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gon 初秋の記録

10/10
ハイボーラーヅカと開拓。
まだ手をつけていなかった岩をやる。
下地整備を手伝ってもらい、早速トライ。

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次回登る予定が、思ったよりも早くもmoveが狙うことに。
結局1日使い切って登りきった。
愛用のチョークボールが流されて、少し悲しい気持ちになったので
天狗隠し v10とする。
ヅカはハイボールでないと気合いが入らないらしく、レフトパンチは宿題に。

10/12
ボブが関東より遊びに来たので岩場帰りに飲みに。
翌日の岩を考えて、早めの撤収。
普段joyに来ないメンバーは深夜まで飲み明かしていたようだ。

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翌日、gonへ。
この日の主役はもちろんzipメンバー、そして私はトライアルのサポート。
ボブも当たり前のようにサポートに入っていた。
思えば昨日の開拓も作業中心の1日、その一員として紛れていた。

飛行機の都合もあり、ボブはクリに送られて早めに帰って行った。

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一年の密な開拓を過ごしうちらのスタイルに精通、
時間が経とうとも、すぐに役割を理解し動き、
時間がきたら、さっと去っていく。

沢山の言葉をかけたかったが、今更そんな言葉がけもこっ恥ずかしいし、必要も感じなかった。
さらっと見送る。

暫くして、対岸を歩く彼の姿が目に入る。
後ろ姿がカッコ良く、少し切なくなった。

次は能力を上げて帰ってくることであろう。

さて、主役のzip勢の素晴らしい登りは文で綴れるものでもないので、動画をどうぞ!

10/16
上流よりトポまとめに入る。

そしていきなり放置projectに捕まる。
季節がよくなったからか、moveはばれたが繋げきれず。

持ち越し。

10/18
数年前セットに呼んでもらい、付き合い深くなったクライミング仲間とともにグレーディング等のトライアル。
朝一で前回のやり残しを速攻回収。
カチを三回握るだけの課題…前回はv10クラスに感じていたが、指皮maxでやると、大したことはなかった。

とんがりの右なので、スネオのカチ v9とした。

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日中は気温30度を上回り、激しい日差しの中で登る。
こんな暑い日はひさびさだ…
正直みんなぐったりしていたがそれでも素晴らしい登りを、度々見ることが出来た。

この日の動画は、最後に貼っておく。

10/19
連日のgon,
この日は久々にクリと二人。
先日の灼熱地獄を受け、夕方から。
ただ、寄り道しすぎすでに流血三昧。

とりあえず叡智の隣のproject,固いシューズに変えたら1発でmoveがばれ、すぐに登れた。
愛 v8とする。
叡智のリピートに少し時間がかかったが思い出したら出力が出始め、登れた。
これをなぜv6にしようと思ったのだろうか…公開を見越していないグレーディングの適当さ……
我ながらやめてほしい。v9に改定。

日暮れまで登り終了。

天帝とイラストリアス

今シーズンの課題と決めていたラインが登れた。

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そいつはとても強烈なカチで構成される。
うっすら被った魅力的な石の塔。

はじめて取り付いたのは春。
ゲキカチを保持し背伸びスタート。そこから膨らみの中にある見えないポケットを狙う。
確率は低いが、そこさえとらえることが出来れば、あとはダイナミックに動き続けるだけで岩の上に着く。

トップアウト成功。
この薄っぺらいホールドしかない岩の上に立て、少し感動した。

次に、背伸びスタートで始めたゲキカチをデットで停める通常のスタンドスタート。
梅雨の訪れ前、2日間かけてはじめてゲキカチをとらえることに成功。
そのトライはブラインドポケットで落ちたが、次のチャンスで再び岩の上に立てた。

以来、一度もゲキカチをとらえることなく、梅雨が訪れた。

登りたくとも登れない岩に、カチが影響する課題がたまってきた。
大嫌いな鋭いカチ……いい加減なんとかせねばと、この夏は真面目にカチ強化に励んだ。
数ヶ月で何とか数値は上がった。

季節は巡り、日中の気温も下がる。
いざ検証。
果たして勝負になるか。

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トライ初日、まずはmove確認。1発でゲキカチがとまった。
行ける。
下部を入念に確認、完璧だ。

いざ繋げに入る。
やはり甘くはなかった。
前半のミス落ちはダメージを受けないから良いとして、何度やってもゲキカチとのmoveがはまらない。

とまりはするが、微妙に浅く、カチ持ちに持ち込めない。

ヒットさせねばならないポイントが非常に狭く、少し溜めて狙わねばならないようだ。
やるしかない。

勝機は薄い、打つしかない。
そしてヒット。
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カチ持ち、握り込めた。
とまるものなんだと、ちょっと感心。

次のブラインドポケットランジ。
あまり何も考えていなかったと思う。
感覚は覚えていない。

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成功。
欲が出た、落ちたくない一心でロックで出したくなる。
ただ、その後2手は足場が悪くロックしてスリップの方が怖い。

2手、ともに気持ちを整えて、きちりと成功した。

完登。
登れて良かった。

ブラインドポケットとりが勝負の分かれ目だったと思う。
これで、この日の前半戦は気持ちよく終えることができた。

名を天帝、グレードをv11とする。

一本の完登以上に嫌いなカチに、少しだけ抵抗が和らいだことが良かった。

動画

前半のイラストリアスは、シークレットエリアにあるため、深い記載はしない。
課題は枝村さん初登のバンブーダンススタートで、カズマくんのラングレーに繋げるラインでv12。
カズマくん初登の最新課題である。
福岡市の貴重な高難度の一つ。

ワクワクしすぎて平日の通勤中、寄り道して見学。
やる予定ではなかったが、時間に余裕があったことを理由に気付けば取り付いていた。

日常に刺激を与えてくれたことに感謝。

魔女狩りとエリアOZでの5日間

9/28
ゲストを交えて着手。

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掃除不良ではあるが一番美味しいクラックのベースを登ってもらった。

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久留米の人(オンナ)

10/3
本格的に整備、リップ掃除とアプローチを作った。
余った時間で登る。ヅカは何故か一番高い道筋を選び、持ち越しに。
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写真はハイボールに挑むヅカ。
私は無難にv8あたりを登り、名をOZとした。

10/5
ナウシカを登った後に寄る。
というよりナウシカが開拓の過程で予想外に登れてしまっただけで、前日からと頭にあったのはこの岩最難のラインだった。
何とか全てのmoveがばれる。
しかしどのmoveも強度が強く到底登れる気がしなかったので、気長にやる事を決めた。

10/11
隣の更に高い岩に着手。ただ下降路がないため、一先ずトップアウトを目指し上を確認することに。
よってナチュプロに上を目指す。

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そしてトップアウトに成功。上から掃除、したものの楽に降りれる箇所は見当たらず。
ボルダーでの解決を諦める。
ただ、最初に抜けたラインが思いの外魅力的で、タカタが周辺をナチュプロで開拓することに。

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うちらは各々のprojectをやることに。
そしてアクシデント発生、私のprojectのキーホールドが吹っ飛んだ。
慌てて確認すると、残念なことに掛かりが良くなっている上に広くなっていた。
マッチできる。
シーケンスを作り直すと案の定楽なmoveが。
岩場の連チャンでヨレヨレであったが、上部は完璧にバラしているし繋げてみることに。
すると上部最後の核心に突入出来た。
ただ後半部で落ちると石棚の段差に吹っ飛ぶため、躊躇。
moveが甘くなり手前で落ちた。
とはいえ自動化も終わっているので、間違いなく登れる感触を得た。
万全を期して次回へ。

クリが久留米の人のスタンド完全体を完登。
ヅカも持ち越しとなっていたハイボールを登りきった。

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全てを信じて v2 初登

10/13
電光表示板ではじめて10度代前半を見た。
ソワソワしだす、身体が疼く。
いてもたってもいられなくなり夕方、強行。

到着したのは日暮れ寸前。

上部、絶対に落ちれないパートをおさらい。
完璧。
いざ通す。

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1便で登ることができた。
魔女狩り v12

静かな森で密かに喜びを噛み締めると同時に、少し寂しい気持ちになった。
本当はもっと通い詰める予定だったproject、
フレッシュで通してみて当初より大幅にやさしくなった事を感じた。

事実を受け止めきれず再び取り付いたが、
前半の全てのmoveで落とされた。
心はもうここにない事を感じ、帰る。

夕陽がとても冷たかった。

動画
魔女狩り v12
久留米の人 v6
oz v8
全てを信じて v2 ハイボール

ナウシカ 完全体

記録を見返せば、はじめてこいつの前に立ったのは2005年の事らしい。

高さとほんの少し悪いランディングにビビって取り付けずにいたようだが、
2012年に意を決して触った際に、背伸びスタートで完成したのがナウシカである。

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思い焦がれていた岩の上に立つことができ、さぞ興奮したことであろう。
ただ、1日で終わった課題の記憶はあまりない。
一つ覚えていたのは、それはとっても素晴らしい岩に与えられた素晴らしい道筋だったということ。

〜2015年6月、このエリアもいい加減公開すべく、まとめのために頻繁に入るようになる。
ふとナウシカを覗く。

するとホールドが下から繋がっているではないか。
当時、背伸びスタートにした理由を頭の中から探す。

確か、目の前の薄っぺらいカチ単体で離陸することが出来なかったから、その一つ上からやったような…

確かに薄っぺらいカチ単体では今も浮かない。
ただ、右のカンテ上にあるシワと組み合わせたら一瞬浮く。
とはいえ、ここからスタートでは不明瞭。
そのさらに右下にそこそこ良いポケット、そして左下に鋭いアンダーカチがある。

普通に考えたはここが明瞭なスタート地点であろう。

夏、開拓の空いた時間にちょこちょこと触る。
なんとなくシーケンスは完成したが、今の能力では不可能な気がしていた。
出来そうにない箇所が一箇所あったからだ。

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秋に入る。
開拓も進み、楽にアプローチできるようになった。

10/5
本格的try初日。
先程書いたどうしてもできない箇所、それはヒールからの2発とばし。
どうしても足が切れる。

まずは他の可能性を探る。
フック解除からそのままとばし…負荷が高めな気がした。
フック解除には成功、ふとその2手先のフラットなブロックが目に入った。
飛べる気がした。

バラシで一回本気で飛びに入る。

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成功、勝機が増した気がした。
繋げる。

3便出したが、繋げると全く届く気がしなかった。

再びランジの確認、すると届かない。
さっきは保持前回からのフル出力でとまったのだろう。

気温20度、だいぶマシだが、保持に頼れる気温ではない。
フック解除からのmoveを作り直す。

シンプルに夏作っていたmoveがしっくりきた。
余計な指皮の消耗をしてしまったが、気を取り直す。

一先ず完全にばれた、
そして完全にイメージができた。
こういうときは1便目が大切。

ここで失敗したら経験上、ドツボにはまる。

1便目、集中したおかげでブロックに右手がかかる。
予定ではタイミングダブルであったが、効きが悪く左手が追いつきそうになかった。
左手を本気で残しに行き、無事振られに耐えた。
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思い切り左手にダメージを受けたが、そのまま上部に突入。
次のカチが正直しんどかった。
高さもあるので手を出すかどうか一瞬迷ったが、長引かせたくないので仕留める気で出す。

とまった!
これで実質終わったが、指先にチョークが全く残っている気がしなかったので上部も少しの緊張感があった。
無事完登。

今日登れると思っていなかっただけに、相当興奮した。
ただ、地に戻りすぐに冷静になった。
今日の本題はこいつじゃない……。

すでにくたくたなのに……。

名は、とりあえず帰る必要を感じなかったので ナウシカ と。
グレードはひさびさに真剣に悩んだ。
最近登れたらどれもv10くらいに感じる。

ただ、こいつはリピートしたいと思えなかったのでいつものそれらよりは難しいのであろう。
v12かv11か。v12は感覚的に何となくしっくりこない。
アンドロメダみたいな連続的な強度系や、サタンポーみたいな長ものは結構さっくり付けれるのだけど。

ただ、課題は素晴らしい。
内容やスケール、トータル的な難易度を加味すると、v11も違和感がある。

みんなの目標や、エリアのシンボルになって欲しいという側面を踏まえ、
結論はv12としたい。

本質とは離れるかもしれないが、グレードなんて所詮コミュニケーションツールということで、
みんなに、「こいつがこのエリアのシンボルだ」という思いを込めて。

久々に数値についてダラダラと書いたが、
最後に ナウシカ完成までの過程を動画にて↓

絵を描くこと

絵を描くことは好き、
でもデザインは嫌いだった。

何となく工業に進んだ高校時代、
最初はデザインに進もうと思っていた。

説明会で出された翌日が提出期限の宿題。
内容は不透明水性絵具をつかってグラデーションを作るというもの。
本来は嫌いではない作業、ただmotivationが上がらなかった。
重い荷物を持って帰って、紙の上に定規を置いて絵具を付けた筆で線を並べる、それが信じられないほどの苦痛であった。
結局提出日の朝、フリーハンドで丁寧に線を引き15分程度で終わらせて提出。
過去のことながらこの行為は酷すぎるし残念な感じだ。

デザインはそれきり。

〜作業時間が20時間を超えた深夜、というより早朝、デザインから逃げた過去を思い出した。

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8周年感謝祭先日、早朝からholdを全て外す。
正午前からセット開始、ノルマは35本。
セット経験があれば分かると思うが、正直しんどいノルマだ。
ただ、年に一回はこういうセットをやっとかないと駄目になりそうな気がして決意。

何よりも勝手知ってるこの環境は、自身の本来の底力が試せる気がした。

昼からパラパラと仲間が手伝いに来てくれた。

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作業開始から15時間かった23:00、流石に遅いので仲間を帰し、単身作業に入る。
形は大まかに出来ていたが完成した課題数は15本。
ここからが本番だ。
翌日のopen、即ちイベント開始まで残り12時間。

普段は課題はもとより一つ一つのholdの機能性を考えながらセットする。
思えば普段、自分なりに意匠を凝らしていたのだろう。

今回はそんな余裕なかった。

開始前にまっさらな壁を見たとき脳裏に過ぎったイメージを、そのまま大胆に再現することに終始集中した。

29:00 終了。
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朦朧とした中で思い出す。

デザインは嫌いだけど、絵を描くのは好きだったな……と。
テープ貼りなどの残務が終わったのは30:30。
もう早く寝たかった。

色々考えることをやめ、残り僅かな開店準備時間まで眠った。

そして無事open,沢山の人に来店頂いた。
その話は散々私やスタッフが書き尽くしたので今回は略そう。

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課題に関しては評判が良かったと思う。

今回はキャンバスが大きすぎたことで、意匠を凝らすことを諦めたのが良かった。
他人、納期、コンセプトを微かに意識しつつ、
絵を描けたのだと思う。

一年分の経験を十分に発揮出来た。
…ただ、今後はこの感覚でのセットはやめよう。
今回はたまたま上手くいき、共感頂ける人が多かったから良かったものの、
課題は本来、意匠してつくることが基本なはずだ。

そしてどちらかというなら私は、システム作りや意匠の方が本来得意だ。
好きなことを好きなようにやらせてもらったこの環境に感謝するとともに、
今年も感性を磨ける環境に身を置きたい。

もしデザインに進んでいたら、また違うスキルが身についていたのだろうか。

まぁ、後悔など微塵もないが。