「RockPath」カテゴリーアーカイブ

由布山麓、久遠の美とハンナ

広い草原に一個だけしかない岩。

高校卒業してすぐに登った「久遠の美」は当時にしてよく登ったと思う。

昔は物足りなく感じていたが、今思えばむしろ良い。

広大な大地にシンボルとなる岩が一つ。
それぞれの面に特徴的な一本がある。
何より結構デカい。

この岩が好きで、帰省の際特にやりたい岩がないときは決まってここに立ち寄った。

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見上げるだけでテンション上がるホールドのない綺麗なフェイス。
ある日、たるい両カンテを抑え込めばラインになるのでは?とうっすら空想描き2019年秋に実現。

ハンナ /2019年11月初登

10数年存在を認識できなかったものが、いざ全てのピースが揃った時点で明瞭に浮かび上がる不思議。登れてわかるその質の高さ。身近にこんなパーフェクトラインが残っていたとは。

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昨秋も見上げた正面のフェイス。
未知、そして未登ではなくなった今、訪れる理由がひとつなくなったわけだけど…だからといって行かなくなるわけではないんだなと。この地が大好きなんだと思う。地元の大事な岩。

 

 

VSRLVとXT所感

2025年3月発売スカルパの新シューズ、

インスティンクトシリーズ、インスティンクトVSRLV

ドラゴシリーズ、ドラゴXT

送ってもらい2週間履いてみました!簡単な所感です。サイズ感などは私は他のシリーズの変わらず。最近vivoとサーチン履き込んでおり、足が仕上がってきたので足アーチを保ったまま履きたいということで1サイズあげたものを送ってもらいました。

無垢/指切拳万

観音projectに通う日々の中で…
move精度が増していく。と共に新たなラインも増えていく。

天真爛漫の裏のルーフに下地ができた今年、新たなラインが誕生した。

ー 無垢 三段 2025年11月初登 ー


同日登ったもう一つのライン。

小さなルーフの中にえぐすぎるポケット二つ。いつも〆にやっていたが一向に登れず3年。どうせ5トライで指かわが裂ける。この日はポケットのコンディションがよくうまくいった。

ー 指切拳万 三段 同日初登 ー

12月に入り突然寒くなった。良い気候だ。
いよいよ全て終わる。

観音project…

ー 観音岩下project ー

通い詰めた3年前。
メインどころをやる合間にこのprojectもトライはしていたけれど登れる気配は一切なく。

それでもあまりに格好良いラインに半ば惚れ込みとりあえずトライ。
このエリアで最も負荷の高いmoveが4連続する。もちろん一手もできない。

 


2025年夏
久々立ち寄り少しだけやる。moveこそできなかったが姿勢はあらかた理解でき、秋のメインプロジェクトにいくまでの間、通ってみることに。

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秋がなかなか訪れずこいつとの付き合いも長くなってきた。そして全てのmoveが完成。いつのまにかこいつが私のメインプロジェクトになってしまった。

 


11月 秋の終わり

気温は低かったが湿度はまだ高い。ベストとは言えないこの気候で、なんと最後の一手まで攻めることに成功した。冬になれば勝負になる、冬を待った。

そして12月

勝負をかける。そう決め出向くたびにトラブル発生。どうでもいい場所でネズミ取りに引っかかったりタイヤがバーストしたりと…結局、気は訪れることなく。

 

久留米絣とじゃらし工房

久留米絣のチョークバック、joy店頭にて。
作成/じゃらし工房 @


我が拠点、筑後地方の重要無形文化財である伝統技法にて織られた”久留米絣”
その風合いは日本の風土に溶け込む。

久留米絣/

糸一本一本を部分的に染め、それを織り込むことで出来上がる木綿。

生地を染めるのではないため糸の染めから設計が必要になる。そのため30を超える工程は経て出来上がる。糸一本一本を大切に仕上げているため、織りあがった木綿は独特の強さと柔らかさがあり其々にオリジナリティが溢れる。

織物それぞれの個性/

この地に活きるたくさんの織物。コロナ禍に身分もしれない一クライマーに懇切丁寧に工程を紹介してくれたのは野村織物。出来上がった作品は温故知新そのもので想いが伝染してきます。

じゃらし工房のチョークバック/

素材を活かすためのクリエイター。セットもそうですがどれだけ物がよくても各人連携がとれていないと「場」に馴染んだものはできないと思います。私はロッククライマー、主役はあくまで自然だと思っています。私らの声を聞いてくれそれを形にしてくれるもの、それがじゃらし工房だと考えています。

個人感と質/

性能に関しては…初期のものはまだまだ荒削りでしたが5年経ち今のラインナップは比較的安定していると思います。…安定を自覚してしまうのが嫌いな私…。最近は今一度ぶっ壊したい気がしてて……。ということで今の形の最上といえるバランスはこれが最後かも😂是非とも手にとってもらえたらと。

 

久留米絣と私とじゃらし工房、試行錯誤は続きますがまったりと歩んでいきたいと思います。来年度、4月からもよろしくお願いします。

じゃらし工房 プランナー 田嶋一平