「RockPath」カテゴリーアーカイブ

ケルベロス v10

ある雪の日の帰りに
ある雨の日の帰りに

本題として取り組むことはなく、ずっとラインに成らず。

ある岩を登った日の帰り、力は残っておりようやく成った。
小ぶりながらシーケンスが複雑で良いルーフ。
解析する時間は至福であった。


「ケルベロス v10」
2023年12月14日 初登

#joywallrocknavi
#climbing #bouldering
#被験者クラブ ケルベロス▶︎zerott(東京粉末)

Mudrock

下部をダイナミックにこなし上部へ。
バルジ状のスラブはホールドが乏しくしっかりとハイステップ。

内容は素晴らしいのだけど、
岩ではなく硬い泥。

[ 💎マドロック 右/左 ]

12月31日

大雨で断念した2023年の登り納め。
昼過ぎまで降り続く雨に落胆しふて寝を決める。

夕方、晴れ間が見えた。
散歩がてら大昔登られていた橋の下のハングを見に行く。


雨量自体は少なかったのか、普段川のランディングは陸に。
ずっと登れていなかったハングの中央を登る。

マドロック(右/左)

1時間ほどで日暮れ。良い登り納めをすることができた。
近場の良い遊び場所、ではあるけれど過去トップ5に入る脆さで人には勧めにくい。

グレーディング「Vと段級」

[ グレードの話 ]

グレーディングする際は基本的にVグレードを用いている。
これには私なりに意味をもってのこと。

ー前提ー

※グレードは正確であった方が良いと思っている。
※ライン内に於いて一番やさしいシーケンスでグレーディングするべきだと考えている。その意味でやさしいニューベータが見つかった場合、グレードダウンをすべきだということ
※ハイボールや精神的ストレスがかかる場合も、極力ムーブグレードで設定すべきだと考えている。

Vグレードを使い出して10年以上経つが私自身別にVグレードに愛着があるわけではない。別にフレンチでも良い訳だけど、当時フレンチよりはVの方が浸透しているという理由でVを選んだ。

「なぜ級段ではないのか?」

私なりの換算表

見て貰えばわかる通り、級段だと1級以上幅が広い。
ある初登をした際、思い浮かぶ三段より難しいとしても四段をつけることができない。
なぜなら思い浮かぶ三段がv10なのかv11なのかで四段(v12)になるかが変わる。

その意味でvやフレンチだと限界値に於いてもグレーディングしやすい。

「時折段級を使う理由」

私がそのエリアでの主動開拓者でない場合、そのエリアを愛してきた人のグレーディングシステムに合わせてグレーディングしている。
そのエリアが元々級段でグレーディングしているエリアであれば私もそれに準ずる。


グレードはコミュニケーションツールだと思っている。

もし円滑にコミュニケーションがとれ、
利用者それぞれが自己目標を数値ではないところに設定できるのなら、グレードはいらないと思っている。

昔は「 グレードなんてなくなればいいのに」と思っていたけれど、今はグレードのある世界の文化もおもしろいと思うようになった。

といえど グレーディングが必要のない世界線も見てみたくはある。

おわり。

稲妻カチと天道虫

稲妻カチをガスで入りマッチ、
その後のmoveがよく分からず放置すること10年。

[ カナブンロック左面 ]

傾斜のある綺麗なフェイス、ずっと成っているとは思っていた。


横を向き外傾した稲妻カチから、どうしても身体が左に入ってこない。
昨年春、ふとトライしてみると有効な重心位置がわかる

2023年12月25日
天道虫 v13 初登


限界を超えたラインだと思い放置していた。
あの頃、シーケンスを発見することを諦めず根気強く通い込んでおけば「旬」だったのだろう…と少しだけしんみりした。


最後のラインが終わったのでその周囲を登り返しトポを整理した。その後日暮れまで一山歩き、新たな岩脈を発見。

また。

きっかけの岩、天守 四段(fa)

「 雨宿りproject 」

通うきっかけとなった岩。
この岩がなければここまで通うことはなかっただろう。


昨年、初めてミナッチに案内された際
「いつも登ってそうな岩!」
と紹介されて
(確かに)
と納得してしまったけれど…

ルーフ大好きだとはいってもこれは難しすぎる!
丁度良いハング内に散らばるギリギリのホールドたち。

果たしてこれは登れるのか…
梅雨に判断できるものではなかったので次のシーズンへ持ち越し。

 

2023年暮れ〜2024年明け

吉四六、そしてゴジラ。
それら目的に通う中で、ずっと頭の中にあったライン。

1月15日

取り付くまでずっと緊張していた。
冬の気候で駄目なら当面駄目だ。果たして勝負になるのか?

結果は…核心の一連に成功した。

となるとスタートからやってみてどうか?
しばらくすると、なんと核心が突破できてしまった。
この勢いのまま登ってしまいたいと欲がでる。

その後夜まで粘ったが、結局上部のシビアなパートで何度も落とされ悔い残る敗退となった。


1月17日

翌日の雨を見越し閉店後に直行。

moveは完全に身体に染み込んでいた。体力も全快。
2日前のトライが嘘のようで、核心突破後ダメージをほとんど感じなかった。

「天守 -amamori-四段」初登

あの日見たあの岩は、本当にこの岩なのか?
少しだけ信じられないけれど…登れたことが純粋に嬉しい。

雨が降り出すまで登ろうと周囲のprojectを巡ったが、結局明け方まで降らず。
いくつかの好課題が出来たものの帰りの運転は地獄だった…。

きっかけの岩が終わった。
…ただそれははじまりのきっかけというだけで。

通う間にどんどん新たなきっかけが。

新たな岩に、
まだ見ぬ岩に、
ローカルと語らいに、

菊池通いは続く。