「唐津伊岐佐通谷」カテゴリーアーカイブ

伊岐佐川に点在するボルダー。ボルダリングエリアとして調整。

コケタロウの記憶

尖った風貌、
尖った内容、
その割に人を寄せ付けるその岩そのラインはまるで、
最近居なくなった野良猫のようだった。


3月の終わり、
どうしてもまとまった時間が作れず強行した夜、クリ初登の秋太郎V8を登った。

その時、中央のラインが気になり取り付くものの疲労困憊で全く勝負にならず。動きの形だけ作って撤収。

〜4月初旬
目的の岩は濡れていた。1時間かけてリップの掃除を済ませたが取り付ける状態ではなかったので、秋太郎中央projectをやる。

初めは乗り気ではなかったが、やればやるほどmoveの面白さにハマる。
気づけば夢中になっていた。

中間部の強烈なmoveは実に面白い。

それなりに高さもあり安定しづらい上部の秋太郎パート、
やり込むとポジションを上手く決めればそこまで恐怖を感じずに済むことがわかった。

よく出来ている。

1時間程度やったところで無事に登ることが出来た。
内容、風貌から名をコケタロウ
グレードをV10とする。

その後、仲間の登った課題を登り日暮れまで過ごした。

濡れたカンテ

それなりに酒を飲んだ翌朝、雨はまだ降っていなかった。
岩へ出向く。
着くと地面は濡れており岩も湿気ていた。

とはいえ触れない程ではないので、前回適当に掃除していた岩をやる。

リップ付近、持ちどころがイマイチはっきりせずさらに組み合わせも難解でシーケンスがわかるまでかなり時間がかかった。
上部がわかったところで下をやるが、悪い!とりあえず本気で悪い!!
v9程度のつもりでやりはじめたがこの湿気で勝負になる岩ではなかった。

コンディションものだとはわかっていたが、どうにかなると思い取り付いた。
どうにもならず。
最近岩の上に立ってなかったので登りたかったが…。

雨も降り出し撤退。登り足りなかったので登れる岩を探す。
いくつか登れたものの濡れた岩に思いっきり指皮消耗、
今年はイマイチコンディションが合わない。

Super Magical Slot V10

1月29日

雪が舞う中岩へ。というより予報よりも天気が悪い…。
路面ぐしゃぐしゃ、目的の岩もびちゃびちゃ。

仕方なく掃除だけ済ませた。
掃除しながらも指が悴む。
とても寒く、流れる水すら凍っていた。

掃除が終わった頃、小雪が吹雪になる。このまま帰るのも馬鹿らしいのでMagical slotのロースタートをやる。
バラしで問題のスロットにデッドしたら無抵抗に落ちる。
濡れ過ぎ……とりあえずタオル詰め込む。湿気が多少引くまで下部のmoveを作り繋げに入る。

この難易度は実に楽しい!
ストレスを感じる事なくトライし、暫くして無事登れた。

リップが濡れ過ぎてて落ちるかと思ったが…。

SuperMagicalSlot V10

その後、半乾きの一刀両断岩を冷やかし撤収。
実に楽しい。

山と海

大晦日の話に一旦戻る。

関東のクライマーの案内を兼ねて、福岡近郊のエリアへ。
予報以上に悪天、朝まで雨が降った。

夜そこまで降っていなければ般若などは登れるので(夏から雨の多い初秋に通っていた事もあるが、そもそも完全に乾いた般若を見たことがない。逆に完全に濡れている般若を見た覚えもなかった)とりあえず偵察。

結果、びしゃびしゃだった…。

まぁ、そりゃそうか。
気を取り直して一刀両断岩。何と登れる。

ということでみんなで快刀乱麻 三段をやることに。

ゲストはもちろん良い登りで下部突破したが、まさかクリムも数便で突破するとは思わなかった。
というか、それなら発見時初登しておけば良かったのでは……(第1発見はクリム、あほたん)
見出す力をワンランクあげてもらえたらもっともっと開拓戦力になるので乞うご期待。
下部パートは少しパズル要素のあるV8/9,上部は根性かジャム、トータルでV10。整った道筋だ。

昼過ぎからは海。

こんな穏やかな海は久々だ。気持ちが良い。
体調が悪いといっていたダータカも登り残していた課題を2本完登。

ゲストもthe roof V10をねじ伏せ!これまた最高の登りでした。
後は既存のボルダリングらしい課題をみんなで遊んで解散。

私も登りたい衝動に駆られたが、指皮温存に努める。
その甲斐虚しく、翌日無残に散った話は前記事参照……。

実は初めてあったゲスト(もしかしたら金峰で過去会っているかもしれないが…)
とても気持ちの良いクライマーであった。
次回は同志として同じ岩を攻めれたら最高なので、それまでにストレスのかかる岩達を何とか登り尽くしておきたい。

快刀乱麻 三段

11月末、
仲間が見つけた岩に出向く。
その岩はとても美しかった。
岩を上下分けるかのごとく、中央に走るか細いクラックが特徴的だったので一刀両断岩と呼ぶことにした。

さてどこを登るか、弱点が見えない。ひとまず一刀両断クラックの上は中央に顕著なクラックがある。
そこを掃除することにした。土が詰まっていそうだったので、流石にロープを使う。
案の定、そこそこ時間がかかってしまったがそれなりに綺麗になった。
ホールドは見た目以上に悪い。もしかしたら上部は2級(このエリアは開拓者の希望により級段式)以上あるかもしれない。
落ちたくない高さだけに多少緊張は強いられるだろう。

夕方、下部をやる。
顕著な弱点がないので登れそうなところで離陸し、行き詰まってラインを変える。そんな作業を繰り返し、指の皮をズタズタにした。特に成果はなく、ラインすら分からないままこの岩を後に。

流石にこれだけだと不完全燃焼、移動しmagical slotの左のバリエーションをやるがキーホールドが濡れており苦戦。
敗退などしてられないとムキになってしまい帰るタイミングを失った。
日暮れまでかかったが、かろうじて登ることに成功。

大黒天 二段とした。
夕方見た光景に秋の終わりを感じた。

12月14日
一刀両断岩、どこをやろうか迷った。
前回中央周辺で痛い目にあったので右端から、一刀両断クラックを横断しようと試みるがそもそも出だしのランディングが悪すぎて、というより下地はなく落ちたらそのまま下の斜面に転がるの突っ込みきれず諦める。

結局、中央。

初手、真上にカチがある。前回と手順を変え左手で無理矢理出すことに。不可能と思ったその一手はすぐに成功し次、右の見えるガバまでランジ。
かなり遠い…とりあえず捨て身。

やりこむうちに渋い右足フットホールドに体重を掛けれるようになる。
徐々に到達高度も上がる。

とまった!
と思ったらまさかのガバではない!
そのまま無抵抗に落ちる。

唖然……ガバじゃないんか。

とはいえ動作も安定しだし、このトライで効きも分かった。数便でとまる気はした。
次の便、指の温度が上がりすぎて結露ですっぽ抜け。
暫く休み次の便、とらえることに成功。

あとはガンガン行きたいが足場が異常に悪い。
突っ込みきれず一手一手の時間がかかってしまいパンプ。
それでも行くしかないので、慎重に進む。

クラックパート、感覚が鈍っておりジャムが決めきれない。
迷っている暇はないのでガストン気味に効かせ最悪、指先の保持に保険を託し突っ込む。
かろうじて突破しリップにあった枯れた木に抱きつく。

結構やばかった。
久々に落ちる可能性を感じながら突っ込んだ。

今回は無事登りきれて良かったが、次ここを通る時はしっかりとイメージして行こうと反省。
名は 快刀乱麻 グレードは三段。

その後、指皮やられるまで左のラインを攻め撤収。