「山のふーてん族」カテゴリーアーカイブ

小田の浜奥地「観音へ」

ー6月ー

友人と海でロックハントをする計画を。目的地は2017年に開拓した小田ノ浜の先。エリアから見える格好良い塔がずっと気になっていた。拝みついでに基部でボルダリングをしたいなと。

一つだけ問題があり、大潮の干潮時にしかアクセスできず満潮時に帰れなくなるということ。

のんびりボルダリングしている余裕はなさそうで…行き出せずにいた。しかし最近私は気付いてしまった。「泊まればいけるじゃん」と。ということで友人巻き込んで計画。

 

ー計画ー

大潮の干潮時に観音まで到達。きっと3時間程で元の浜に戻れなくなるのでそれまでに次の行動を確定させるための行動を。岩壁ないし崖に囲まれていた場合は大人しく干潮時に撤収。

壁を巻いて次の浜に行ける場合は出逢った岩を楽しみ奥の浜で野営。釣り人の写真を見る限り、奥の浜「通称/石切場」はとても気持ち良さそう。翌日さらに進み「通称/猫」まで歩き尾根を帰る。

という計画。楽しみで仕方がなかった。

通称 石切場/ネットより借用

通称/猫(トリップ最終日に撮影)

ー6月21日/2日前ー

予報は生憎の雨。友人は中止を決めた。まぁ仕方ない。私は海のボルダーは乾きやすいことをしっていたのでとりあえず行ってみることに。

ー6月22日/前夜車中泊ー

雨音激しい夜、レーダーを見ると一番潮が引いている時間に奇跡的に止むようだ。観音までの到達を目標に決行することにした。

ー6月23日/観音へー

朝、雨が止んだ。エリア入り口である岩盤の隙間を見に行くも潮で閉ざされていた。

完全なる干潮まで待ち、クラッシュパッドを含む最低限のギアと開拓道具、食料と最低限の野営道具をもっていざ。結局腰まで浸かるはめになったが特に問題なく観音のある浜まで到達。

アーチを潜るとそこは僅か30mほどの入江だった。

しかしその30mが彩濃く、圧巻のアーチのすぐ先には真上を見上げねばとっぺんが見えぬほどの岩塔が聳え、その先には美しい石灰岩の壁が出口を塞ぐ。様々な自然が相俟って神秘的空間が作り出されていた。

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登攀対象/
一番魅力的なのは入り口のアーチなのだけどマットが何枚も必要となる。観音と呼ばれる岩塔は格好良いものの極めて脆く登攀対象にするにはかなりの労力を費やさねばならないだろう。一番現実的なのが海上にある石灰岩の壁。サップなどが有ればウォーターソロとして最高だろう。

そして/

トレジャーハントスタイルで登れそうなボルダーは少なく。といえど、二つ星クラスの岩をこの地で登れるのはちょっと贅沢。幸いなことにどの岩も能力の範囲内でハマることなく干潮時間内に脱出することができた。

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日暮れまで周囲を探索し、次回の計画を練った。9月、友人とともに。

由布探訪別編「ポンチョタープとエスケープビビィ」

2025年6月 雨の由布岳にてギアテスト。

1/ポンチョタープ

通常の雨降り程度なら凌げる。細引さえ忘れなければ。。。

忘れ物リベンジに体制を整えて麓の公園にて。

ポンチョとしての機能の十分。今回は格安のものを買ったので使い倒したら気に入ったメーカーのものを買おう。

2/エスケープビビィ

この夏の野営で寝袋兼幕として大活躍したエスケープビビィ。この日は雨予報時の荷物を守るザックライナーとして。

夕方から酷い雨にやられたが十分機能を果たした。気温湿度が高く天候変化しやすいこの季節にはかなり役立つアイテムだと思う。

 

3/折り畳みアウトドア傘

日差しの刺さる由布岳には必須アイテムだと思い持ってきたものの結局雨傘として大活躍。多少の風なら全然問題ない雨除けとなった。

 

treasure hunt / 万両の宝

神々しき祖母山の奥地にて密かに聳える巨石。
ー 万両の宝 初登の記録

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大分といえばくじゅう連山が有名だけど、山好きには森と谷の深い祖母傾山系のファンも多い。
今回はその沢沿いにある巨石がターゲットだ。


昨年12月

毎年大分で開催されるめじろんカップ。頼もしいスタッフたちに支えられている訳だけど、そのメンバーの一人、安倍さんが今回も熱い情報をくれた。

見せてくれた写真に一瞬でテンションが上がる。絶対に規模がやばい。本当ならすぐにでも行きたかったけれど山の深さに警戒しすぎて発進が遅れてしまった。

今年2月

再び大分にて。vivo✖️回生のトークイベントに私もスピーカーとして参加。ULスタイルで山を駆け回っているvivoチームの話に刺激を貰った。

野営込みULボルダリングスタイルという選択。

これならば帰りの長いアプローチでも日の入り気にせずに岩に専念できる。と決まればすぐに準備を開始した。

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春はバタバタ野営道具を揃え、火のコントロールを覚え、調理に挑戦した。
あとは来たる日を待つ。


ー 5月7日 /初日ー

祖母山 マンリョウ谷の途中にある巨石。

沢を歩くということで前日の酷い雨が気になったが、ダメなら普通に麓での野宿を楽しもうと出向く。

林道から先、空身であればどうとない沢もクライミング+開拓ギア+野営初心者にやりがちな無駄万歳ギアの重さが重心コントロールに影響した。

絶対に落ちたくない沢を登り上がると次はガレ場トラバース。ミスれば7m近くガチャガチャ転がる絵が浮かぶ。早々に諦め下の本流に降りた。

すると…そこはボルダー天国。ちゃんとクライミングフル装備で来たことが報われた瞬間だった。

人の大きさを比較したらスケール感がわかる

サーキットをしながら沢を上がる。すると圧倒的存在感を放つ岩が遠目に見えた。安倍さんが言っていた奴はあいつだ。

遠目からでもわかるヤバさ。

心臓がバクつき対峙するには準備不足じゃなかったか?と思わず自問した。近づくにつれ普通は落ち着くのだけれど今回は違った。

歩を進めるととうとう目の前に。
過去対峙してきた巨石に引けをとらず…苦戦した岩々と同格に思える岩が目の前にある。

登前敗退を決めた。

傾斜、大きさ、ランディング、全てがフラッとやれるレベルではない。

せっかくなので国宝級の岩の横で珈琲を淹れることにした。

気持ち落ち着いたところで、わざわざ持ってきた重いロープに下がり次回のために苔を落とした。期待したほどホールドは出てこず、最後まで怖いだろう。

日暮れまであと2時間くらいだろうか?

やりたい岩はちょこちょこあったが、威圧的強傾斜に存在する一本のラインを無視して他の岩を触る気分にはなれない。完登の可能性なんてなくとも巨石の中に身を預けることを選んだ。ムーブを起こしたい欲求が勝った。

気づけば強傾斜中のザ・ボルダリングな内容を解決し
気づけリップの先のスラブを無心で駆け上がっていた。

万両の宝 初登

心が完登を諦めていたといえ、身体が勝手に完登への道筋へ向かい行動していた。今回ほど習慣に驚かされたことはない。純粋に過去の自分を褒めたい。

寝床をつくり火を前に夜を待つ。
道の駅で買った良さげなベーコンと苦労して持ってきたビールが染みた。

5月8日/2日目

夜明けと共に目が覚める。反省点多く熟睡できなかった。

疲労がやばかったが勿体無い病発動し、登れそうな岩を全て登り倒した。濡れており着手できなかった岩が心残りだけれどどうにもならないので昼過ぎに撤収を決めた。

今回のトレジャーハントは山はもちろん人との出逢いが与えてくれたものだと思う。
山に感謝、人に感謝。もう少し成長してまた帰ってきます。

来たる日に備え、野営練

至宝の巨石を求めて山籠り、そんな日ために…

4月は九州、そして中国地方で野営の練習をした。といっても普通に楽しい時間だけれど。

軽量装備での野営は経験ないので、少しでも場数を稼ごうと。最悪夜でも撤退が可能な場所で一泊を繰り返した。

調理はパスタを湯がく程度のもの。

数泊繰り返し、なんとかかんとかワンポールテントとビビィ泊に慣れた。

けれど毎度熟睡には至っておらず。体力の回復をもう少し高めたい。にせよ夜は一定の恐怖はありつつ気持ち良い。