「RockPath」カテゴリーアーカイブ

禁忌

午前中用事を済ませ、午後からずっと気になっていた岩をやるべく車を走らせる。

ただ、アップの課題がないためイザナミの岩により幾つか登る。
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丁度良くなったところで目的の岩へ。

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ホールドは繋がっていたからさっくりmoveはばれると思っていたが、いざぶら下がってみると傾斜を感じる。
想定していたmoveが出来ない。
ホールドは繋がっている。

しばらく打って、真っ向勝負でも辛うじてmoveは出来たが、強度が強すぎる。

案外強度の低いトリッキーなシーケンスがあるのではと、さらに探る。
一時間程度打ち、ようやく見た目通りの強度のシーケンスを発見。

ただ、ガストンアンダーからの距離が激しく、中継を入れても尚、薬指の腱が思い切り伸びる……。

小指を巻き込めたら薬指のダメージを軽減できるのだが、初手の身体のねじれる動きでは薬指で刺すのが限界。

長く打てば、そのうち薬指を痛めそう気がする。
シーケンスが完全に固まったところで、集中して打つ。
全身の出力をあげた便の事、遠い一手の前に体勢を整える余裕が出来ていた。
無意識にホールディングの解除から握り直し、小指を巻き込めた。
その事に気付いた瞬間、油断しスリップ落ち。

ストレスが大幅に減少した。
時間をかければ登れる事が分かった。

少し休み、リラックスした次の便で完登。

禁忌 v10

思ったより時間を費やしてしまったので、ここでこの日のクライミングを終えた。

コルヒドレと孤独なもの

先月の記録。
仲間から、projectを登ったと報告を受け、以来ずっと気になっていた課題。
悪天に邪魔され取り付きが遅くなってしまった。

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岩の形状もさることながら、中央に伸びる顕著な弱点をトラバースするライン。
明らかに美味しいラインで、苦労して整備した仲間に登ってもらいたく、トライを促した。
そして先日、見事に完成されたこの課題は コル・ヒドレと名付けられた。
グレードはv8。

私はカチに苦手意識があり、こいつは見事に鋭いカチ課題であったので、案の定moveを完全に作ってからの完登となった。
体感的にはv9でいいと思う。

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素晴らしい課題であった。
ついでなのでこの岩を完結させるべく左から順にやっていき、
一番悪いラインは来シーズンやることを決め終了。

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写真はコルヒドレの途中より直登する 孤独なもの v8
一手がそこそこ凶悪。

連れも幾つか整備し、課題を完成させていた。

コルヒドレと孤独なものの動画を↓
他、ドドメキやハルジオン、毒ミミズなど。

Phitenカップと展海峰のこと

先週末、長崎展海峰で行われたPhitenカップに参加したときの記録。

毎年行われているファイテンカップ。
主催はファイテンディーラー大河内さん。大河内さんの熱意による指揮の元運営されるイベント。このイベントでファイテンのことを知った方も少なからずいるはず。

ファイテンはリングやネックレスなど人の持つ治癒能力に着目した商品を展開しており、毎年のイベントの効果かクライマーに対しての知名度も上がっているのではないだろうか。

今回も参加賞にファイテンの商品が全員に配られていた。

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独自の水溶化メタル技術により作られたアクアチタンを含有したリング。
チタンにはそもそも体内の乱れた電流を整え、血流を良くする効果がある。
登る運動にも支障のないサイズで使いやすい。

今回の会場は、近年開拓され始めた展海峰というボルダリングエリア。

観光地としての知名度もあり、中にはプライベートでクライミング関係なしに訪れたことのある人もいた。

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うちらは2日目に参加、ありがたいことに運営スタッフに声を掛けてもらい、出不精な私が参加する運びとなった。
当日は60人を超える人で賑わった。

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課題本数106本と昼飯に冷やしうどんという、とても素敵なもてなしを受け、少し感動した。

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実はこの日は雨の予報であった。
が、開拓者や運営スタッフの思いが通じたのか、
あえてその日の天気を言うならばと、参加者は口を揃えて
「晴れだった」
というであろう。

一日中登りっぱなしの素晴らしい日であった。

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私個人の話になるが本数にして58課題、
エリアを順番に回っていったため
その中にカズマくんFaのフライングトゥ三段を含めたので、内容的にも満足だ。

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これだけでも十分満足なのに更には優勝することができ、景品まで頂けた。

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もう感謝以外の言葉が見当たらない…
さらに、、
帰りにオススメのハンバーガー屋さんに、オススメのメニュー、そして電話をかけておくと良いというアドバイスまで。

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道を間違えたこと以外は帰りまで最高だった。

運営に携わった方、声かけ頂いた皆さん、さらに佐藤さん、大河内さんに深く感謝。
素晴らしい時間と空間をありがとうございました。

写真は長崎、小池さんより提供。ありがとうございます。

同行した仲間、店番頂いたスタッフもお疲れ様でした。
(すでにだいぶ時間がたったけど( ̄▽ ̄))

べた凪とgloria

朝起きれたら岩に行こうと決めていた5/21
無事起きれたので岩へ。

随分経ったように感じるが、まだ一週間は経過していない。

目的は前回突っ込むことが出来ず敗退したハイボール。

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あまりにも弛んで見えるリップに躊躇し動けなかった前回。
何となく右に可能性があるような気がして、一時間の再整備。

整備後、意を決してトライ。
一便で右のリップを捉えることに成功した。

ランジで狙っていた正面のリップを触ってみると、全く持てる気がしなかった。
とばなくて良かった。

マントルを返すか迷ったが一応心の準備をしてこようと思い、マットに目掛けて飛び降りた。

そして次の便で転がるようにマントルを返し、完登。

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岩の形状がとてもユニークで微かに波打つ感じが、べた凪時の水面のようなので
名をべた凪
グレードをv10とする。

ついでに側面も終わらせておこうと思いクライミング継続。

仲間の課題が一番左にあったので左から順に登っていき、最後のラインで捕まる。
集中して打つが、どうしても登れない。
三手目のカチが微妙に湿気ていてとびだす前に弾かれる。

3時間打ってもダメ…仲間との合流を諦め、打ち続けるが駄目。
終了時刻になって、ダラダラと片付け開始。
撤収しようと荷物を持ったところで、強い日差しにより多少乾いてきていることに気付いた。

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さらに30分程度打ったところで何とか、ランジをとめることに成功し、完登。

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際どかった。
Gloria v10とする。

道場に間に合うよう、慌てて撤収。

乙女岩正面 白虎

開拓に振られ、物足りなかった夕方
皆に無理を言い乙女岩に付き合ってもらった。

狙うは乙女岩正面のproject。
狙うといっても感触の確認程度。

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高さはそれなり、最近登った中ではそこまで際立った高さではない。
なら何故ここ何年と解決できていないのかというと……

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ランディングがあまりよろしくない。
moveのめぼしはついているのだが、
いまいち踏ん切りがつかない。

数便かけて着地練習、高さとランディングに馴染ませる。

そしていざ一便突っ込む。

浅い窪みに指先をひっかけ、足場をあげて、リップへとデット…
したいが勢いをつける勇気なく、
届くところまで手を伸ばしてみることに…

苦しまみれに、明らかに戦力にならないであろうカンテを抑えようと試しみる。

ん???

重心が上がる、かかりがあった。

一旦降りることに。
次の便で突っ込むであろうことを考え
着地確認のため、備えて飛び降りる。

着地、かなり衝撃は強いがちゃんとランディングの良いところに落ちれたら大丈夫。

一旦上に回り込み、先ほどのかかりを確認する。
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上からでは何もわからなかった。
とりあえず長いブラシを使い、表面についた苔を落とす努力はした。

少し休んで、仕留めに入る。
失敗=メンタル強打
どちらにせよ本日最終便であろう。
撮影を頼んだ。

完全なるイメージ、
その時間は実に短く、一瞬で終わった。

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乙女岩正面 完登。
白虎

思えばえらく時間が掛かったものだ。
近くにはv12クラスが数本存在し、それらも年単位で打った。
が、白虎のトライ期間はそれら以上に様々な葛藤があった。
(更紗は除く)

それら葛藤も、登れる時は案外呆気ないものだ。
今や葛藤していた欠片ですら思い出せない。

登れるものは登っておかねば…
限界値を明らかに下回っている課題は、
どれだけ情熱を込めようとも、相応の応えはくれない。

登ってから暫く経ったが、いつもみたいに湧き上がるものはあまりない。
課題の巡り会いは一期一会である。

色々書いたが、それでも私はこの課題を長らく想っていた事実は消えない。
怪我をしなくてよかった。