よだかの星【前編】最難の最弱

夏の終わり、K夫婦の後ろを着いていき山を上る。

丘を越え斜面を見下ろした時、美しいハングが見えた。興奮しすぐさま駆け寄る。

期待通り、見た目通りの形状とホールドの並びに感動した。

エリア入り2日目に登ったcampanella V10(三段)はとてもよく、この岩最良かつ最難になると思われた。

良い課題はできたが、広いハングの魅力から離れられず、不可能であろうとも来るたびに眺めた。

ハング中央、リップから先どう見てもホールドがない。
とりあえずやってみることに。ど真ん中のピンチとポケットを使い、やや背伸びをして取り付く。
リップ入口にピンチカチがあることは見えていたので、そこまでは予定通り動く。次の一手はリップはるか先へ。膨らみめがけ適当に手を出したところにまさかのカチが。

とりあえず足を思いきりあげ身体を持ち上げると浅いポケットが見えた。保持する。ちょうどいい悪さだ。うまく使いスラブ面に立ち上がりそのままトップアウト。

オンサイト初登。

なんとブランクに見えていたパートは成立していた。

となると、岩の付け根からここに繋がるラインはないのか。。。

探してみると木で覆われていたセクションにホールドが!
evil hawkのスタートから右に流れるように繋がっているではないか。

興奮してすぐさまトライ開始。明らかなる可能性を感じた。

10月8日 二日酔いの中、トライしてみる。すると偶然ながら核心突破。

全てが出来た。

ホールドの配列に無駄がない。

岩の取り付きからリップまで、蛇行しながら弱点をつく。
美しいラインだ。あとは人が登れば完成。

10月15日

アクシデント、キーホールドが欠損。内容に変化こそないものの難易度は下がった。

(続)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください