竜体山の登攀可能なエリアにて残された巨石のひとつ、昇竜岩
2014年、終止符を
世去れ龍の初登。
実はまだあった、続きの話。
〜
エリア入口に存在する昇竜岩。正面は幾人ものクライマーが見上げたことだろう。
世去れ龍は、正面より途中から脆くなった左のクラックに逃げる。
正面直上ないし右に可能性を見たクライマーはいたのだろうか?
少なくとも私は、見上げる度に残念なブランクだなと感じていた。
2019年秋
関東の同志が、遠征中にカンテに可能性を見出した。
右のカンテラインリップ手前のガバ僅か下、苔に埋もれた部分にどうもカチがあったようだ。そのカチは随分悪いが、あるのとないのでは全然違う。
可能性を聞き、雨の日に私も見に行った。すると、確かに成っていそうだと感じた。
幾度となく見上げたこの壁。
正面のホールドは何となく把握している。
新しく見つけたカンテ最終局面のカチ…正面のホールドと上手く組み合うのではないか?
12月31日
大分帰省前に少しだけ寄る。3時間程度しか許されなかったので可能性を確認できたらと。
まずはリップの苔を掃除する。流石にロープを使ったがmoveの確認は一切せず。正面のフェイス中はほぼほぼ綺麗だったので、軽く掃除をするだけで済んだ。ということで、比較的理想に近いスタイルで挑戦。
Moveの組み立てがとても楽しい。
ルーフ内のガバで昇竜move
ルーフ内のポケット、フェイス中の三日月カチ、それら綺麗なホールドを無意味な存在として勿体なく思っていた。
でも実際はそんなことはなくて
発見されたカチが全てを活かした。
パズルが解けた瞬間、全てが解決した。
まほろば 初登
BD shadow/RX 東京粉末
僅か1時間ほどの出来事だったけれど、ガバを保持した瞬間はかつてないほど興奮した。
もちろんいきなり登れてしまったこともあるが、ラインに成ったことへの驚きが気持ちを昂らせた。
完璧なラインであり、完璧に近いトライだったように思う。
もしかしたらハイボールの部類に入るかもしれないが、ガバまでの高さはそこまでなく、ランディングも良いので万人受すると思う。世去れ龍とは違い核心のホールドも硬いと思うので…。
グレードは正直よくわからない。天領や雲龍エクステンション、ヘブンリーをやりに通っている人も多い竜体山。再登者が出るのもそんな先ではないと思うので、その際に話ができたらいいかなと。
パーフェクトラインだと思うので怪我なく(絶対に)トライしてもらえたらと。
そういえばトライ中、チョコボのテーマがずっと脳裏から離れなかった。
大分でのレッスン前の大晦日のトライ、思えば周りに感謝し通しの一年だった。