「観音岩」カテゴリーアーカイブ

自力を感じること

2月25日 / その後


太陽はまだ真上に。

無垢の全ラインが終わった後しばらく余韻に浸ったがそれでも日はまだ長くせっかくなので周囲の岩を巡った。

過去の登攀は関係なく基本ベアフットでサーキットを楽しんだ。

ここは細かいエッジも多くまだまだ仕上がっていない私のつま先には厳しく、シューズを履いた際と比較しギャップが激しかった。

自力。

優秀な道具(マットやシューズ)と環境整備(下地)。バランスが大事で意識しないとどんどん自力から離れていく。現代クライミングではスポーツとして発展目覚ましく特にそういう感覚が蔑ろにされているように思う。

ベアフットで岩に接すると、着地もしかり自分の力で登りきることの大切さを改めて振り返ることができる。

 

「ティラミス」や 「鬼の門」など好きなラインを登り、日暮れを前に力尽きたところで撤収した。

innocent world

私はルーフが大好きだ。

ルーフの岩を見ると
「こんなところ登れんのか?」
と真っ当にテンション上がる。

実際ルーフの動きが楽しいしボディや指先にかかる挑戦的な高負荷も反骨精神に火をつける。天真爛漫の裏のルーフ。無垢の横の最後のライン。

2025年1月 完全にピースが揃った。あとは順番に当てはめていくだけとなり次来たら終わる。そんな喪失感を抱きはじめていた。


2月25日

トライ一発目でルーフ帯を越えた。このまま終わるのか…なんて思いながら上部突入、リップでぬめり落ちてしまった。

日差しの刺さる後半パート、全てのホールドが熱い。もしかしたら今日は駄目かもしれない。そんな気持ちも混ざりつつ曇ったタイミングで登りきった。

「 innocent world 四段 」

最後のラインが終わった。まだまだやりたい岩は沢山あるにも関わらずやはり喪失感に襲われた。良いルーフだった。

夕暮れまでベアフットで遊んだりラインを整理したり過ごした。もうこれで難しい岩はないけれどもう少し通おう。

白蓮華

ボルダリングにおいて私の思う理想の岩の理想のライン。
「強点を辿る」
そういうもののひとつの終着点に王手が掛かっていた12月はじめ。タイミング悪く勝負はお預けとなっていた。


12月23日

気を逃した影響大きく感触は相当悪かった。

出張の連続で指皮もボロボロ。チャンスは少ないと思いはじめから全力で挑んだ。するといきなり全てがうまく行き登りきることができた。好きすぎて通い続けた日々が功を制したのか、後半パートは無我で身体が動いてくれた。

– 白蓮花 /四段以上 –

登る気で来ていたが登れると思っていなかった。
長い時間余韻に浸ったあと、好課題になると見込んでいたいくつかのラインを登った。

ネズミ道

ラッタのsdsから岩の隙間をワイド的に登る。ハンドジャムが気持ち悪く、見込み通り良い感じだった。

Blues

白面のlow start。というより後にできただけでこちらがむしろ自然なスタートだと思う。終始バランス崩しそうな…繊細なポジションが要求される。

 

動画/白蓮華

 

 

 

 

無垢/指切拳万

観音projectに通う日々の中で…
move精度が増していく。と共に新たなラインも増えていく。

天真爛漫の裏のルーフに下地ができた今年、新たなラインが誕生した。

ー 無垢 三段 2025年11月初登 ー


同日登ったもう一つのライン。

小さなルーフの中にえぐすぎるポケット二つ。いつも〆にやっていたが一向に登れず3年。どうせ5トライで指かわが裂ける。この日はポケットのコンディションがよくうまくいった。

ー 指切拳万 三段 同日初登 ー

12月に入り突然寒くなった。良い気候だ。
いよいよ全て終わる。

観音project…

ー 観音岩下project ー

通い詰めた3年前。
メインどころをやる合間にこのprojectもトライはしていたけれど登れる気配は一切なく。

それでもあまりに格好良いラインに半ば惚れ込みとりあえずトライ。
このエリアで最も負荷の高いmoveが4連続する。もちろん一手もできない。

 


2025年夏
久々立ち寄り少しだけやる。moveこそできなかったが姿勢はあらかた理解でき、秋のメインプロジェクトにいくまでの間、通ってみることに。

*

秋がなかなか訪れずこいつとの付き合いも長くなってきた。そして全てのmoveが完成。いつのまにかこいつが私のメインプロジェクトになってしまった。

 


11月 秋の終わり

気温は低かったが湿度はまだ高い。ベストとは言えないこの気候で、なんと最後の一手まで攻めることに成功した。冬になれば勝負になる、冬を待った。

そして12月

勝負をかける。そう決め出向くたびにトラブル発生。どうでもいい場所でネズミ取りに引っかかったりタイヤがバーストしたりと…結局、気は訪れることなく。