梅雨前、ふと思い出し庭先岩へ。
2014年に風林火山V10を完成させるわけだが、その課題はハング中のかなり悪いポケットから背伸びスタートではじまる。
ハングの付け根にシットダウンではじめれる明瞭な大穴があり、そこから抜けまでホールドが続いていることは当初から気づいていた。
ただ、歯がたたなすぎてその時出来たのが風林火山だ。
もちろん風林火山完成後、完全体もトライしたが全然勝負にならなかった。
(写真 風林火山初登時のもの)
久々にやったその課題、どんなものかワクワクしながら取り付き、その日の内に全moveが出来た。
推定V13。
秋に入っての本格トライに向け、梅雨明けからmove練習するために通うことにした。
夏中に二回。
10月に入っていざ勝負すべく機を待ったが長雨で行く事すら出来ず。
一度だけ行けたその日も気温28度と、条件は悪かった。
短いハングながら手数にして15手、継続して続く悪さに対し気温が高すぎる。
スローピーなリップ帯に突入する前になんとしてもチョークアップしておきたいと、
色々試したが何をやっても駄目。
諦めて突っ込むがそれでも駄目。
この日は諦める。
〜11月2日
ようやく乾いているこの岩を見ることができた。
ただ気温はどうやら25度近く上がるらしい。
アップで風林火山をやって、いざ勝負。
調子が上がってきた3便目で初めて最大核心のスロット狙いのクライムダウンに成功した。
ここから足ブラに耐える、右手のたるいリップは抜けなかった。
しかし何故か左手のスロットがすっぽ抜けた。
落ちる。
落胆がないと言えば嘘になるが、それよりも勝機を見出せた興奮の方が大きかった。
早く登りたい…気温もあがってくる……
少し焦ってしまった。
休憩時間30分で次の便、全く回復していなかった。
この便で力を使い果たし、それ以降どれだけ休んでもいいトライはなかった。
シーズンのはじまりは、毎度思うが勝負勘が鈍っている。
勝機に満ちていた一日だっただけに4便目のミスは良い教訓となった。
〜11月6日、晴れが続く。
流石に推定V13,勝機の見える課題にしてもプレッシャーが半端ない。
登れない可能性も高く、道中そわそわしてしまう。
この日の予想最高気温は23度。
アップし1便目、スロットに指が入らず落ちる
そこまで寄れてはいないが攻めて7便くらいは出したいので40分近く休み、2便目。
スロットに指が入らず落ちる。
…前回散々寄れている状態でもこのスロットどりまでは数度到達したのだが。
ふと、右手側のフレアしたクラックに親指突っ込んで拳を握ろうとするとガストン気味には効くのを発見した。
試しにバラしでやってみるとかなり良い。
風林火山のパートのmoveは思考の余地なしと勝手に思い込んでいた。
これで確立の悪いスロットどりをせずに最大核心の足ブラに突入出来る。
勝機は大幅に増した気がし、気持ちにも余裕が出来た。
一応1時間程度休み、翌便。
心、軽快に取り付く。
フラレもジャムがバチ効きで、落ちる気がしなかった。
風林火山で悩まされたマントル突入前、一瞬躊躇った。
予定以上によれている。
とはいえ、これ以上の苦しさは何度も経験している。
能力内だと直感し休まず、突っ込む。
無事に完登。
迦具夜比売命(カグヤヒメノミコト)V12
当初はV13だと思っていたし、勝機を見出してからもずっと際どい勝負だと感じていた。
それがジャムの発見でメンタル的にかなり安定、と考えるとグレードはV12が妥当であろう。
残念だが仕方ない。
これで私は当分訪れることはなさそうなので、いつもクールダウンでやっていた側面のprojectをやる。
迦具夜比売命用にとっていた7便分の体力中4便分が残っていたので出し惜しみなく使い、登りきった。
火鼠ノ衣V10
民家の庭先にあるこの岩。
すぐ前を通って岩に行き、作業しているすぐ横で岩を登る。
執拗に通う中で、時折声をかけてくれ…
気遣いの言葉も頂き…
他の岩をも教えてくれたりと…。
感謝しかない。
ロケーションはマニアック過ぎるが、そんなところも含めてとても大好きな岩でした。
撤収。
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