「Mt.F」カテゴリーアーカイブ

広大な山に散らばる岩。人里かつ作業道もあり大型車も通るため、シビア。さらに霊山につき配慮が必要。2013年、本格的に作業開始。

ドモホルンリンクル

昨年3月に室井登喜男さんが登った リンクルフェイス v9、
そのlow start projectの記録。

2.20 fri
最寄りのprojectが一旦終了したので、シーズンの締めに放置気味のラインを回収していくことに。
1本目は先に述べたリンクルロー。

この日は時間がたっぷりあったので1日ゆっくり攻めることに。
早く終われば別のprojectも触ろうと考えていたが……甘かった。

この課題、放置の理由がリンクルフェイス自体に出てくるフットジャムに苦手意識があったからだ。
lowはさらにシビアになる。
move自体はさっくりばれたがそこからが長かった。
進むにつれ、重心の位置が変わりジャムの合せが変わってくる。

3便目にたまたま進行にあったジャムが決まり核心を抜けたがリンクルで油断をして、すっぽ抜け落ち。

その後、長い闇に落ちた。
見通しの見えない中、出口へのヒントを拾い集め、
4時間経ってようやく闇から抜け出すことができた。

道が見えたところで進む気力はギリギリで…
何度も通り慣れたはずのリンクルフェイスで落ちることになった。

こうなれば日暮れまで打ってやる。
そう決めて打ち続ける
そして日暮れ間際、何とか登ることが出来た。

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リップへのランジは左手の引きが極めて甘くなってしまい、未だかつてないほどに振られた。
ただ右手はまだ力が残っていたため、握りこんで振られを耐える。
マントルもいつものシーケンスが出来ず、無理やり右足をあげた。
右足がリップに上がったはいいが、マントルを返し切らねば届かない位置にあるガバは相変わらずはるか遠くに見える。
適当に乗せた右足に、スリップ覚悟で乗り込む。
スリップしなかった。
ガバまで届かなかったが何故かカチが目の前にあったので活用し転がるように重心をリップの上に移した。

完登。

後半は生きた心地がしなかった…落ちなくて良かった。

リンクルフェイスのlowということで
名を ドモホルンリンクル グレードは苦手なタイプということも加味しv11としたい。

当初の予定は、いくつか課題を登ること。
無理やりだがその後も登り続け、短い時間ながら何本か課題を完成させた。

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鬼天使 v9

ちなみにこの日、仲間から提供いただいたマットとブラシを使わせてもらった。
ハードに岩に通う私らにとって本当にありがたい提供で……感謝。

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週末の記録…庚申,開拓

2.13 初庚申
年に数度だけ開く猿田彦神社に猿の面を買うために並ぶ。

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1時間半程並び、もうすぐ買えるということでいうところで実家から電話が。
嫌な予感が当たってしまった。
ばぁちゃんが他界したとのこと。

予定より多く面を買い、店を調整する。

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私にとってばぁちゃんはとても近い存在であった。
ここに書き出したところで吐き出しきれない悲しみに襲われるだけなのでやめておく。
福岡ではじまる認定試験の準備を済ませ、車を走らせる。
久留米に一旦荷物を取りに帰り、大分の山々を激走する。

流石に通夜には間に合うことが出来なかったが、
場に来れて本当に良かった。
スタッフみんなに感謝したい。

朝、バタバタ店に行きいつも通り開店準備をする。
忙しいくらいでちょうど良いのかもしれない。
流石にこの日は閉店後、泥のように寝た。

2.15
みんなで開拓。
正直私は登る気力なんてなかった。
ただ、ただ、岩の下にいることで気持ちは癒された。

みんなの登りを眺めていた。
そして、その瞬間は突然訪れた。
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浮石と共に、仲間が落ちる。
浮石はマットを貫通するほどの威力。
幸い仲間は無傷であった。

目がさめる。
私がしっかりせねば……。
無傷で澄んだのは本当に運が良かっただけだ。

正気に戻り私もいつもと同じように岩を登る。

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最後のランジがかなりやばめの課題、
風になり v9 とした。
由来は略す。

その後は特段記すこともなく無事に和やかに過ごすことが出来た。

夕方、仲間のprojectのビレイに付き合う。
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短い時間の中、しっかりとこなし無事に完登。
鯉のぼり これは素晴らしいラインの誕生である。
日暮れ前に雨雲を眺めながら撤収。

2.16
体力万全。ただ天気は雨。どうするか迷ったが仲間の強い希望により岩へ。
雨でも大体なんとか登れてしまう事を知っている。

とりあえず昼過ぎまでは雨がやむことを期待し偵察。
しかし一向にやまず、登れる岩を探す。
14:30,取り付き。

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登れはするものの、コンディションは最悪。
普段なら瞬殺出来るであろうパートも濡れたホールドに苦しむ。
まぁ、これはこれで楽しい。苛々はするが…。

打ち込むにつれ、何となく慣れてきて登れ出す。
そしてラインも見えてくる。
ただ、開始時間が遅かったため、moveがばれた頃には日暮れを意識し始める。

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暗くなり始めた頃、クリムが目当てのラインを登った。
神隠しv7初登。
素晴らしいクライミングであった。

私も続きたいがボンミスが続き焦る。
インターバルが足りていないことは自覚していた。
それでも気を切らさずにやることを優先。
暗闇の中でひたすら打ち、地から通し二つの核心を超えた頃には、ガバを握りこむことですらやっとであった。

普段ならスタティックにいけるパートも手が出ない。
絶対に落ちないであろう見込みの最終パートはマットを敷いていなかった。
落ちたくない一心で出した一手がとまり、完登。
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落ちなくて良かった。
名を崇拝、グレードをv11とする。

ぎりぎりまだ森を抜ける明るさは残っていた。
慌てて、そして少し安心して帰り支度をし撤収。

愛しのローラ

…瀬戸際の勝負であった。
ここまで追い込まれた中での完登はいつぶりであろうか。
最近の勝負は、苦しい程に追い込まれた時、堪えきれず落ちていた。
勝機を逃したトライの後、日を改めフレッシュな状態での完登、それが当たり前となっていた。

思い返せば、
この感覚、この疲労感は18歳の頃の沖縄のPMA 5.13a/b完登時以来、無かった。
…そう、あの時は核心最後のガバをつかんだ時点でパンプアウトしており、その後の5.11程度のセクションが非常につらく、5m程度のランナウトしてる中、カチで次のクリップをする余裕すらなく、ひたすら終了点の大ガバを目指した。
普段なら何ともないセクションがどれほど長く感じたことか……
ガバに手を出す時、一瞬でどれだけ強く
とまってくれ と願った事か。

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May.7
天気は晴れ。最高気温は26度の予報。今シーズン最後のトライを覚悟していた。
10時に岩場に着く。コンディションは良い。
ただ、日差しが強い…気温が上がるのは明らかで、早めに決着をつけたかった。
さらに言えば、まだ一昨日ダメージを受けた指皮が回復しきっておらず最初の数便が勝負だと考えていた。
そう、一昨日ですでに4日、この日で5日やっていることになる。

アップで籠絡(ロウラク)。今やっているprojectは籠絡の延長版。
左からトラバースし、最後にぽが初登した籠絡v7に繋げる。

正直あまり感触は良くなかった。
疲労が残っている。
ただ、アップ後の一便目の感触が非常に良く、気持ちを持ち治せた。

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2便目、前半は完璧、二つ目に核心足ブラの前に汗ばむ左手を一回はたくことに成功、
次のフットジャムを決めるのに少し余裕が出来た。
時間をかけて決めたフットジャムのお陰で、最大の核心である籠絡のスタートでの右手と左手の入れ替えが完璧に決まった。
勝機を感じた。

一番嫌だった籠絡の2手目、初めてとまった。

そこまで行けばそのままねじ伏せれる、
少なくともその次の手を出すまでは、そんな思い込みを疑いもしなかった。

籠絡の中間部、普段なら休めるポイントに来て、初めて疲労を自覚した。
片手を離す余裕がない…

油断していたので自動化も甘い。
思い返せは朝一やったアップで嫌な感触を覚えたのも籠絡の中間部であった。

そこからはひたすら落ちないでくれと願いながら、一手一手際どいmoveを重ねた。

左手で最後のリップを狙う時、右手はもう完全にワークアウトしていた。
落ちると思いながら出した左手は、起動修正し、右手の僅か下の棚に何故か収まっていた。
少し身体が安定した。
…これは初登者が使ったmoveだなと、こんな余裕がない時に何故か思い出す。

右手の力は残っていないが、リップはただ左手を伸ばせば届く位置に来ていた。

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落ちないでくれ。

そう願って出した一手は、予定通り止まっていた。
足はきれたが耐えた。
マントルまでくれば、疲労は関係なくなる。

リップの上に立った。

瞬間的に喜びがこみ上げてきたのはいつぶりだろう…
この感覚はいつ以来であろうか…

興奮したままに仲間の元に戻り、休む。

出し切ったようで、すぐに吐き気に襲われた。

〜課題名は籠絡(ロウラク)のエクステンションなので
愛しのローラ とする。
グレードはv12。苦しみは過去最上級だが、気温と20手という手数(今の私の貧弱な持久力)を考えればやや甘いくらいかもしれない。

1時間休んだ後、
終わり際に毎回手をつけていた道筋も完成させ、MammaMia v10とした。
クオリティはMammaMiaの方が良い。

その後も5本程度課題を作成し撤退。
今シーズン最後のプッシュとなった。

ゴールデンウィーク

ゴールデンウィーク、
様々な再来があった。

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和歌山から犬とともに。

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関西から、旧友や
山口から教え子が。

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一日は一緒に岩に行くことが出来た。
この日を一番楽しみにしていた仲間は、前日のあまりに楽しい飲み会ではっちゃけすぎ二日酔いで午後から合流……

tak以外は特に成果なく終わったが、それでも充実した日々であり最高のゴールデンウィークであった。

自身の登りはメインprojectのmove精度が大幅に増し、
いつもついでにやっているprojectも王手まで攻めれた。

乞うご期待。

開拓光景

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Apr.27
雨の予報であったが降らないと判断し開拓へ。
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私は今日もprojectをやるつもりで来た。
とりあえずupに手前の岩を整備。みんなで完成させた課題で遊び本題。

3時間近く打ち込み敗退。
20手近く続くスローピーな棚…指先のぬめりを耐えれる気温ではなかった。
ただ、この状態でも勝負できるシーケンス探るべく試行錯誤した結果、かなり安定させることが出来た。最終的にパンプアウトして敗退してしまったが、25度を超えない限りはまだトライ出来る可能性を感じた。
冬にやればいいだけのことなのだろうけど…。

その後、憂さを晴らすべく側面を一本登る。
飛び鉋v8 動画参照。
小鹿田焼などに入れられる焼物の模様、
飛び鉋に似た美しい筋が特徴的。

呆気なく終わったため、この岩で最後にやろうと思っていたラインに取り付く。
すると想像しいたものより遥かに易しく勝負になっていた。
時間切れで完全にmoveをばらすことは出来なかったが、少なくとも核心はこなせた。

次回に期待。