橙色の世界の中で、2人長らく話し込んだ。
何を話したかはもう覚えていない。
遠い日の記憶。
だだっ広いアステラスの駐車場を包む橙色の光は、今尚鮮明に残っている。
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最奥projectと発見者の話は今回は略そうと思う。(書き出すと悲しくなるので)
10月15日
登れるという確信はあったものの、move確認のトライでマット位置にヘマを犯してしまい前腕を強打。実質僅か2便で挑戦を終わることとなる。
10月18日
無事に登りきった。登れることはわかっていた。いつも感じる安堵感や達成感はほぼない、理由ははっきりしている。
過去の自分、
「この岩は不可能すね」と一言で返したあとの野下さんの残念そうな表情…
それを感じ取れていたなら、もう一度見上げて見ればよかったじゃないか。
あの時の期待に向き合わないといけないのは、やはりあの時だけだったのだ…。
刺さったものは結局抜けぬまま。
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joywallがまだプライベートウォールだった頃、この岩の発見者であり開拓者、故野下善秋氏
もたまに遊びに来てくれていた。
そして氏と話し込む場所は、何故か決まって近くの温泉施設あすてらすの駐車場。岩の話や開拓の話し、今後の目論見などを話してくれた…。
名を「Usterrace(明日照ラス) V12/四段」とする。
夕方、通り雨が過ぎたあと美しい夕日を見た。
とても美しかったけれど、あの日見た橙色の空はもっと力強かった。
乾いた夕陽が見たい。
野下さんと話したい。
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