金華山の旅

11月22日、旅に出る。向かうは宮城。

元々は翌23日に行われる金華山復興支援イベントに参加する事が目的であったのだが、21日の夜、雨で中止という連絡をもらう。とはいえずっと気になっていた金華山、見るだけ見たいと思っていたところ、イベントの指揮をとっている特定非営利活動法人FAJの村上さんが案内してくれるという事で、ご厚意に甘えいざ決行することに。

※FAJはクライマーだからこそできる震災復興を目的とし活動している組織。

正午過ぎ、仙台にあるFAJの事務所にて村上さんと合流。そのままエリアのある石巻まで乗せて頂いた。私は旅に出る際、そもそも下調べなどほとんどしない。よって当日困ることが多く、それらに比べると今回は非常に楽させて頂き、もはやこの時点で感謝してもしきれない。
道中、石巻の話やエリアの話、震災や復興の話、活動の話などを聞かせて頂いた。

夕方、石巻に到着。震災の痕跡が見えた。
九州でも近年酷い災害が続き、復興まで膨大な時間を要する事はわかっていたが、やはりいざ目の当たりにすると、言い尽くせない感情が恐ろしい程湧いて出てくる。

感情を整理できぬままいると、牡鹿総合支所に着いた。どうやら支所長と打ち合わせらしい。私は待機するものだと勝手にぼっとしていたら、せっかくだからと声をかけて頂き、同行させて頂いた。そのまま復興応援隊(正式名称を忘却…とても素晴らしい活動をしているのに失礼。。。)の方々とも同席させて頂き、今後の復興ビジョンの中にクライミングが関わっている事を知った。
内容は私が書くことではないので省くが、私自身とても良い経験をすることが出来た。

支所からでるともはや陽がない。
「日暮れはや!そして暗!」
思わず口に出た。やはりここは九州ではない。

夜、おしかのれん街にて牡鹿名物を食す。何て美味しいのだろう、これはリピートしたい。

その後、民宿へ。ここで飲み過ぎ記憶をなくして初日を終える。

11月23日、起きて迷わずカーテンを開ける。
雨。
そのうち晴れてくれるだろう。美味しい朝食をいただきフェリー乗り場へ。
相変わらず雨は降っているがどうやらフェリーは出るらしく、金華山には行けるようだ。

船には比較的慣れていると思っていたが、とても揺れた。
なんだかフラフラする。
でもよくよく考えたら朝民宿を出るときも足がもつれた。これは船酔いなのか二日酔いなのか……。

〜そもそも私は何故金華山に興味が湧いたのだろうか。
宝島というどっかの島に転がる岩を登っている写真がとても美しく、いつか行ってみたいと思ったのは覚えている。
岩がある事は確実だが、課題の情報はほぼない島でのボルダリング、想像的でワクワクする。
縁あって去年の年末、旅先岡山でFAJのメンバーと出逢う事ができ、半年に一回のイベントを行っている事を知った。これは絶対に行きたいと思い、イベントがある日程が予めわかれば教えて欲しいとお願いし、今回の旅に至った訳だ。

昼前、島に着く。天気は雨。クライミングは諦めた。

エリアまでは遊歩道を歩いて行く訳だが、震災や度重なる台風の被害で荒れていた。どちらにせよ普段通っているどのエリアのアプローチよりははるかに歩きやすく、島の壮大なロケーションも相まって、飽きる事はないどころかとても気持ちが良かった。

エリアに着くが雨。
岩は手頃で面白そう。
色んなラインが出来そう。


我慢出来ずに結局登る。

完全に濡れた岩の登り方をはじめ忘れており、少し苦戦したが徐々に慣れて来た。
そんなところで時間切れ。岩に触れただけでも良かったと思うことにした。
少し急ぎ足でフェリー乗り場まで歩き、定刻、島を出た。

〜そもそもこのフェリー、実は観光用ではなく参拝用なのだ。ということで、週に2便しか出ておらずクライミングを行うのは上手く工夫せねばならない。
逆にいえば、750年の歴史を誇る黄金山神社が離島にも関わらず多くの人を呼ぶ。島に立ち、気づいたがこの壮大な環境は登らなくとも訪れるだけで価値はある。そこに歴史ある神社があるとすれば自然と興味も湧く。


帰りのフェリーで見た西の空には晴れ間が広がっていた。また来よう。

夜、ありがたい事にまたまた仙台まで送って頂き、ホテルにチェックインを済ませ、またまた仙台名物を食し就寝。

11月24日、遅めにホテルを出て、オススメのジムを聞いていたのでトレーニングを兼ねて出向く。
雰囲気は我が第2の故郷ボル天に似ており、懐かしくも私の居場所を感じた。
結局ボルダーしかしていないのだが、課題がとても丁寧に作られており楽しく登ることが出来た。

夕方の飛行機で仙台を発つ。


FAJ代表 村上様や仲間の皆様、この機会をサポートして頂いたミカさん、留守を守ってくれていたスタッフや常連方、本当にありがとうございました。

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