春夏秋冬、続きの話”辻ノ短歌”

2007年2月、シークレットエリアtheDomeにて 春夏秋冬V10を完成させる。
それはハング最奥より取り付き、うねるフレークをたどってドーム中央のブロックアンダーを目指すもの。

手数にして15手以上。
継続する悪さ、体力ギリギリで完成させることが出来た。
img_2015
(初登時の写真.終了ホールドをマッチしたところ。)

精一杯の力で登ったこのラインであるが、当時更に先を見ていた者がいた。
上の写真を見てわかる通り、ゴールは体勢キープがしづらく、やや中途半端な位置。
氏は、そのゴールを見るやさらに続くフレークの先を見つめ直した。
フレークの先は、そのまま傾斜の落ちるルーフ出口へと続く。

氏は可能性を見るやすぐに上部をバラし、春夏秋冬のエクステバージョンに取り憑かれた。


氏を少し紹介。
私が熊本時代、お世話になった言わば先輩にあたる2g氏。
表に出ることを好んでいたわけではないので、知る人は少ない。ただボルダリングの運動的魅力を、いち早く独自の感性でつかんでおり、今思えば先取りすぎたのではないかと思う。
氏に出会わなければ、私はこのタイミングで運動の理解をしようとしなかったかもしれない。

そんな氏は熊本から執拗に通い続け、その完成を目指した。


2008年の事、春夏秋冬エクステのダイレクト版が茂垣氏により完成された。
そう、Mt.robot V11である。

よりハードな春夏秋冬のショートカットが完成したわけなので、motivetionを保つには中々難しいところ。
ただ同じ頃、春夏秋冬の核心手前でありhuecoplasm V8の核心であるブロックピンチが剥離し、かなり悪くなった。ブロックピンチはカチピンチとなり、huecoplasmは悪めのV8/9となった。

という事は繋げればMt.robotを上回る難易度となる。

氏は、一旦失いかけたmotivetionを取り戻した。
ただし、春夏秋冬は難易度を増した。
この事実は中々にきつい。

クライマーなら分かると思うが、
登れる寸前でアクシデントにより難易度が増す、それも限界近いmoveが1つ加った訳だ。

motivetionを保つのがどれだけきついことか。

その後も、ペースこそ落ちたものの氏は通っていたようだ。
いつしか噂を聞かなくなった。
以降、本人からも連絡はない。

諦めたのか?
それとも登れたから、見なくなったのか?

登ったとしても氏なら連絡はしないであろう。
困ったものだ。

登れたか登れなかったか、もしかしたらそれすら興味がないかもしれない。
そんな氏が、課題名やグレードを他人に公開しようものだろうか。

最低限初登者の義務くらい果たして欲しいものだがそれはあくまで私の都合。

私はそのラインを
辻ノ詩
と呼んでいる。

グレードはV12あたりであろう。

———
2016年11月21日
どこも濡れていて登れる岩がなかったので久々にやってみた。
あいにく下部5手が濡れていたので、フエコと同じスタートから登る。

辻ノ短歌 V11

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です