ずっとやりたい課題があった。
きっかけは何だったか、もう覚えていない。
最近それら課題が網羅されているトポが販売され、すかさず購入。そのトポは読み物としても面白かった。ますますその岩の前に立ちたいという気持ちが強くなった。
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私はいつも開拓が多いが、初登に強いこだわりがあるわけではない。ワクワクしそうな体験を求めると、いつも必然的に開拓に行き着くといった感じ。
今回は再登、ただこれら選んだ課題を前にすれば絶対に素敵な体験ができる、そんな確証じみたものが何となくあった。
「百と八つの流れ星」を主題とし、「冒涜の虹」「松風」目当てに四国へ発つ。
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11月20日(四国2日目)
ほぼ寝れないまま通した初日の疲労をとるべく、この日はゆっくりめの起床。天気は…快晴!
行くぞ「百と八つの流れ星」
高知市内から車を走らせること1時間、岩が見えた。テンションが上がる。車を停め、道路脇を歩き、海岸に出て、岩に向かう。気づけばダッシュしていた。
佇まいがもう格好良過ぎる。
遠くから見ても近くから見ても格好良い。
下から見上げる、やばい格好良い。
テンション上がる。堪えきれずすぐに取り付きたかったが我慢、準備開始。シューズを出してチョークバック出してストレッチして…すると他のパーティも来始めた。
もう無理、ストレッチもういい、取り付く。
下部を爽快にとばし上部へ。カチは想像以上に悪く、一瞬たじろいだ。右も左も悪い。安定して手を離せるポジションを作れず…次の一手はデッドになる。
これ、過去下地悪かったんだよなと下を見ると…完全に砂地。どこでも落ちれる事を確認して動く、その先は……。マントルを返しリップに立つ。
衝撃的だった、
こんな完璧な課題が存在するなんて。
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私にとっての良い課題の概念が根本から覆った。今まで一番良いと思っていた課題は「繊月の如く」だった。
(↓繊月の如く)ー
自然の作り出した形状に、クライマーのみ通行可能な一筋のライン。「繊月の如く」はもはや奇跡だと思った。ただ…ずっと感じていたもの足りなさ。
それがはっきりした。
我々はクライマーだ、造形が美しかろうがそうじゃなかろうが、それを登っていて楽しいかどうかが一番重要で。
繊月の如くは単調で、登っていて面白いとは言い難い。
それに比べこの「百と八つの流れ星」は…。
衝撃的であった。
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仲間のトライを見届ける間、周辺の課題を隈なくやった。
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二回で書き終える予定が文字数が多くなり、続く( ̄▽ ̄)