「コヤ竹林(再調整中)」カテゴリーアーカイブ

20年前、そして10年前の開拓で9割は終わったエリア。遺産を継承すべく交渉…0から1へ。

P岩正面開拓

入口から一番近いP岩。
やさしい課題が並ぶのはいいが、腐った竹や藪に覆われ不快指数max。

さらに、リップには泥が溜まりトップアウトなど出来る状態ではなかった。
↓春のトライ。

その後、他の岩と同時進行で少しづつ整備。

梅雨に入り、森林香がなければ滞在不能な程虫が増えた。

6月4日
正面と左側面のライン確認。

改めて登ってみたが昔からある課題はどれも味があり面白かった。
ただもう少し掃除がいる。

いくつか新たに登ったバリエーションの中には難しいものもあったが、大して面白くはない。

P岩はまだ右側面が丸々残っておりもう少し時間がかかりそうだが、
仲間たちが数日かけて奥へ続く道を作ってくれたお陰で他の岩は比較的早く終わりそうだ。

駐車スペースとC岩

4/12
岩場整備に入る。
着くと周辺の草が一掃されていた。

確かに前回地元の方と話したとき、草刈っとくからここに車停めりと言ってくれていた。

実際に車一台分のスペースが綺麗に…。
あれから特に何を言うでもなく、来たら本当綺麗に……。

格好良すぎる。
感謝、本当に感謝。
(その後来たときはさらに綺麗になっていた…後日記載。)
ありがたく使わせてもらい作業開始。

この日は奥から整備。前回来たとき何となく段取りはたてていた。

アプローチをざっくり整備し誰もがわかるように。その後岩の周辺整備とリップ掃除。

だいぶ綺麗になったところで過去の課題の掘り起こし。
c岩中心にやる。1990年代の課題はわかりやすくすぐに終わる。問題は2000年代の課題。
とりあえず出来そうなところを片っ端から登る、その後トポと照合すると案外さっくりと終わった。

丁度時間切れなのでここまでで終わったが、まだまだまだまだやらないといけないことは山積みだ。

王蟲

王蟲

ずっとそこに在った岩。

かつて、
その岩に見下されていたことにも気付かず、
ただその下を通り過ぎていた。

15年の歳月が過ぎし今、ようやくその岩を見上げる。


コヤ竹林、エリアについては先に書いた通り。
手前の方を地元の方と一緒に探索した後は、マットを担いでエリア入り。

過去に殆どの岩が登られているものの、その痕跡は僅かに残っている程度で…
アプローチは竹と倒木に覆われ、岩の上は土、蔦、枯葉に覆われていた。

倒木を避けながら奥に進む。するといきなりバカでかい岩が現れる。

7m弱の船首状ハングを正面に構えるそいつは、
とても威圧的で魅力的であった。


かつて素通りしていたその岩。
見上げるのに、随分と月日を要した。

後で聞いたのだが、先人たちは口を揃えたようにこの岩の存在について話していた。


さて、車には幸いmoonサターンが二枚積んである。
準備を済ませ、いざ対峙。
横の竹を登り、スイングして上部をばらす。

Holdがありそうでない…
仕方なく距離を稼ぐmoveを選ばざるを得ないのだが…
リップの尖って見える部分、そこはガバなのか?

あまりに怖いうえ、土が積もっていそうな気もしたので、苦肉の策だがロープを使えるか判断すべく上にまわる。

結果、駄目。

側面には1990年代にトップロープで登られた課題があるのでしっかりとした終了点用ボルトが打たれているのだが、こいつには打たれていなかった。

船首状になっているので、ロープも下げ辛い。
クライムダウンを決行、木の枝で枯葉と土と脆いホールドを落とした。
尖った部分は多分、ガバだ。

引き続き、上部をやる。

ヒールフックで体制を固めて、思いきって左手をリップに伸ばす。
ヒールが外れたら間違いなく吹っ飛ぶ。
流石に7m付近ですっぽ抜けフォールはやばすぎる…。

恐怖のmove、完全に理解はできていないが可能なことはわかった。
何度もここをやりたくないので、下部をやる。

Holdはどれもこれも中途半端に保持でき、組み合わせに苦戦。
内容自体も想像以上に難しく、2時間程度かけてかなりシンプルなシーケンスを作った。

いかに最後の一手に力を残せるか…様々なholdを無視することで強度は増すが手数を削った。

繋げる。
リップ手前のヒールまでは幾度となく到達したが、
怖すぎて思い切れず…。

ただ、その度に少しづつ良いポイントを発見することができ、登れるなと思ったその次の便で無事登ることが出来た。

王蟲 V10

若干脆いことを除けば、完璧な岩であり完璧なラインだと思う。
そして結果的に、今の私にとって完璧なスタイルで登ることが出来たと思う。

初、中級者向きのこのエリアにしてこの存在は異質なものだが、異質さがまた逆に味となれば。オフシーズンに何としても全体の整備できる準備をせねば。

夕方まで現状において可能な範囲で作業をし、撤収。

90中、0から1へ

1990年代中盤からトップロープ課題として登りはじめられたコヤの竹林の岩群。
その後一旦落ち着き2000年中盤、ボルダリングの対象として再注目された。

ただ諸事情によりクローズされ今に至る。

昨年末より、RockNaviメンバーや外部組織の数名に協力いただき、

観光協会、
入り組んだ地形の地権者の方達探しから挨拶、
そこで生活する方々の意見集め、

それら全ての局面を同時進行で進めていった。
観光協会との強い連携が必要になってくるのはまだ先の局面として、まずはそれ以外をメインに進めていくことになったのだけど、それぞれで様々な課題が出てきた。

ただ、少しづつの進展もあり
4月2日、とうとうエリアにマットを担ぎ堂々と入ることが出来た。

ここを生活の拠点とする方と肩を並べて歩くことが出来た。
胸に沁みる、
関わってくれた全ての人に感謝。

ただあくまで0から1になったに過ぎない。

どこからどこまでの範囲で整備できるのか…
その程度は…
駐車位置やイノシシ除けの柵、岩までのアクセスにおいて地元の活動配慮など…

まだまだまだまだ、時間はかかる。
私が相変わらず頼りないのか、いつもの如く地元の人は様々な助言をくれる。
そんな気持ちに応えて、まずは信頼を得たい。

作業としてまずは確認が取れていると確実に言い切れる範囲の整備と、課題数の約6割にあたるであろう1990年代の課題の照合から。
少しづつやろう。

この日はひとまず説明用の岩の整備と、かつて登っていなかった岩を。
そんな話はまたそのうちに。