饒速水琥珀主と春紫苑

先日、みんなで開拓に行った時のこと。
仲間から新たなprojectを譲り受けた。

その岩は衝撃的な面持ちをしていた。

圧倒的な傾斜をした面に在る、掛りが明らかにある無数のシワ。

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早速取り付く。
思ったより足場が悪く、思うように伸びあがれない。
そして、少しづつ遠いシワの繋がり。
核心部に至っては、私のリーチでは微妙に抑えきれない。
これはもしやと思って適当に始めたダブルダイノが一瞬成功しかけた。

その瞬間ワクワクが止まらなくなる。

とりあえず、完登するために他の可能性を探るがやはりダブルが一番しっくりくる。
一時間程度打ったところで、待たせてる仲間に申し訳ないので撤退を決める。
今度じっくりとやろう。

夕方、強行だったが仲間のprojectに付き合う。
前回のトライを見る限り、何となく登れる感じがした。

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moveを確認し、繋げて二便目、見事に完登。
3日越しの挑戦であった。

春紫苑 v8
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一番目立つ岩の一番おいしいライン。
良い熟し方をした後の完登…。
文句のつけようのない素晴らしい課題。

仲間の熱いトライを見ていたので、私も誠心誠意集中し登った。

4/16
いざprojectへ。
15:00より雨の予報、そんなこともあり早めに出発。
お陰でじっくり、思考フル回転でトライする準備は出来た。

ついてからは早速move探し。
…やはり正直あまり飛びたくはないので他の可能性を探す。
一時間程打ったが、やはりどうしてもダブルが一番しっくりくる。

腹をくくって飛ぶことを決めた。
指皮が一気に削れていく。
もうほぼ指皮を使い切ったところで一回ダブルが止まった。

ここからは高さとの戦い。
慎重に進む。
連日の雨の影響で、リップ付近が濡れていた。
心の準備が出来ていない。
暫く考えたが、こういう課題は一回できたら出来るようになる。

クライムダウンをし、飛び降りる。

少し休んでトライ再開。
無事ランジを仕留め、完登。
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饒速水琥珀主 v11

とんでもなく素晴らしい課題が出来た。
紹介してくれた仲間に感謝。
今年は豊作だ。

正午を越えた。
車に戻りどうするか考えたが、前日に仲間が整備した岩を偵察することに。
場所確認したあと、岩まで空身で歩く。
10分程度歩いて、遠くに岩が見えた。

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こいつはとんでもないぞ…そう感じた瞬間、猛ダッシュしていた。
ホールドは…一番おいしいところに幾つかかけたあとが。
聞いていた通り、中央突破は不可能であった。

右カンテと左カンテは出来る。

が、今日はもう疲れたので日を改めることにした。
仲間に無事たどり着いたと連絡をしようと携帯を確認すると
「がんば」
と、返信が来ていた。

とりあえず、道具をとりにもう一往復。
右カンテはチョークが載っていたので、左カンテにすることに。
想定より強度が強く、案外丁度良い塩梅であった。

無事moveがばれた。
繋げに入る前に休憩がてら携帯の外部バッテリーを取りに車に戻る。

車に戻った頃、
遠くで雷が……。
風向きも変わった。

これはまずいと感じ、走っては見たものの間に合わず。
岩は集中豪雨を浴び、リップとカンテは黒く染まっていた。

諦めきれず、さらに打つ。
思ったより登れてしまい、打ち止め時を見事に逃したが、
当たり前の敗退。

小雨の中、車まで歩く。
雨が冷たかった。