そいつを登った秋、
間伐工事がはじまり、ようやく落ち着いた頃、果敢なトライにより骨折者が…。
(詳しくは不明)
印象も薄れ、何となく足も遠のいていた。
そもそもここに私自身用事はない。
久々に見上げたそいつは小さく見えた。
ニライカナイ V13
「今ならロープを使ってmoveをバラしたりしないな」
そんな後ろめたさもあってのことだろう。
この日は取り付く気になれなかった。
ただただ同志のトライを眺め…
何て楽しそうに取り付くんだ。
羨ましく思った。
こいつはもしかして未だ最良の課題なんじゃないか?
そう思いなおした。
翌週、遠方から訪れた同志を隣に再び同じ光景が…
こいつは国宝級だなんて言われたら確認せねばならないじゃないか。
気づけば取り付き、再び夢中になっていた。2年が経ち流石に多少は上達しているようで、あの日の初日に比べ感触は良かった。
再登ならずではあったが、しっかりと動作を要求される構成、岩の質とスケール、見栄え等全てを考えて…やはり私にとって未だ最良の課題だと思う。
(追伸、課題本数は少ない上近隣にてシビアな問題がある…ただやはりこれは何とかせねばと……。多少の注意事項込みで公開出来たら、と思う。改めてそう思わせてくれた皆に感謝。)
〜
さらに翌週、次は我が最難課題のあるOzへ。
スケールこそ在るものの、ニライカナイを見たあとではやはり霞んで見える。
ただここには私の執念がある。AveMaria v14をやった。
結果、核心パートが1moveもできないどころか他のパートもギリギリの精度。もはや2度と登れる気がしない。今の私にとって明らかな限界値。(というか今現在の限界を超えている気がする…)
最良と最難を改めて確認し、今進行している可能性を思うに
この2本を超えてくる課題は思いあたらない。
ただ、今はまだ登りたい一本がある。
今シーズンは間に合わなかったが来シーズン。案内頂いた頃の自分じゃ可能性すら見出せなかった、今なら何とか…
来年春までには良い報告が出来るよう……。
もう少しだけ強くならねば。