「RockPath」カテゴリーアーカイブ

奥の塔

雪残る2月8日。

近場の岩塔へ。
昨年梅雨前にボルト打ちを終えたはいいもののトライしていなかった奥の岩塔。
仲間はその横のラインをやる。

私のやろうとしているラインは下部1/4までリングボルトが打たれていた。

上まで続いていないところを読むに、いつの時代の誰かがフリーの可能性を見てやろうとしたのだろうか?クライミング歴40年以上の仲間に聞いても、何用のリングボルトなのか読み取れなかった。
そのラインはとても厳しく、リングボルトの続く一番傾斜の緩いセクションすらV5近くの難解なシーケンスを要求された。
核心は8m付近、前回全く保持できなかったホールドのような穴が今回は一瞬だけ保持でき、かろうじてmoveは出来た。
上部はやっていないが多分大丈夫であろう。

正午過ぎまでの短い時間のトライではあったが、全容はわかった。

傾斜が緩いので、指先のフリクション勝負になるであろう。
ということはシーズンオフまであまり時間がない。

DrogoPlasma V10

2/1
パラつく雪。とりあえず岩に出向くと吹雪になる。
道中徐々に景色が雪国へと変わっていく。
目的のエリアには明らかにたどり着けない。ということで予定変更。

河原のエリアなら陽が当たれば登れるかもと行ってみたものの…。

湿度が高すぎ待つだけ無駄な事がわかった。
ということで結局いつものフエコドーム。

前回登った辻ノ長歌の右抜け、
カワセミV6からHuecoPlasma V8/9に抜けるラインを。


アップで適当にバラす。

核心のカンテどめが苦しい。春夏秋冬や辻ノ詩v12はこのカンテどめが6手目にくるが、カワセミスタートだとどれだけ手数を省いても9手目にくるのでプレッシャーが増す。

一便目、ダメージを受けながらもとりあえず核心のカンテどめまで到達したので、適当に一手出すとなんととまってしまった。後半まったく覚えてなかったのでかなりアタフタしてしまったが、無事に成功。

成功してみると、思ったよりゲーム性の高い課題であることに気づいた。
Drago plasma V10

その後仲間と合流。
と、その前に駐車位置の変更を書いておきたい。

前回の記事か紙面で新たにできた公園の前の駐車を勧めたが、そこはどうもコミュニティバスの周回場になったようで、丁度散歩に来ていた方に聞いたが、今は前までのように横付けした方が良いようだ。
また、周回スペースではなくその端(要は奥)は大丈夫な模様。配慮してもらえたらと思う。
またこのエリア、雨でも登れるということはチョークが全く落ちない。ということでティックマークの利用は最小限に、また出来る限りのブラッシングをお願いしたい。

仲間と合流してからは特に登るでもなくダラダラして過ごした。

百年の夜明けと三隈川の今

昨年夏に登った百年の夜明け。

今はまた三隈川に沈んでいる。
詳しい情報はRockClimbing誌006号に書かせてもらったので、もし機会があれば読んでもらえたらと

昨年11月初めに下流にあるゲートの調整室も復旧し、三隈川の水量も人の管理下に戻った。
当時、数人しか触られないまま沈んだその岩を少しだけ名残惜しくも思った。

先日、いつも通り岩場帰りの夕方三隈川脇を通ったところ、見慣れた光景が目に入る。

災害前、当たり前のように見ていた学生らボート部の練習。
夕陽の美しさも相俟ってその光景が胸打った。

岩登りなどどこでも出来る。
変わらぬ日々に感謝するとともに、二度と夜明岩が出てくる事のないよう願った。

ちなみに三隈川は九州屈指の練習場所で、そこで練習するボート部は全国的に見てもかなり優秀らしい。

Super Magical Slot V10

1月29日

雪が舞う中岩へ。というより予報よりも天気が悪い…。
路面ぐしゃぐしゃ、目的の岩もびちゃびちゃ。

仕方なく掃除だけ済ませた。
掃除しながらも指が悴む。
とても寒く、流れる水すら凍っていた。

掃除が終わった頃、小雪が吹雪になる。このまま帰るのも馬鹿らしいのでMagical slotのロースタートをやる。
バラしで問題のスロットにデッドしたら無抵抗に落ちる。
濡れ過ぎ……とりあえずタオル詰め込む。湿気が多少引くまで下部のmoveを作り繋げに入る。

この難易度は実に楽しい!
ストレスを感じる事なくトライし、暫くして無事登れた。

リップが濡れ過ぎてて落ちるかと思ったが…。

SuperMagicalSlot V10

その後、半乾きの一刀両断岩を冷やかし撤収。
実に楽しい。

OzRoof’ave maria V14’

OzRoofについてはこれまで散々書き尽くしたので、今回はもうやめておく。

snsや店頭では報告させてもらったが、1月26日に登ることが出来た。
通算34日、本当に長かった。

特にここ1ヶ月はかなり苦しんだ。

思えば昨年12月、最後の日のトライがその後のプレッシャーを肥大させた。
閉店後ナイトのこと、

アップ後すぐのトライで、核心を抜け後半パート最後の一手でマットにかすったが一応成功。
正直、それが登りにどの程度影響したかはもうわからない。
そのまま続け、登れてしまった。

降りてきて暫く悩んだ。1時間程度経っただろうか…。
もう一度登ることにした。
これまでで最も難しいクライミングに挑戦しているなか、やはりありえない。

次の便も非常に良く、核心突破し後半パート最後の一手ギリギリ決めきれないところまで。
その後、指皮が裂け終了。

年明けは最悪だった。
裂けた指皮は回復せず、それでも登れる感覚だけあって無理に行くが全く駄目。
それを理解し、ある程度回復した頃には雨と雪が続いた。

それでも通い続けた。
自動化と集中力を切らさぬようにと…
勿論、濡れている状態で勝負になるはずはない。
通うのは精神的に本当に辛かった。

諦めのなかトライを重ね、濡れた岩に徐々に慣れていった。
1月2週目、核心パートから後半パートまでまさかの完全突破。しかしリップは濡れている。やむなく降りる。

来たる1月26日、天気は雪。ただリップは乾いていた。
3便目、完全に成功、無事岩の上に立つことが出来た。

登れたのだ。
正直、昨年末までは20日を越えてもそれほど時間をかけたと感じていなかった。
ここ1ヶ月がやばかった。

第3週に関しては気持ちを落ち着かせるために7日間中4日通った。
何度、防災行政無線チャイムを聴いたことか…。

因んで名はAveMaria,グレードはv14。
動画の音楽がそれである。(一つはラムール・エ・ブル)

正直、機を選べばもっと楽に登れたと思う。
考えて考えて考えて、そして疲れた。
とりあえず考えるのをやめたい。

ということで、記事も簡単にまとめたがこれにて終わり。
残るシーズンは素敵な岩達を沢山登ろう。