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先駆者とアサギマダラの存在

day4
最終日の朝を迎えた。
天気は曇り、今回見ていなかった岩を案内頂く。

先に歩く室井登喜男氏
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後ろ姿は私がここに居ようが居まいが
きっと変わらない。

先駆者はこうやって静かな森を開いて来たのでろう。

晴れた週末にはこの後ろ姿は見れなかったかもしれない、
アサギマダラの話を聞いた。

瑞牆で最も圧倒的なライン、
話を聞いて思った。

この完成はきっと必然だったのだと。

ボルダリングのスタイルを追求し続け、
瑞牆のボルダリングを誰よりも先に愛した氏。
その出逢いも、時代も、能力の限界値も、全てが偶然とは思えない。

氏の熱意を、応えたのであろう。
熱意はそう簡単に裏切られない事を私は知っている。

集大成、
……私は、時期を逃さずにやれるだろうか。
逃げずに誠実に向き合えるだろうか。

絶望岩に逢いに行きたくなった。
絶望岩
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話を戻して、
霧の瑞牆、全くもって登れそうな感じではない岩達。

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指人形の岩はそこそこよかったので、そこに落ち着き、
それなりに登れたところで瑞牆を閉めた。

助手席に乗り込むとき、
これで終わりかと思うと少し寂しくなった。

韮崎駅に着き、電車が来ていることに気付きバタバタお別れの挨拶。
無理矢理乗り込もうとするも間に合わず( ̄▽ ̄)
湿っぽさが一気にとんで丁度よかった。

さらば韮崎。
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その後はソソクサと空港まで向かい、まったり過ごし飛行機を待った。

…22:00
福岡着、飛行機を降りて歩く。
はじめて踵の痛みを自覚した。

これは暫くレストだな。

情緒

day3
私は朝が苦手だ。
起きると、温かい味噌汁とご飯、魚が…。
食後のコーヒーを頂き、その後ギアの整理をし助手席に乗り込む……。

何て幸せな日々であったのだろうか。
室井さん夫婦に心より感謝。

3日目、天気は曇り。思ったより良くない。
踵の打撲も想定より辛く、歩くと痛む。
そこまで打ち込んではいけないことを自覚した。

岩は昨日よりは乾いていたがまだ濡れている。
湿気ぽい皇帝岩で初段まで登り、目当てのインドラへ。

そこには先客パーティが、踵のこともあり、少し安心している自分がいた。
マットがあることに。
故障を言い訳に、これで心置き無く突っ込めると開き直りトライ開始。

数便でシーケンスを掴み、こなせることが分かった。
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このトライではっきりと分かった。
わかってはいたのだが、バラしの段階でのマットの有無はリミッターのコントロールに大幅に影響する。
リミッターが解除された状態でのmove起こしは、凄く久々の感覚で…
もの凄く力が出たことに驚き戸惑った。
自身開拓中のエリアであればこうも痛まないであろう。
ここは瑞牆だ、ここまで来て何をやっているのだ。

マットがあることにより、岩と葛藤できる機会を失う危険性もあることを痛感した。

気持ちの晴れぬまま、シューズに足を通し、取り付きに立ち、浅いポケットに指をかけ、身体を引き上げる。
そのまま動作に集中し、核心を越えたと思いきや、中間部のカチが湿気ていた。
やばい、そう思った時にはもう下にマットがあるなしは完全に頭から飛んでいた。
落ちたくない一心で最良のmoveを選択しガバに見えるポケットに指を伸ばす。
幸いガバであったことから安心し、そこからは冷静にトップアウトをした。

インドラ、
スタイルの話に結論は出ていないし、ここで語るは役不足なのでやめておくが、
……ただただ様々な事を深く考えれたのはこの課題があり、理想的なスタイルで初登された経緯があり、
さらには
この状況で登るのは頭ではなく身体だと教えられ……。
良い体験をさせてもらった。

その後は、どんどん悪くなるコンディションの中無理やり登った。
課題はどれも印象的だったし思いのほか攻めたクライミングも出来たが、
在り来たりな文になるので略す。

数少ない写真。
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竜王 一級
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エレサアクレ 二段

夕方、
湿気が酷くなってきたのでジャンボボルダーに移動したが、ここも駄目。
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潔く撤退。
学生集う不思議な空間でお土産を買い、タンメンと呼ばれるものを食し一日を終えた。

濡れた岩とリスク

day2

朝起きて空を見ると晴れ。
室井さん曰く、2週間ぶりの晴れらしい。
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少しだけ安心し瑞牆へ。
最近九州もずっと天気が悪く、久々の好天にテンションが上がる。
山に入るまでは…。

山に入ると、岩までの小道は見事に川になっていた…。
もちろん岩も基本的に濡れている。
流石に雨が続けばこうなることは、考えればわかること。

諦めきれないが、仕方なくメインの岩を偵察することに。室井さんについて行き1時間程度で大体の岩はまわった。
乾いてはいないものの幾つか取り付けそうなものを見つけ触ることに。

その頃には幾つか他のグループも来ており、交わされる会話はどの岩が乾いているかの情報、そして取り付いたはいいがコンディション悪すぎで敗退の報告。やはりどこも厳しいようだ。

とりあえず、難易度はないが質が高くそこそこスケールのある瑞牆レイバックを。

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今回のツアーでは私もマットなしで登ることを目指した。
初登スタイルの尊重(このエリアの9割はマットを使わずに課題が作られている。)
初登以上、もしくは同等のスタイルで攻めることが再登の原則という意味もあるが…。

それ以上に、
単に成果を求めるのではなく、
勿論マットなしでの成果を求めるのでもなく、
初見の状態で、moveの可能不可能がわからぬ状態でつっこみコントロールしていく過程の中で何を感じとれ、何を学べるか、自分への挑戦をしたかった。

バラしの状態で一瞬でもマットを使えば、それはリハーサルと同様の効果が得られることは、
室井さんが九州に来て、影響を受け私も実践し体感した。
だからこそ今回は初見からマットなしでやろうと。

濡れた岩はまた別の意味でスリリングであったが、この日の瑞牆でいくつか登った中で一番印象に残ったのは瑞牆レイバックであった。
マットの有無でこうも印象が変わるのか。

夕方、気分転換に小川山に連れて行ってもらった。
小川山は学生時代何度か来ていたが、いくつか行ったことのないエリアもあったので。

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濡れた小川山…、
全くもってコンディションがいいとは言い切れないこのエリアに凄い数のクライマーが集まることに改めて驚いた。

乾きはあまり良くないらしい、石楠花エリアへ案内してもらった。
案の定誰もいない。
唯一、濡れていながらも触れそうな 大いなる河の流れ に取り付くことに。

一便目は中間部のスローピーな地点で読みが甘く、マットのない恐怖心で降りる。
少しバラして2便目、核心を越えたところで油断をした。

上部に踏み込んだとき、左手が思いっきり濡れていることはわかっていたが大丈夫だろうと過信しつっこみ、見事にすっぽ抜けた。

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そのとき、きっちり着地はしたものの下は岩盤で、強い衝撃を受けた。
やはりマットがないということはこういうことなのだ。
着地体制も運良く決まり、足首を捻ることはなかったが、踵の打撲。

少し休み、歩くと痛むが登ることが不可能な程影響しないことが分かった。
大したことはなくとも、時間が経つと痛み出すことはわかっていたので、次の便で仕留め石楠花エリアを後にした。
その後はそこそこ乾いていた有名なクジラ岩で過去登った課題をリピートし、この日のクライミングを終えた。
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山梨ツアー初日は東京にて。

day1

福岡を発つ。
現地の予報は雨。瑞牆開拓者である室井さんとのやりとりで、初日の岩は絶望的だということを知った。
羽田につき、アンダーブルー安田さんとマーブーのみつおさんに連絡。
急な予定だが、見学を受け入れてくれた。

昼前に最寄の駅に着く。
安田さんが駅まで迎えに来てくれた。
雨が酷かったので本当に感謝。マーブーに着くとそこでは名のあるセッター達が課題を作成していた。
忙しい中、今回のセットテーマをシンプルに説明してくれたみつおさんに感謝。

5級あたりの初級の課題を、
セッター全体でミーティングしながら作成していた。
それはとても時間がかかることで…。

話はそれるが、joyでもこのクラスの課題は本当に力を入れている。
考えなければ登れぬように……
綺麗なフォームでしか登れないように…
正しくやれば気持ち良く登れるように…
ときにそれは難しいと言われる。
ただ完登に重きを置いている人にはそうとらわれるかもしれない。
でもそうとられることがあったたしてもそれは最終的には登る人のことを思ってやっていることだから。
信念は強くあり、内のシステムが他で付け焼き刃で出来るほど甘くないことは自負している。
だからこそ道を通しているのだが、たまに易き方に揺らぐ。
セットもシステムもダラダラしてた方が遥かに楽だ。
そんな揺らぎも、こういう光景を見ると一気に吹っ切れる。

本当に感謝したい。

……そしてアンダーブルー、安田さんの作業場。

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ずっと着たくて、
この日これたことに感激。

リアルに物の出来る過程を感じることが出来た。
色んな話を聞き、この先のビジョンを感じ鳥肌がたつくらいワクワク…。
ここで書けないのが残念だ。

昼過ぎ、再び旅路に戻る。
近くの駅から韮崎行きが出ていることに気づく。
夕方、無事韮崎につき室井さんと合流出来た。

天気は完全なる雨、仕方なく岩を断念。
室井さん宅に上げさせて頂いた。ここから三日間居候、感謝しても仕切れない。

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さて、窓からどうしようもない天気を眺めながら、夕方かたビールの入った缶をあける。
まったりとクライミングの話をしながら日暮れを待った。
これはこれで最高のひと時であった。
…その後飲み過ぎ泥のように眠る。