10月10日
粛々とアップをこなし山に入る。
少しだけ慣れてきた山道を歩く。岩を前にしホールドを磨き、トライ開始。
正午前、核心の一手が止まった。
そして無事に登りきる。
hallelujah(ハレルヤ) v13(四/五段)初登
ようやく最上級を更新できた様に思う。ニライカナイを登って3年ちょっと。あれから、難しい課題は度々更新したものの素晴らしい岩を登れたかと問うと、即答出来ずにいた。
圧倒的な存在感を保持するニライカナイ、それと比べると巨石の脇に潜むハレルヤは見劣りすると言えるかもしれない。
しかしながら、巨石の脇にまわり込みこの岩の存在に気づきさえすれば、見上げた瞬間見惚れること間違いなし。岩とラインの美しさは最上級。その上で、初手からボルダリングらしい強度の高い動きを要求してくる。最高じゃないか。
登攀対象として見上げたとき、突然気になりだすのは後ろに広がる斜面。共に対峙したクライマー達は往々にしてドン引きしていた。もちろん私もはじめはそうだった。
通うに連れ静かに慣れていき、いつの間にか気にならなくなった。
余韻に浸っていると、防災無線チャイムが鳴った。正午だ。昼過ぎにクライマーと麓で待ち合わせをしている。慌てて荷物を片付け、山を後にした。
トライできた時間こそ短かったものの、一人で対峙した時間と同じくらい仲間と一緒にこの岩を見上げた。タイミングが良かったのだと思う。もちろん案内してくれたブチ氏と並び、この岩を見上げたことも。
トライできた日もできなかった日も、かけがえのないひと時だったように思う。プレッシャーにやられ情緒不安定な瞬間も度々あり、そんな私のトライに付き合ってもらえた事に感謝。
ハレルヤの初登。ひとつの節目ではあるが登りたい岩はまだ尽きない。のんびり通い続けたいと思う。またお付き合いいただければと。