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幸先狙いと自惚れ

Ozroof,
12/30
昨年最後のトライとなったこの日、核心ラスト一手まで攻めることに成功した。

ただ、完登ならず挫折の一年となった。

2018年、幸先良いスタートを切るべく元旦に勝負をかけた。
前回が好感触だっただけに正直登れると思っていた。

数時間のトライで、無残な結果を悟り深追いはせず。

前回ダメージをうけた指皮は、一便ごとに裂け、血がとまるのを待ちながらトライを重ねたが、一度も核心一手目すらとまらず。

筋疲労も回復していなかったのだと思う。

昨年最後の勝負に負け、焦っていたのかもしれない。
今までのように、ここまで注いでいるのだから登らせてくれるだろうと勝手な期待をしていたのかもしれない。

自惚れていた。
自身のコンディションも整えずに勝負などできるはずがない。

これは限界値だ。
新年早々いい教訓となった。

限界に届かすには、まだまだ己を知る必要がある。
心身相関するための準備として、自己に全く潜り足りなていない。

出直そう。

敗退の日々(通算26日目)

限界以上の登攀を臨むとはこういう事だったのか…。
OZroof projectのトライが通算26日を越えた。


当時からProjectをやるっていうスタイルは変わっていないが、ここ数年限界以上を求めることはほぼなく、現に4日以上打ち込む事が殆どなかった。

いつの頃からか…
確か生涯の目標であった絶望岩「常盤」や、生涯最高のラインと思われた(今は相当するクラスはいくつか登ったと思う。)ニライカナイを完成させたあたりだったと思う。

自己の限界を一本くらい登っておきたい、
そう思うようになった。
そこで着手したのが、昨年登れた玖珠川乙女岩の更紗であり、未だprojectのこいつである。

OZroof project

昨シーズンの終わり、繋げて初めて核心の一連に成功し後半のV10パート2手目で落ちた。
それは非常に上出来で、今シーズンは正直良くない。

12/1 day23
雨上がりで状態は全く良くないが、来たる時に備えて練習。多少湿気ていても一手一手は練習出来た。

12/8 day24
1便だけ核心突破し、V10パートの優しい一手で指先がすっぽ抜け落ちる。どちらにせよ限界であった。
ここまで到達してしまうともはや回復しなくなる。パート練習して終了。

12/18 day25
指皮が抉れた状態で行った。ここ数日回復に努めたがダメだった。案の定バラしすら出来ず。

12/21 day26
シューズを変えてみた。安河内カスタムVsr、トウフックがバチ効きしだす。

ここで問題が発生、トウの解除が出来ない。そこパート練習をひたすらやったがダメ。
結局シューズを戻して、トウが外れると同時に次のモーションに入るいつも通りのコーディネーションシーケンスを取り入れる事に。効きすぎて困る事があるとは……。シューズ自体は完璧だという事が確認された。。
確認で力尽き終了。


限界以上の事をやろうとする事。
身体や岩のコンディションを完璧に合わせないと挑戦すらできず、そこに気持ちを持って行かねばならない。

とてつもなく果てしない作業だ。

こんな事を繰り返し、通いつめ一本の課題を落とす。
今やこんなクライミングはみんなにとって当たり前になっているが、飽き性な私にとって正直かなり苦手な活動だ。

それでも今回まだ続けれるのは、そこに明確な動機があるからだろうか。
この動機が続くうちに登りきりたい。

気分転換でやるクールダウンで、どんどんバリエーション課題が増えていく……

写真は天道

竜体山ホールド欠損情報

先日、竜体山でホールド欠損しました。

場所は竜鳴岩、課題番号50 コツブの足元です。

コツブ V2のグレード自体は変化ありませんが、シビアなフットホールドを踏む技術を強いられるため、限界値であった利用者の方には多少影響するものだと思われます。
ただ、岩は人が登れば影響を受けるものですし、自然の中に人が入ればなんらかの変化は起きます。
それら全て受け入れての、野外活動だと思います。

ちなみにトラバース課題、鳴閃等はグレードがグレードなだけに変化なしと言っていいでしょう。

最近、人気の竜鳴岩ですが遊歩道沿いにあるため、開拓当初は控えていました。
一応ルールを作っての公開に踏み切りました。
今一度確認のほどよろしくお願いします。

※遊歩道沿いということでブラッシングの徹底と荷物置き等

快刀乱麻 三段

11月末、
仲間が見つけた岩に出向く。
その岩はとても美しかった。
岩を上下分けるかのごとく、中央に走るか細いクラックが特徴的だったので一刀両断岩と呼ぶことにした。

さてどこを登るか、弱点が見えない。ひとまず一刀両断クラックの上は中央に顕著なクラックがある。
そこを掃除することにした。土が詰まっていそうだったので、流石にロープを使う。
案の定、そこそこ時間がかかってしまったがそれなりに綺麗になった。
ホールドは見た目以上に悪い。もしかしたら上部は2級(このエリアは開拓者の希望により級段式)以上あるかもしれない。
落ちたくない高さだけに多少緊張は強いられるだろう。

夕方、下部をやる。
顕著な弱点がないので登れそうなところで離陸し、行き詰まってラインを変える。そんな作業を繰り返し、指の皮をズタズタにした。特に成果はなく、ラインすら分からないままこの岩を後に。

流石にこれだけだと不完全燃焼、移動しmagical slotの左のバリエーションをやるがキーホールドが濡れており苦戦。
敗退などしてられないとムキになってしまい帰るタイミングを失った。
日暮れまでかかったが、かろうじて登ることに成功。

大黒天 二段とした。
夕方見た光景に秋の終わりを感じた。

12月14日
一刀両断岩、どこをやろうか迷った。
前回中央周辺で痛い目にあったので右端から、一刀両断クラックを横断しようと試みるがそもそも出だしのランディングが悪すぎて、というより下地はなく落ちたらそのまま下の斜面に転がるの突っ込みきれず諦める。

結局、中央。

初手、真上にカチがある。前回と手順を変え左手で無理矢理出すことに。不可能と思ったその一手はすぐに成功し次、右の見えるガバまでランジ。
かなり遠い…とりあえず捨て身。

やりこむうちに渋い右足フットホールドに体重を掛けれるようになる。
徐々に到達高度も上がる。

とまった!
と思ったらまさかのガバではない!
そのまま無抵抗に落ちる。

唖然……ガバじゃないんか。

とはいえ動作も安定しだし、このトライで効きも分かった。数便でとまる気はした。
次の便、指の温度が上がりすぎて結露ですっぽ抜け。
暫く休み次の便、とらえることに成功。

あとはガンガン行きたいが足場が異常に悪い。
突っ込みきれず一手一手の時間がかかってしまいパンプ。
それでも行くしかないので、慎重に進む。

クラックパート、感覚が鈍っておりジャムが決めきれない。
迷っている暇はないのでガストン気味に効かせ最悪、指先の保持に保険を託し突っ込む。
かろうじて突破しリップにあった枯れた木に抱きつく。

結構やばかった。
久々に落ちる可能性を感じながら突っ込んだ。

今回は無事登りきれて良かったが、次ここを通る時はしっかりとイメージして行こうと反省。
名は 快刀乱麻 グレードは三段。

その後、指皮やられるまで左のラインを攻め撤収。

絶望岩、濡れたホールド

手帳を見返さねば、もはやいつの事かもわからない11月のある日。
鶴見岳へ。

目的はローカルクライマーの案内、
利用するにあたって気をつけてもらうと良い点などは、やはり口伝した方が想いも伝わると思ってやや遠いが行ってみた。

人の岩登りに関して、私が書くことではないので極力書かないようにしているのが、
個人的には楽しんでもらえたのではないかなと思っているし、気持ちの入った登りも見れたので良かったと思う。


私自身はリピートメイン。

登って見て思ったのが、グレードが多少ずれているということ。
2003年あたり、ようは10代の時に登ったのが特にあてにならない。
実家に長期滞在する時に一旦見直そう。

少しだけ絶望岩のprojectをやった。
相変わらずスタートとしているholdは濡れていた。
ここ5年、乾いているところを見たことがない。

いつ乾くのか、とりあえずその状態でやってみると思いのほか感触が良い。
これは常盤V12やエトピリカよりも登りやすいだろう。

問題はいつ乾くか…、もしくはこのまま登りきるしかないのか。
何にせよ、中央始まり中央突破のこのラインは登りたい。


わざわざこのために来るほどでもないが、帰省して暇が出来た時にでもやろう。


夕暮れに降り行くゴンドラを見て、昔を思い出した。
よくボロボロになりながらも今と同じ光景を見て、充実した1日の終わりを感じた。

あの頃よりも遥かに登攀能力は上がったし、
時間と労力の費やし方は上手くなった。
ただ熱の込め具合は如何なものか…