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マリーゴールド low start 初登

雨が続く。
梅雨前に一度しっかり向き合いたい。感覚薄れぬよう。

5月9日 ー2日目ー

案の定湿気を感じ、マリーゴールドのランジの精度は50%ほど。下部も良くはないが意外と精度は悪くない。

来た以上、感覚を高めるためにも狙う。どうせ当分指皮もいらない。1トライごと全力で握る。

1トライ目、突然の勝機を焦って逃す。
下部を完璧な形で突破できマリーゴールドの一手を有効に出せた。驚きでキャッチが甘くなり機を逃してしまった。

チャンスはある。

2トライ目は力を抜きすぎ下部を突破できず。やっぱり易しくない。
3トライ目、4トライ目はランジで落ちた。
そもそも今日はマリーゴールドの精度自体が50%なのだから頑張っている方だ。

 


初手のポッケがエグく左薬指の関節が痛くなってきた。

5トライ目、初手が甘く入り必死に握り返したがその瞬間パキッたのを感じた。どうせ次はないので降りずにそのまま通す。案の定2手目も浅くなるが、ここをしっかり決めておかねばマリーゴールドの一手はでない。

3手目を成功させた後、右手を握り返し、いつも以上に姿勢を整えランジに入る。結果この一手間が良かったのだと思う。かつてないほどポケットがミート。

その後も落ちそうだったが必死に堪え右手がリップにかかった瞬間、心より安堵した。


マリーゴールド (low start)

 

綺麗な面のなか必要最小に空いた穴がまた美しさを引き立たせる。
トロイメライ以来の完璧なラインだと思う。

なのに全然実感が湧かない。
登れるまでは感動が保証された登攀になると思っていた。登れてしばらく待ったがずっといつもと変わらない時間が流れているだけだった。

どれだけ素晴らしい岩を登ったとしても感動するとは限らない。挑む過程で自信が感動を受け入れる準備をしていかねば何も起こらない。熱を込めれる対象に全力で熱を。

 


周辺をざっと整理し撤収。
岩もそこまで多くないので秋に軽くまとめて表に出したい。

*

ちなみにこの時痛めた左薬指は未だ痛く、6mmカチ以下のプレートは保持できない。秋までにはリハビリまで終えておきたい。

Mary gold1|マリーゴールドの季節

美しすぎる面一の壁、ラインなんて存在しないと思った。
近づき気付くポケットの存在。

ラインになっていたら奇跡だ。

***

2022年8月 延岡帰り

下部は無数にポッケが散らばっているが、上部はリップまで空いた穴はひとつ。
果たして…

「そのポケットまで到達できるのか?」
「そのポケットからリップまで届くのか?」

検証。

ポッケをランジで狙う。
勢いに上手く身体が乗ってきて距離が出る。

ポッケに指が入り可能だと確信した。
そして、背伸びスタートにて

[ マリーゴールド 三段 ]

*

同月、何日か通う。

パーフェクトラインへ道はそんなに甘くなかった。

可能だと見込んでいた下部が想像以上に悪く大苦戦。マリーゴールドへの一手までわずか3手ほどだがその全てが悪い。繋がる気配は微塵も感じられずその季節を終えた。

***

2024年 春が終わった。マリーゴールドの季節だ。
標高のあるこの地は4月からが良い。ベストとなる秋に向けて。

2024年4月11日ー初日

雨上がりで岩は湿気ていた。それでも感触は良くマリーゴールドのランジは7割方とまる。2年前、あれほど苦戦した下部もムーブごとの精度は100%近い。

狙えると感じたものの、自分も岩も万全ではなかったので次機へ。

マリーゴールド初登、そして

美しい森の中に聳えるバルジ。
夏の間にしばらく通い、秋に登ったダリア。

dahlia 初登

孤高の岩Dahlia初登

そのトライの帰りにやっていた綺麗なフェイス。
このフェイスも実によかったのだけど、ダリアが登れてからはめっきり来ることがなくなった。


3年が経過したとある夏の日の出張帰り。

前日に降った酷い雨のせいで目当ての岩に振られ続け、流れに流れこの地まで。
改めて可能性はどうかと見上げたフェイス。

やはり美しくも成っている気がした。そしてなんと岩は乾いていた。ならばやるべきだと。


スパッと切れおちた綺麗なフェイス、背伸びしてギリギリ届く位置にあるポケットから離陸。見上げればひとつだけ空いたポケット。そんなものを必死に狙う。

夕方の店番までには帰らねばならない。
届きそうにない気もしたけど…短期集中。

時間がないことが返って良かったのかもしれない。

マリーゴールド v11 fa (2022/8/2)

スタートの真下にもいくつかポケットが空いており、ロースタートの可能性も感じたが一切触る時間はなく撤収。


その後…標高1000mの涼しさが忘れられず、この夏さらに2度ほど訪れた。

初日のマリーゴールドを登った日はどうやらコンディションが良かったらしく、他の日はずっと湿気っていた。

マリーゴールドの再登もならず、本当に登ったのだろうか?というくらい難しく感じた。それでも下部のシーケンスは全て解析し終え次に繋げた。

またいい季節に。

            マリーゴールド動画                   

孤高の岩Dahlia初登

覚悟は決まった。
きっと過去登ってきた岩の方がやばい。大丈夫だ。

10月28日
高原の駐車場でストレッチ。

満ちたところで森に入る。
リップに溜まった落ち葉を落とし、マットを敷き、アップをする。

準備が整い1便目、

前回出せなかった一手が出せた。核心に入った。もう引き返せない。地面に着くのは、落ちた時のみ。怪我はしないと思うが覚悟はいった。

ラストムーブ、たるいリップに左足を上げ乗り越し。

無事一連を乗りきった。興奮のあまりスラブを走る。
スリップし一瞬冷やっとしたが右手のガバキャッチが一瞬早かった。

「Dahlia v12/四段」初登

凄い岩だと思う。
偉大さや美しさは過去登ってきた岩が勝ると思う。ただこの岩はこの空間含め独特の存在感がある。
手頃に見えて手頃じゃない感じ。
偉大に見えて案外身近にある感じ。

ツンデレ具合が丁度いいと思う。
「ハレルヤ」を除けば間違いなく今年一。と、長くなりそうなので今日はこんなところで。詳しい話はまたの機会に。

〜終わった。
僅か30分の出来事であった。

周辺の岩を少しだけ登り、今日は休むことにした。

Dahlia(トライ)

8月、ふと思い出した岩の存在を確認に。
過去に一度見上げたその岩は、今の私に丁度良かった。

リップの苔と荒れた下地整備に半日費やした。

9月

出張帰りに少しだけトライ。

核心はたるいリップからマントルにかけてだと思っていたが、リップまでの数手も悪いことがわかった。型だけでもつくっておきたかったが、結局リップ手前のポケットに手が出せず時間切れ。

10月21日
満を持して再訪したつもりだった。

考えが甘かった。前回トライした感じ、問題のポケットを捉えたら登れるだろうと思っていた。それが間違いで…核心はそこからであった、はじめ見た時の印象通り。

かなりたるいリップへの一手はどうしても捨て身デッドになる。ブラインドとなるシワを感覚で狙う。ランディング的に絶対に抑えねばならない。捉えたとしても渋いmoveが2手入ってからのマントル。

準備ができていなかった。時間はあったがメンタル的敗退。