「鶴見岳★★2002」カテゴリーアーカイブ

帰省、セットと岩

3/12
午後より鶴見岳にて過去の課題整理。
電子データでトポを作り始める以前の課題は記録が浅い。
しかもここは2000年あたりの課題も結構あるため記憶も浅い。

とりあえず最奥より確認していったが結果から言うとグレードも結構いい加減なものが多かった。
というのも当時の限界グレード(初段あたり)はこの地で押し上げたのだから、我ながら仕方ない気もする。

途中、拉致して同行した若者も一本初登した。

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作業に飽きてきたころ、まだ触っていない岩を求めてエリア移動。
道中、微かに岩が見えたので車を適当に停め確認。
するとその岩はかなり上質なものであった。
残念なことに結構濡れていたが、とりあえずやってみることに。

どのラインもキーホールドが濡れていたが、
無理やり保持し、かろうじて一本登れた。

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v10クラスに感じたが、出だしで指先が湿気てしまうのでイマイチ正当な難易度はわからず。
とりあえず 時を駆けるオヤジ v9とする。

隣で平もv5あたりを一本初登していた。

夜は、もともと師匠と呑みの約束をしていたので実家に車を置き、電車で大分駅前へ。
じっくり二人で飲んだのはもしかしたら初めてかもしれない。
…と、思っていたがこの日も許容量を遥かに越えるほど飲み、何を話したか覚えてすらない。
ということは、以前一緒に飲んでいたとしても記憶には残っていないのだろう。

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3/13
本題のセットの日。
今回は本数が要求される内容。
作業の出来るサポートの人数が多く、さらに試登してもらえるメンバーがバラエティに富んでいたので非常に助かった。
あとはグレードとタイプ配分を事前にし、初期セットで偏ることなく準備できたので夕方からの作業も非常に上手くいった。最高な環境で、最高速度、時間にゆとりが出来たため、上級入り口の課題も準備することができた。
今回は本当に上手くいったと思う。
一つ残念なのが、外を見るたびに強く降り続ける雨、何度見ても雨、岩が濡れる……。

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夜はとても美味しい肉屋へ。
大分のクライマーや他のゲスト達と沢山話した。
少しでも刺激になれたなら幸いですが…。

3/14
久々にアルコールの残っていない朝を迎えた気がした。
が、道路は濡れている。
仕方ないので実家から数分の桜を見に行って、少し時間を潰し、岩へ。

案の定生乾き。
とりあえず1時間程度projectをトライし、何となくmoveをバラした。

夕方、少し登り足りなかったので、以前目をつけていた岩をやる。
少し高いが、v4程度なのでマットは車に置き、スタートマットだけもって歩く。
いざ取り付くと実に悪く、実に渋い。

moveが分かりにくい……。
仕方なく、着地覚悟で選択肢を削っていき、ようやくわかったころには日暮れ寸前。
そこからも一発では決めきれず…何とか時間ギリギリで登ることが出来た。

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カントリーロード v6程度であろうか。
充実したクライミングを達成したところで本日も無事終了。

常盤

2月、4連休が取れた。
どこかに行こうとも考えたが、イマイチピンとこない。
ということで、もう一度絶望岩と真剣に向き合うことに。
全く手応えを感じない今抱えているメインのprojectから逃げたいという気持ちも強かったのかもしれない。

〜絶望岩、それは一旦解決した。
18歳の頃よりトップアウトに憧れ、力の実る32歳までにやることを決め、2014年無事成功させたエトピリカというライン。
ただこの課題には続きがあった。

トップアウトしたものの、それはハングからは大きく逸れ、しかも背伸びでスタート。

18歳当時、見上げた時はこのラインしか見えなかったのだ。
エトピリカを登った時、カンテに逃げずハングを直登するラインが見えた。
ただそれはホールドと思われる地点を繋ぐと1手1手の距離がとても遠く、失敗したら大幅に振ら落ちる。
激しすぎるランディング…上部で落ちたとき、着地に成功する自信は全くない。

無意識に、次世代のラインだと諦めていた。

そもそも私の目標は達成されたので満足していたのだ。

2/13 4連休に入る前に可能性を予め偵察する事に。
天気は雨。
ホールドは見事に濡れていた。

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どうにもならないので作業、リップに回り込み上部を確認。
根と土を退かす。ここでホールドが悪ければ絶望的。
繋がるであろう真上にはホールドがなかった。
これで諦めはついたがどうせすることも無かったので、作業継続。
カンテと離れた右側に掛かるポイントを見つけた。
こいつを一回抑えれば、リップ奥のガバが狙えるかもしれない。
可能性があることはわかった。

とはいえ、ハング最後のホールドからは距離があり、さらには危険ポイントに突っ込むmoveとなるので気は進まない。とりあえず、連休は直登ではなくエトピリカのsdsをやることにした。

2/18 連休初日
雪解けでコンディションが心配されたが、かろうじてトライ出来る状態ではあった。
ただ氷柱が溶けた染み出しで下部はあまりコンディションが良くない。

とりあえず触りでハングのダイレクトをやってみることに。

エトピリカから、ハング中央にあるホールドを狙う。掛はどんなものなのか…。
数便で、足を残そうとしていては届かないことが分かった。
翌便からは足をきって狙う事に。
着地に慣れてきたところで捉える事に成功。
リップの例の掛かるポイントは…
足がシビアすぎ万が一のスリップが恐ろしく、思い切り行かざるえない距離であった。

とはいえ届くと判断。
カメラをまわし、仕留めに行く。

無事リップを捉えた。
少しだけマントルが悪かったが無事に完登。

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まさかこのハング直登を自ら初登するとは思わなかった。
こいつに出逢ってから、完登のイメージを抱いた事などなかったのでイマイチ実感がわかない。

頭の中にある絶望岩ではないものを登った気分。
納得というより消化できないまま、sdsのmoveを作る事にした。
ただ下部はまだ湿気ている。
中間部でのチョークアップは必須であった。
下部の強度は比較的強く、がっつり短強いボルダーチックな内容。
ガバなどないダメージを受け継ぐトラバースを経由しそのままダイレクトに入る。

回復出来ぬままのリスキーでダイナミックな2手は完全にメンタル勝負であった。

夕方まで攻めたが幾度も手が出せぬまま降り続ける事を繰り返し、この日を諦めた。
ただ、翌日は雨予報。
準備し直して来ることを決め撤収。

その日の夜、数分おきに天気予報をチェック。
その際、登りたいんだ という気持ちに気付いた。
そりゃそうであろう。
思い焦がれた岩の完璧なラインに王手がかかっているのだ。

漸くその意味が実感したその瞬間から突然緊張し始めた。
寝つきに悪いまま夜を過ごす。

2/19 早朝よりエリアに入る。
想定外の出来事が。

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氷柱が溶け、さらに染み出している。
下部はキーホールドの二つが壊滅的。
予報は午後から雨。
レーダーをチェックし直すと12:00までは何とか持つことが分かった。

ギリギリまで乾きを待つ事にし、その機に登ることを決めた。

上部で感覚を研ぎ澄ますために柔らかいシューズ、左はvxiを選定。
下部の右フックは濡れたコンディションのなかでも成功したvsを。

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時が経つにつれ、乾いてくる。
ただどうしても乾きそうにない箇所があったのでmoveを作り直す。
乾いているholdで何とかなる事が分かった。
これで準備完了。
強度はv12程度、条件は、ラスト2手で絶対安定体制を残せる余力を残す事。

今日はまだほぼフレッシュ、機さえ逃さねば登れる。
メンタル勝負。

12:00 まだ太陽は見える。
回復を待つ。

13:00 一面雲で覆われた。
やる事に。一登。

練習の成果、下部は完璧、チョークアップまで計算通り。
上部、何度やっても一手出す前は躊躇する。
3度までの躊躇をイメージしていたので3度目で飛び出し成功。

リップ取りmoveを変えており、力が残っていれば成功するシーケンスを。
もちろん残っている。

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完登。

絶望岩で最も強烈なラインが完成した。
そして私にとっても過去最高のクライミングが出来た。

プラスティッククライマーと呼ばれた過去、現に今でも傾斜のある面一のクライミングが得意な私のスタイルにもぴったり、そして環境は岩場の経験値を要求される、これまでの集大を成す機会を突然得た。

これ以上に難しい課題も残してきたが、こいつ程衝撃的な課題は過去に存在しない。
この課題は、今後是非とも多くの人にやってもらいたい。

それは幾年も先のクライマー達にも…。

名を 常盤 とする。
大分最大のデパートTokiwaからであるが、あえて不変な岩という意味の 常盤 という字を使わせて貰う。
グレードはv12。

雨が降るまで余韻に浸ろうと思ったが、1時間経っても降ってこない。
諦めて帰る。

随分高いところにある雲を見て、少し勿体なくなり、
高原で日暮れまで登って撤収。

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動画は常盤とゆふ山麓のボルダー。