ。

次に向かった先は 「落折 三段」のある岩。

もし時間があれば行きたいと思い軽く調べていた。
時刻は12時、特に迷うこともなく到着。

そそくさと車をおり岩に近く。
見上げると
そいつはかなり格好良く、
こんな岩が情報もなく埋もれている事にびっくりした。

生憎岩の表面は結露し、キーホールドのいくつかは濡れていた。
それでも、これを見過ごし帰る訳にはいかない、
そう思いタオルで拭きながら雨が降るまでやる事に。

スタートホールドと足場となるカンテが使用困難なほど濡れていたので、泣く泣く1手目からやる。
「落折 三段」という課題ではなく普通に岩を楽しむ事に。

三滝にて身体がよく動く状態をつくっていたので、雨降る前に滞りなく1手目から繋げきった。

となると欲が出てくる。
落折 三段という課題を登りたくなる。

無理矢理スタートからやってっみると、見事にすっぽ抜け川まで吹っ飛んだ。
(動画を撮っていなかったのが残念で仕方ない。)

もう一箇所行きたい場所があったので移動する事に。
雨が降っても良いと思う程に気持ちは満たされていたのだが、降らぬ以上登るしかない。
車に戻る。
時刻は13時を過ぎていた。



ひとつ気になる事が…。
こんな素晴らしい岩であるにも関わらず、実は殆ど情報がない。

不安になり、再度ローカルクライマー数人に連絡を取ってみる。
するとすぐに返信が、そして特にシークレット等ではないとの事。
一安心すると共に贅沢な気持ちになった。


15時前、目的地である海辺のルーフは直ぐに発見できた。ただ駐車位置を探すのに少し苦戦。
見つけた頃には雨が……。

この岩もまた良い。
天気と体力を考えるともうやめても良かったが、これは登っとかないといけないだろう!
と、よくわからない勿体無い精神が発動。
とりあえず側面数本登り、

メインクラスの「チキンドリア初段」「退屈二段」のどちらかに絞る事に。
チキンドリアは傾斜が落ちてからも悪そうで、濡れるとやばいかもと判断し退屈を選択。

一通りシーケンスができたところで雨が酷くなりはじめる。
少し慌てててしまった。
繋げ2便目、核心の左ポケットに半がかりのまま次のmoveに突入。登れたは良いが指を痛めてしまった。

何はともあれ、雨降る前に(降っていたが)無事終わり。
時刻は16時過ぎ、やや早いが流石に疲れ果てた。
車中泊を予定していたが断念。

丁度三朝温泉の旅館に空き部屋があったので確保。
1時間程度車を走らせ旅館着。

地元大分の少しマイナーな温泉街を彷彿とさせる空気感で、私は居心地良く過ごす事が出来た。
オオセド家も近くに泊まっている事がわかり一緒にご飯を済ませ少しだけ仕事をし就寝。

鳥取県三滝にて

先週末、鳥取にてボルダリングユース日本選手権が行われた。
教え子の参加を見守るため私も行く事に。


5/17(Thu)23時閉店、翌日の鳥取の予報は雨。
少しでも自分のクライミングをするべくそのまま出発。
予定では7時着。
3時間でも登れれば安泰。

少しだけ休憩を挟み、予定ややオーバーの9時着。
かなり眠いが雨が降ったらゆっくり休もうと決め岩へ。


ネットの情報だけでは注意事項等しっかりと守れるか不安だったので、事前に鳥取で登っている地元クライマーをsnsで数人見つけ、連絡していた。
怪しまれたかもしれないが、鳥取のクライマー皆親切に情報を教えてくれ非常に助かった。
感謝感謝…(お土産を忘れるという失態の話はまた。。。)


向かった先は三滝。

入口に多少迷う気がしてGoogleストリートビューをスクショしていたが、その必要もなく道端に突然岩が現れた。

到着、
正直岩が触れたらいいや程度の期待であったので一気にテンションが上がった。
「すげー岩や!」

バタバタとエリアを確認。
いくつかは濡れておりトライできそうになかったがそれでも十分遊べそうだ。

雨が降る前にと、いそいで取り付く。


斬 二段


段 初段

雨降る前に登れる限り登ってやろうと動きまわったが、結局降らぬまま…。
相当疲れた。

ただその疲れも、せせらぎが癒してくれ昼寝出来そうなほどの心地よさ…
このまま昼寝しようかとも思ったが、時刻は11時。
ここは九州ではない!まだまだ登れる!
勿体ない精神発動し、移動する事に。
向かうは、ざっくり調べておいた落折へ。


三滝、
何よりロケーション、岩、共に素晴らしい。岩の数や高難度こそ少ないものの課題のセンスも素敵で、それぞれの岩の主要課題は睡眠不足を忘れるくらい夢中になれるものであった。開拓者、公開した方、情報提供者に感謝。
無理して来た甲斐があった。


記録(順に)

プラナリア 3級 Flash
斬 二段 Flash
段 初段
変体low start
スペスィフィケイション 3級
ランジ 1級
清い流れ 初段 Flash
天辺 6級
ハイドロポーション 1級/初段
風 初段
〜他

金華山の旅

11月22日、旅に出る。向かうは宮城。

元々は翌23日に行われる金華山復興支援イベントに参加する事が目的であったのだが、21日の夜、雨で中止という連絡をもらう。とはいえずっと気になっていた金華山、見るだけ見たいと思っていたところ、イベントの指揮をとっている特定非営利活動法人FAJの村上さんが案内してくれるという事で、ご厚意に甘えいざ決行することに。

※FAJはクライマーだからこそできる震災復興を目的とし活動している組織。

正午過ぎ、仙台にあるFAJの事務所にて村上さんと合流。そのままエリアのある石巻まで乗せて頂いた。私は旅に出る際、そもそも下調べなどほとんどしない。よって当日困ることが多く、それらに比べると今回は非常に楽させて頂き、もはやこの時点で感謝してもしきれない。
道中、石巻の話やエリアの話、震災や復興の話、活動の話などを聞かせて頂いた。

夕方、石巻に到着。震災の痕跡が見えた。
九州でも近年酷い災害が続き、復興まで膨大な時間を要する事はわかっていたが、やはりいざ目の当たりにすると、言い尽くせない感情が恐ろしい程湧いて出てくる。

感情を整理できぬままいると、牡鹿総合支所に着いた。どうやら支所長と打ち合わせらしい。私は待機するものだと勝手にぼっとしていたら、せっかくだからと声をかけて頂き、同行させて頂いた。そのまま復興応援隊(正式名称を忘却…とても素晴らしい活動をしているのに失礼。。。)の方々とも同席させて頂き、今後の復興ビジョンの中にクライミングが関わっている事を知った。
内容は私が書くことではないので省くが、私自身とても良い経験をすることが出来た。

支所からでるともはや陽がない。
「日暮れはや!そして暗!」
思わず口に出た。やはりここは九州ではない。

夜、おしかのれん街にて牡鹿名物を食す。何て美味しいのだろう、これはリピートしたい。

その後、民宿へ。ここで飲み過ぎ記憶をなくして初日を終える。

11月23日、起きて迷わずカーテンを開ける。
雨。
そのうち晴れてくれるだろう。美味しい朝食をいただきフェリー乗り場へ。
相変わらず雨は降っているがどうやらフェリーは出るらしく、金華山には行けるようだ。

船には比較的慣れていると思っていたが、とても揺れた。
なんだかフラフラする。
でもよくよく考えたら朝民宿を出るときも足がもつれた。これは船酔いなのか二日酔いなのか……。

〜そもそも私は何故金華山に興味が湧いたのだろうか。
宝島というどっかの島に転がる岩を登っている写真がとても美しく、いつか行ってみたいと思ったのは覚えている。
岩がある事は確実だが、課題の情報はほぼない島でのボルダリング、想像的でワクワクする。
縁あって去年の年末、旅先岡山でFAJのメンバーと出逢う事ができ、半年に一回のイベントを行っている事を知った。これは絶対に行きたいと思い、イベントがある日程が予めわかれば教えて欲しいとお願いし、今回の旅に至った訳だ。

昼前、島に着く。天気は雨。クライミングは諦めた。

エリアまでは遊歩道を歩いて行く訳だが、震災や度重なる台風の被害で荒れていた。どちらにせよ普段通っているどのエリアのアプローチよりははるかに歩きやすく、島の壮大なロケーションも相まって、飽きる事はないどころかとても気持ちが良かった。

エリアに着くが雨。
岩は手頃で面白そう。
色んなラインが出来そう。


我慢出来ずに結局登る。

完全に濡れた岩の登り方をはじめ忘れており、少し苦戦したが徐々に慣れて来た。
そんなところで時間切れ。岩に触れただけでも良かったと思うことにした。
少し急ぎ足でフェリー乗り場まで歩き、定刻、島を出た。

〜そもそもこのフェリー、実は観光用ではなく参拝用なのだ。ということで、週に2便しか出ておらずクライミングを行うのは上手く工夫せねばならない。
逆にいえば、750年の歴史を誇る黄金山神社が離島にも関わらず多くの人を呼ぶ。島に立ち、気づいたがこの壮大な環境は登らなくとも訪れるだけで価値はある。そこに歴史ある神社があるとすれば自然と興味も湧く。


帰りのフェリーで見た西の空には晴れ間が広がっていた。また来よう。

夜、ありがたい事にまたまた仙台まで送って頂き、ホテルにチェックインを済ませ、またまた仙台名物を食し就寝。

11月24日、遅めにホテルを出て、オススメのジムを聞いていたのでトレーニングを兼ねて出向く。
雰囲気は我が第2の故郷ボル天に似ており、懐かしくも私の居場所を感じた。
結局ボルダーしかしていないのだが、課題がとても丁寧に作られており楽しく登ることが出来た。

夕方の飛行機で仙台を発つ。


FAJ代表 村上様や仲間の皆様、この機会をサポートして頂いたミカさん、留守を守ってくれていたスタッフや常連方、本当にありがとうございました。