2014年のとある日
天井高相当に広がるルーフ、背中から落ちる恐怖に勝てずそっと敗退した。
圧倒的な格好良さを前に太刀打ち出来ない歯痒さもあり、記憶の奥底に仕舞い込み再び見上げることはなかった。
2022年4月28日
春先にmoveが出来たprojectは濡れていた。ここ数日雨は降っていなかった。
山は湿気を帯びている。もうそういう時期なんだろう。
ハードなトライは諦め、再びあのルーフを見上げることにした。
炎天下の藪漕ぎ。
藪を抜けるといきなり現れた巨大なルーフ。相変わらず格好良い、改めて見てみても記憶通りの威圧感。最高だ。今なら怯まず対峙出来る。
少し休憩したところで着手。思えば脆い岩にも慣れた。今なら可能性は満ちたりている。
落下姿勢を慣らす意味で左カンテをまず登る。
「匣の世界」
v9程度だろうか。
さて、本題はルーフ中央。
すでに満足はし、中央はこのまま取って置きたくともあった。
休憩のち結局やる。
真っ向勝負の気持ち良いmove。想像通りしっかりとした強度。がっつり中央の弱点。最高の時間だった。
Pandora v10(三段)
かつて超えられない壁を感じそっと蓋をしたもの、いつのまにか壁は消えていた。いつのまにかでも成長はするんだと。余韻に浸った後、少し早めの撤収を決めた。