広い草原に一個だけしかない岩。
高校卒業してすぐに登った「久遠の美」は当時にしてよく登ったと思う。
昔は物足りなく感じていたが、今思えばむしろ良い。
広大な大地にシンボルとなる岩が一つ。
それぞれの面に特徴的な一本がある。
何より結構デカい。
この岩が好きで、帰省の際特にやりたい岩がないときは決まってここに立ち寄った。
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見上げるだけでテンション上がるホールドのない綺麗なフェイス。
ある日、たるい両カンテを抑え込めばラインになるのでは?とうっすら空想描き2019年秋に実現。
ハンナ /2019年11月初登
10数年存在を認識できなかったものが、いざ全てのピースが揃った時点で明瞭に浮かび上がる不思議。登れてわかるその質の高さ。身近にこんなパーフェクトラインが残っていたとは。
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昨秋も見上げた正面のフェイス。
未知、そして未登ではなくなった今、訪れる理由がひとつなくなったわけだけど…だからといって行かなくなるわけではないんだなと。この地が大好きなんだと思う。地元の大事な岩。