フェリー乗り場で足の裏をきって病院行きとなった1月12日。
続きの話。
5針縫う手術、そして抗生剤の点滴。
1日潰れるかと思いきや昼過ぎに終わった。
手術終わりに恐る恐る…
『積極的に歩かない方がいいですよね?』
と聞くと
『強めに縫ったので刺激を入れる意味でもガンガン歩いてもらっていいですよ』
と逞しい回答を得られた。微かな希望が。
さて、
どうやって病院を出るか?
一応仲間に連絡してみる。すると、迎えを快く引き受けてくれた。
貴重な時間を私に使ってくれたことに最大限感謝したい。
急斜面を下り天然林を抜けると視界が広がる。
草原の向こうに壮大な海が。
9年前に見た光景と変わらず再度感動した。
今旅の目的は2本のキングラインに再度対峙すること。
ここにはそのうちの一本がある。
かつて見たその岩を前に、今なら何を感じるのだろう?
変わらずに在ったその岩。
相変わらず途轍もない存在感を誇るその岩は少しだけ小さく見えた。
今ならやれる。そう思った。
恐る恐るシューズを履く。踵を通す瞬間はズキっと痛いが履いてしまえばもう大丈夫。あとは下手な着地さえしなければ大丈夫だ。
軽く触ったところでリップの確認。
すると巨大な浮石が。回り込んでいてよかった。足が万全だったならそのまま突っ込んでいたかもしれない。と考えると運が良かった。
下から引かないと取れないブロックがひとつだけ残る。
そっと登ることとした。
完璧なラインだと思う。
1本目のキングラインが完結した。
9年前この岩を共に見上げて感動を共有した仲間、栗崎と相談し決めた。
「青い宝」
怪我もありグレードはわからないがv10ほどのようだ。
落ちゆく陽に染まる浜でKazahana片手にまったり巡る。
夜になり町に戻る。夕食を済ませて民宿へ。
1日の終わり。
明日の夕方に島を出る。正午あたりに雨が降るようなのでそれまでもう少しだけ岩を触りたい。
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