「糸島」カテゴリーアーカイブ

香港の友人と。そしてほ-3

梅雨真っ只中、
朝も夜もずっと降り続く雨。

約束の日の昼過ぎ、雨は止んだ。
岩に着くと…厚い雲は水平線の果てにやられ、海には強い日差しが刺さる。

香港からきた友人と。

2023/7/4

岩行きを断念した昼過ぎ、雨が止んだ。
海なら乾くか?

メッセンジャーを送る。
「ちょっと遠いけどダメもと言ってみる?」

すると香港から来た友人から「すぐに行く」とかえってきたので慌てて支度をする。

 

1時間後には岩の前にいた。

コンディションは思ったほど悪くない。
今思えば今年初の夏岩だったかもしれない。

少し湿気た熱くて痛い海辺の花崗岩はどうかと思ったけど、楽しかったと言ってくれ少しだけ安心した。

夜、一緒に久留米のご飯を食べて解散。
次は良い時期に、たくさん岩があるところに一緒に行こう!

大入の手前のハングに1本初段がある。2002年発刊されたトポにて公開されたこのライン。情報乏しくラインがわかりにくいので補填したい。
昔のトポに「リップ限定」とあるが、これは「リップを使わない」という意味だそうだ。

これなら確かに初段ほどだと思う。

 

野北「Tiamat」アクセス

糸島最大課題の一つ、Tiamat V10。

2年前(2016年)、福岡の先駆者(枝村氏)に連れられ見上げた偉大な岩。
岩を前に萎縮しながら恐る恐る先駆者とともにトライしたあの日がとても懐かしい。

出逢いが衝撃的すぎて、その日の夜は寝れなかった。
2日後にそれをTiamat v10に仕上げたのだが、あの数日の心境を思うと今でも鼓動が高まる。


2018年11月、遠方の同志らとともに再訪。
通い込んだわけではなかったのでアプローチで迷ってしまった。当時の私が適当に地点登録していたその場所もいい加減過ぎてあてにならず。

林道を下り、脇の踏み跡に入る。
その後また脇に入る道があるがそこは無視して浜を目指す。
(フィックスロープに目が行き脇に入ってしまい、時間ロス。)

浜に降りればあとは西の岬を二つ越えるだけ。

(一応アクセスとトポを貼っておく。)

Tiamatは相も変わらず威圧的であった。

私は特にやる事はなかったが、こんな時気持ちを共感してくれるクライマーとともに過ごすだけでワクワクは伝染する。

良い1日であった。
熱いトライと刺激に感謝。

山と海

大晦日の話に一旦戻る。

関東のクライマーの案内を兼ねて、福岡近郊のエリアへ。
予報以上に悪天、朝まで雨が降った。

夜そこまで降っていなければ般若などは登れるので(夏から雨の多い初秋に通っていた事もあるが、そもそも完全に乾いた般若を見たことがない。逆に完全に濡れている般若を見た覚えもなかった)とりあえず偵察。

結果、びしゃびしゃだった…。

まぁ、そりゃそうか。
気を取り直して一刀両断岩。何と登れる。

ということでみんなで快刀乱麻 三段をやることに。

ゲストはもちろん良い登りで下部突破したが、まさかクリムも数便で突破するとは思わなかった。
というか、それなら発見時初登しておけば良かったのでは……(第1発見はクリム、あほたん)
見出す力をワンランクあげてもらえたらもっともっと開拓戦力になるので乞うご期待。
下部パートは少しパズル要素のあるV8/9,上部は根性かジャム、トータルでV10。整った道筋だ。

昼過ぎからは海。

こんな穏やかな海は久々だ。気持ちが良い。
体調が悪いといっていたダータカも登り残していた課題を2本完登。

ゲストもthe roof V10をねじ伏せ!これまた最高の登りでした。
後は既存のボルダリングらしい課題をみんなで遊んで解散。

私も登りたい衝動に駆られたが、指皮温存に努める。
その甲斐虚しく、翌日無残に散った話は前記事参照……。

実は初めてあったゲスト(もしかしたら金峰で過去会っているかもしれないが…)
とても気持ちの良いクライマーであった。
次回は同志として同じ岩を攻めれたら最高なので、それまでにストレスのかかる岩達を何とか登り尽くしておきたい。

枝村さんと共に/Tiamat

10.11
ライトフットワーク枝村さんと岩へ、場所は糸島。
まずは気候が良くなってきたのでニライカナイのエリアを案内。

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写真は閃雷 V8/9
何やかんや言いながらクリも登った。
色んなラインをまったりと登る。

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昼過ぎ、エリアの移動。
枝村さんガイドで野北へ行く事に。
私は初来訪、
アプローチは二つの崖を越える。
苦労して訪れた先に広がる殺伐としたエリアは、
とても美しく感じた。

ひとまず、既存課題 月に吠える 二段をやる。
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私もようやく二日酔いがさめてきたので参戦。
moveの作成に少し時間がかかったが、無事登ることが出来た。

他にもちょこちょこ触り、落ち着いたところでbig projectをやる事に。
メインのその岩は、
このエリア中央に崖に挟まるような形で在り、
ずっと気になっていた。
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こいつに対峙すべく、ここを案内してくれたのだと思う。

ぱっとこんな凄まじい岩を案内出来る情報量と処理能力…
先日に引き続き、先人の偉大さを感じた。

かなりのハイボール、そしてランディングの悪さ、マットの弱さ、
数便で完全に心が負けた。
下部の核心をこなして満足だと言い聞かせ撤収。

お世話になった枝村さんと別れ、仲間と共に帰路へ。

夜、
家に帰ってからもずっと、その岩は脳裏から離れなかった。

10.12
二日後、再来。
今回は単身、アプローチもそれなりに過酷なので荷物を迷った。Mサイズのマットを二枚持って行くか、大型マットにするか…。

どちらにせよ後半で落ちることは許されないので、未知なる部分、中間部の強度を見越して大型マット、サターンを選んだ。

big project再開。
とりあえず下部は順調に出来た。中間部、横の岩をステミングしてホールドを探るが案の定、あまり良くない。
そこそこ距離がある。

とりあえず高さがあるので、1便1便体力を有効に使って攻める。
現場合わせで想定したmoveと違ったが後半まで何となくわかった。

あと1手だすと引き返せなくなるところまで出来た。

リップを越えた先にある後半のスラブもやばそうな気がした。
クラックがガザガザしてて、少し脆そうだ…。

隣の岩の天辺から移って確認する事に。
移る際、かなり緊張したがホールドの効きは良さそうであったので思い切った。

予想通り、比較的良い。
マントル…リップにスメアするポイントがかなりたるい……。
引き返す。

これはやばい、大幅に休み再度トライ。
勇気がいる。
振り絞ってスメア、かきこむ。

右手クラックの中のホールドが欠損。
かなりビビったが、大して体重はかけていなかったので体勢は安定しているしフットホールドは生きている。
もう行くしかない事はわかった。

右手を持ち直し、マントル返し立ち上がる。
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安定。
残り1.5mのスラブ。足が震えた。
先程欠けたクラックに左足、出来る限り安定してそうな場所を選ぶ。
もう引き返せない、進む。

カチを発見、しかも両手分。
さらに次の右足スメア分の足も安定していそうなポイントがある。
そこに最低限の動作で乗り込み、リップを掴む。
言葉も出なかった。

無事にトップアウト。
放心状態、
ひとまず一箇所を除き全て出来た、これは可能だ。

相当休む、
気づけばトライ開始から3時間。

繋げる事に。
中間部を越えたとして、心折れていれば左の岩に、ようは後半部のスラブをバラすために使った隣の岩の天辺に逃げようと決めた。

集中、
1便目

中間部は上手くいく、バレていなかった場所も決めていたmoveにて成功。
後半に突入。
シビアなヒールが要求されそうなポイントも心の準備が完璧で、上手く出来た。
気持ちは最高潮、そのまま突っ込み足は震えていたが気づけばスラブに突入し、気づけばリップを掴んでいた。
そして気づけばトップアウトを終わらせていた。

無事に登れたのだ。

広大な海に因み、
名はTiamat とする。
グレードはよくわからないが一応V10を提示したい。

間違いなく言えるのは、
この地のこの壮大かつ大胆なロケーションの中に相応しい一本であり、
今の次元であれば、ここに訪れるクライマーなら誰もが見上げるラインであろう。

その可能性に、
早くも10数年前に訪れ見上げていた先人が、今尚最前線で開拓を続けており、一緒にクライミングが出来るこの環境に感謝したい。

暫く休憩し、
落ち着いたところで大好きな荒々しいアプローチを帰る。

さぶさん達と海、夜は単身山へ

9.11
さぶさんグループと糸島の岩へ。
まずは大入。
気温上がりきる前に、仲間の目標HDJ。
必死に打ち込む。
この光景が何となく嬉しい。
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潮が引いた頃合いを見計らい帯岩へ。
※帯岩は一応シークレット扱いとなるため、昔からネットには地名を上げぬよう協力お願いしています。

皆、それぞれ適当にセッションし楽しんでいる中私も色々触ってみたが、どれも全く進展なし。

数時間滞在し、まだまださぶさんチームは登り足りないようであったので唐泊へ。

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到着すると満潮近く、
岩陰に人影があったと聞いたが会う時とはなく。

1時間程度サブエリアで登る。
私もパラノイアのext projectを。
何だか行けそうな気がしてきた。
というかサブさんがサブエリアで登るって何だか面白い。

みんな満足した所で撤収。
仲間を送るため、福岡店へ。そのままみんなで何だかまったり。
夜になってしまった。

その時間で私は完全回復。
翌日の天気は雨、急遽ナイトで山にある切株からジャンプするprojectをやる事にした。

ギアは昼のまま、食料や水もあまりがある。
突入。

切株からジャンプし、遠くのカチを狙う一手はこないだ成功していた。
前回は、そこからはるか遠い真上のリップに絶望を見た。
リップの右側なら狙えそうな気がしたが、それこそ落ちたら切株に突っ込む。

切株に落ちたくないなぁ、
何て考えながらマット折りたたんでスタートのジャンプを簡単にして、リップとりをバラす。

切株が怖すぎて腰がひける。
それでも掌1個分まで距離を詰めれたので行けることを確証。

マットをどけて、出だしから繋げる事に。
すると切株ジャンプが成功しない。
しかも失敗すると結構無様に地面に叩きつけられる。

落ち方があまりにもカッコ悪い…
落ち続けると情けなくなりそうなので1手目もちゃんと集中して跳ぶ。
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3便目できちっととめ、そのままリップランジ。
とまった。
簡単なマントルを返しトップアウト、完登。

安心した。
何だかこのまま落ち続けたら、トラウマになりそうだったにで登れてよかった。

名はトラウマ、グレードは一応v9にしたいが、リーチによって明らかに左右する。
あくまで目安としてつけたい。

暫くのんびりし、予報通り雨がぱらつきだした頃、撤収。