日南トリップ – 初日の夕方 –
巨石 「海王蟲」。

昨年日没後に崖の上から存在を把握していた巨石。潮が満ちるまで時間があったので目前まで。
圧倒的な傾斜と佇まいの裏腹深く抉れた下地に留まる渦のせいで水深すら分からず。着地できるイメージは湧かず諦めた。その後磯を歩き3つの巨石と出逢った。

〈 飫肥乙女 project 〉
程よい巨石、前傾面には顕著にホールドが散らばり絶対に良い課題になる。1級〜二段?

〈 マナティproject 〉
そこまで大きくはないが造形美しく。

〈 最後の塔 〉
茶色の巨塔。下部はハードムーブ、上部は脆い砂岩突起でのロシアンルーレット的戦いが予想されう。風貌と質のヤバさ相俟りこの地のラスボスとして君臨すると思っていた。
偵察を終え、せっかくなので手頃な岩を10本程登った。茶色の岩は形状面白くも実に脆く、登攀対象ギリギリのところ。内容の変化を考えると初登時のグレードは無意味だろう。この地の岩の性質を少しだけ理解した。
陽が落ちきる前に広い浜に移りタープを張り火を熾す。夜が訪れてもそこまで寒くなく良い時間を過ごした。

2日目/2026年3月
波が酷い。
Project/飫肥乙女は丸々波を被っていた。5mの巨石を覆う高波に恐怖を感じつつ、このまま引き下がるのも惜しいので仕方なく「最後の塔project」を見上げる。
正直やりたくない。
強度ありダイナミックムーブを強いられるだろう下部は砂砂している上、狙い先の突起ホールドはいつでも吹き飛びそうで……。上部に関しては無事で済む気がしない。
…… と言ってもやりたい岩は全て海。
最後の日のために、少しでも進めておこうとマットを2枚運び気が乗らないままトライ開始。

長いブラシで溜まった砂を落とし1手ずつ更新していく。ランジ先のフレークは案の定簡単に吹き飛んだけれど多少硬い部分が残り気持ちを楽にさせてくれた。
残すはロシアンルーレット状態の上部だけ……。
引きが悪ければ、フレーク諸共地面に叩きつけられる。着地をどこまで許容できるか。幸い上部は傾斜が落ちる。フットホールドの選定さえ誤らなければ足から着地できる。ランディングも良くはないがマット内なら大丈夫だろう。怠さはあったが車中泊で使っている大型マットを運び、挑戦することを決めた。

カメハメハ 初登
取り付きに戻り茶色の塔を再び見上げる。トライした時間は一瞬だったけれど葛藤した時間はとても長く感じ…… やる気なかった今日良く登ったなと、我ながら感心した。初日の小さな岩でのロシアンルーレットに失敗し続けた経験が活きたんだと思う。
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出来上がってみれば風貌良く、シーケンスも実にいい。上部のロシアンルーレットだけは何とも言えないけれど、それもスパイスと言えるのだろうか?
登れてみれば、少しだけ呆気なく。日暮れまでサーキットをし2日目の活動を終えた。

