6月15日 18:30〜 パタゴニア企画トークイベント
開拓ライフ。
その地で過ごす人や環境、歴史、そして岩のポテンシャル。
稲垣さんの小豆島、私の巨石探検道での活動を例に話していきました。
[ 小豆島 ]
島の素晴らしさもさることながら岩のスケールは世界クラスでそこに魅了された稲垣さん。
「このエリアをどう終わらせるか」という方向性というよりは私の稲垣さんの印象通り、
今その瞬間のクライミングの熱量そのままにぶつけている、そんなお話でした。
自身が心の底から島に魅せられているからこその言葉は非常に説得力がありました。
[ 巨石探検道 ]
そして私の巨石探検道は岩そのものの魅力というよりは、岩を取り巻く環境が非常にユニークで。だからこその今後の展望の話をさせてもらいました。
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開拓者がその地の人と良い関係性を築いているというのはどこでも当たり前だとは思うけれど…
エリア公開後、増えゆく利用者がその地で過ごす人を想えずトラブルが起きるというパターンが各地で確認されており。
開拓者だけでなく、
クライマー全てが地域の人の繋がりを考える。またその地の歴史や風土を感じれる場を。そういうものを体験的に提案できたら、地を愛するという考えも普及するのではないかと。
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トポを持たず、エリアのことを知らず、課題や数値を動画でしかチェックせず訪れる層=そういうものに無関心な層は今後より一層増えていくのではないかと危惧しています。今回の構想は私の長い文章に付き合ってくれる人たちに対してのアクションではなく、そうではない層を育てていくきっかけ作りとして。
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自然のそばで過ごす人々がいて、
その中に岩があり、
その岩を登らせてもらっている
そういうことをひとつひとつ肌で体感できる場をつくる。
具体化できたら色々面白いことができるのではないかと思っております。
今回お付き合いいただいた方々にまず最初にその地で佇む瞬間を共にできたらと思っております。
この冬お付き合い頂けたら幸いです。
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はじまりのパタゴニアフィルムでミゲルが話していた内容の一部。
「クライミングは人気が高まり施設は増え上達することばかり追求している。業界は数値や速さを競うことに集中するようになった。もはやクライマーは自然が好きとは限らない。」
「しかし人間には喜びが必要だ。」
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喜びとは?
岩に行く人が増えたとしてもその人達が数値のみを追求する喜びしか知らなければ、結局現状は変わらないどころか喜びのあり方が閉塞していくように思う。
喜びとは単に成功を指しているのではなく、
自然の中で過ごす楽しさや居心地の良さを知ることで楽しみの幅が増えるだろう。
夏の暑さも、冬の寒さも、森の湿気も、岩肌の痛さも、ゴツゴツした下地も、時にスズメバチの羽音に怯え、時に木にくっついたバカでかいキクラゲを見て微笑まみ。それら全てオリジナリティ。
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昨年暮れにパタゴニア福岡店でボルダリングのスタイルの話を、今回worn wear企画で構想の話をさせていただきました。面白い機会をいただき誠に感謝しております。関係者の方々、ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。