「巨石探検道」カテゴリーアーカイブ

夏合宿2日目「夏祭り」

DAY2/8月3日

全員合流したところで巨石探検道へ。

灼熱の山中で藪に埋もれた祠とアプローチを整備。その後はまた各々登るもあまりの暑さにメンバーの半数が離脱した。途中誰かが初登した「怪獣の華」はとても良かった。

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そして本題、夏祭り!

少し早めに岩場を離れ山荘でシャワーをかりてすっきりしたところで会場へ。

日暮れと共にまつりが始まるのでその前に出店をまわる。
杵築茶や地産の葛餅アイスを筆頭に個性があって面白かった。


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昨日の静かな夜とは打って変わり、心地良い賑やかさ。

〆は大田地区伝統のやってんさん(盆踊り)

地元の中心となる世代や子ども達はもちろん、10〜20代前半であろう活発な子らも楽しそうに参加しており、文化の継承の在り方を見た。

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祭りが終わる。

会場を去りゆく幸せそうな人たちに紛れるのも好きな時間だけど、今回は余韻に浸らず。
いつもお世話になっている園長さんたちに挨拶を済ませ急足で会場を後にした。

久留米までの道のりは長い。だけれども心地良い感情に包まれ道中の会話も楽しかった。次は岩登りに良い季節に。

夏合宿初日「静かな日」

横岳夏まつり

巨石探検道の在る山頂広場にて街を挙げての夏まつり、せっかくなので開拓合宿を兼ねて。


DAY1/8月2日

集う前日、一足先に訪れた私らは 奥の細道 で活動することに。
せっかくなのでこの地で最初にできた「芭蕉」を案内。ついでにアプローチと岩場周辺の整備を手伝ってもらった。

各々登っている間、私も新たに7本ほど登った。

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夕方、負傷したコニタンをコテージに運んだところでタックがやりたいと言う巨石へ。その正面にあるホトケノザprojectを見上げる。

気温35℃を越えるなかどうにかなるはずがないと、はなからやるつもりはなかったけれど…。見上げいたらやりたくなる。少しだけ。

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思えば過去の対峙はずっと雨上がりだった。

ずっとできなかった一手、止まる気がしなかったホールドにフリクションを感じた。そして一瞬捉えることに成功。「 季節が来たらきっと勝負になる 」そう思えた直後友人も良いラインを登り、この日の活動を終えた。

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コテージの前で火を熾し日暮れを迎えた。

夜、星に囲まれる丘に建つ塔から大型望遠鏡を覗き空を見た。星空案内人が見方を教えてくれ夜空が面白くなった。

( 秋真っ只中の今でも夏の大三角を見つけることができる。昔、山屋の先輩が夜空を見れば方角がわかるなんて言ってたけれど興味がなくて聞き流していた。今なら確かに方角はわかる。)

贅沢すぎる1日の終わり、夜は更けやがて明ける。2日目へ。

巨石探検道/7月

7月22-23日 巨石探検道

8月の祭事の前にも入る予定だけどその前に。

今回は大昔登った岩と目立つ岩の主要ライン外を確認。
特に新たな発見はなかったけれど、大切な友人にいち早く紹介できてよかった。

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2日目

午後から店番に戻らねばならず午前中の2時間のみ。
奥の細道を案内、そのついでにサッと登れるサイズの岩を。待ち時間にフェイス中央のラインが見え早速トライ。それが意外と良く2度登った。

「エメラルド」

終わりに園長と巨石探検道でミーティング。マムシを見かけて撤収。

※巨石探検道ボルダーは現在公開調整中です。しばしお待ちくださいませ。

情景、植生と夜空と人

5月13日 |巨石探検道での活動日

園長さんの計らいで植生に詳しいサントウさんに山を案内していただける日。
集合時間は14時だったのでそれまでエリア整備を。

朝まで続いた雨のせいで巨石探検道は厳しく、今回も奥の細道へ。


初めて山に入った時から気になっていた巨石、ラスボス的威圧感を放つ存在。果たしてラインは成っているのか?濡れてて取り付きこそできなかったものの無事掃除を終えた。



14時よりサントウさんの後ろをついていく。

*岩場周辺の小さな生態系
*食せる身近な植物たち。
*毒のあるものや環境に害のあるもの。
*希少な植生や環境
*蝶パーク構想。
*アサギマダラの生態と食草。
*イスノキとミツバチとサントウさん。
*この地の岩質
*六郷満山と探検道

いろんな話題を予定の倍の時間を使って聞かせてくれた。この地ならではの面白いエピソードもたくさんあるので機が熟した時に紹介したい。


夕方からは地元の方からジビエのバーベキューを振る舞ってもらった。人見知り発動したものの良い時間だった。

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市営宿泊施設ができる以前(1991年)、

観光/地域活性事業の一環で、六郷満山巡路であった荒れた古参道を再整備(1987年)。出来上がったその遊歩道は「巨石探検道」と名付けられた。

巨石探検道、クライマーにとってこれほどワクワクする名前があろうか?
その命名者が…まさかの、目の前にいる市の担当の方だった。

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暗闇の中、見上げると星が綺麗。
人里の明かりが一切入ってこない山の上。

食後、星空案内人に連れられ広場へ。そこには管理棟横の天体観測所から転がしてきた大型望遠鏡が設置されており私らは案内されるがまま夜空を覗いた。なんて贅沢な時間なのだろうか。

生態、環境、歴史、営み、夜空
この地に塗れた1日、幸せな気分で床に就いた。

 


5月14日
少し早起きをして店番前に2時間だけ岩へ。

ラスボス的巨石と対峙する。短い時間ではあったけれどこの地に恋焦がれる対象ができた瞬間だった。

[ ホトケノザ project ]

*巨石探検道、および奥の細道は現在公開調整中です。気長にお待ちくださいませ。

 

巨石探検道Day2「舵を切る」

「舵を切る。自問、私の大義」

巨石探検道 day 2____________

2024年4月 生憎の雨。それも酷い雨。

「いつか0から面白いことを一緒にやりたいね」と話していたモリッシーと駐車場で合流し園長さんに挨拶に行く。

 

のち山に入る。

降り続く雨のせいで土も苔も酷い状態。モリッシーに聞くと
「ひとまずこのままやりたい」
というので私はそっと付き合った。

濡れてガバでも滑る岩、握ると水が溢れてくる苔、ずっしりとした黒い土

こんな状態で登ったのは初めてだとテンション爆上がりしていた。楽しそうでなによりかと。私は掃除。市の方々が万が一エリアに訪れても大丈夫なように枝を払ったり落ち葉を纏めたりと少しだけ綺麗にした。

正午

園長さんが市職員の方々と顔を合わせる機会を設けてくれた。10畳ほどの和室にあげてもらった瞬間モリッシーの様子が変わる。想定していなかった事態のようだ。

時間になり皆揃ったところで「ボルダリングとはなんぞや」という説明をする。リスクがある遊びに疑問点が多かったのかたくさん質問してもらえてむしろ有難かった。クライミングの説明を終えたところでモリッシーが話し出す。説明し忘れていたが実はモリッシー、パタゴニア福岡店の中の人なのだ。今後の活動も視野に入れて話を展開していた。


夕方、雨はやまない。さすがに岩は駄目だと諦め散歩に切り替えた。周囲一帯まわった頃には全身ビチャビチャ。戻ってすぐにシャワーを借りれるこの環境は素敵だ。


夕食を済ませ再びミーティング。

昼は、岩も道もピシャっと整備すると話をしたが、何かのきっかけで園長がポロッと
「岩に3種類の苔がいるんですよね」とこぼし、すかさず私はそれを拾った。

「そういうの詳しいですか?」

と返してしばらく話は続いたが内容までは覚えていない。ただ、この一言をきっかけに舵を真逆に切ることを決めた。

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安全を理由に”過度”に環境を変化させることにずっと抵抗があった。

安全とは本来環境整備に尽力するものではなく、自身のスキルを磨くべきものなのではないだろうか?

そもそも私は何もせずそのまま登れるのなら、そのままにしておきたい。ただしエリアを公開するとなるとそうともいかずある程度は整備をする。(自分のクライミングとエリア管理との境界線が難しいし今後もきっと悩み続けるだろう。)

*

クライミングに限らず、
安全や管理を名目に環境に手を加えるのが当たり前になっているように思う。そして万全の環境が提供されないければ、それを不満に思う層も出現してきている。

 


私の大義
「手を加えずにすむならばその方がいい。手を加えるにしても”何を残すか”しっかりと選択をする。そしてその選択をしっかりと伝える努力をする。」

ではその選択の基準とは。

そこがずっと弱かった。だから踏み切れない部分もあった。「私はこのままで大丈夫」は整備の基準にならない。安全な方がいいに決まっているという多数決には勝てない。

 


選択の基準

土、苔、植物、生物(環境)、浮石

開拓活動に於いて選択する場面はあげだしたらキリがない。浮石なども全て排除はしない。利用者と情報共有し回避する方向が理想だ。そうすることにより、いやそうしていかないとクライマーがクライマーに育たないと思う。そういう選択の積み重ねが今後より一層大切になってくると思う

“何を残すか”

そのヒントが園長のこぼした
「岩に3種類の苔がいるんですよね」
だと直感した。

選択は私ひとりでするものではなく、その地の生態を知る人、その地の歴史を知る人、何よりその地で過ごす人々と一緒に決定していくもの。

「その地の風土をどう考えるか、何を選択していくか」

一緒に検討し色々なことを共有しながら活動を積み重ねていきたい。という思いをメンバーに伝えて就寝。翌日の大分市内での仕事に備えた。

Day3 へ…