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90中、0から1へ

1990年代中盤からトップロープ課題として登りはじめられたコヤの竹林の岩群。
その後一旦落ち着き2000年中盤、ボルダリングの対象として再注目された。

ただ諸事情によりクローズされ今に至る。

昨年末より、RockNaviメンバーや外部組織の数名に協力いただき、

観光協会、
入り組んだ地形の地権者の方達探しから挨拶、
そこで生活する方々の意見集め、

それら全ての局面を同時進行で進めていった。
観光協会との強い連携が必要になってくるのはまだ先の局面として、まずはそれ以外をメインに進めていくことになったのだけど、それぞれで様々な課題が出てきた。

ただ、少しづつの進展もあり
4月2日、とうとうエリアにマットを担ぎ堂々と入ることが出来た。

ここを生活の拠点とする方と肩を並べて歩くことが出来た。
胸に沁みる、
関わってくれた全ての人に感謝。

ただあくまで0から1になったに過ぎない。

どこからどこまでの範囲で整備できるのか…
その程度は…
駐車位置やイノシシ除けの柵、岩までのアクセスにおいて地元の活動配慮など…

まだまだまだまだ、時間はかかる。
私が相変わらず頼りないのか、いつもの如く地元の人は様々な助言をくれる。
そんな気持ちに応えて、まずは信頼を得たい。

作業としてまずは確認が取れていると確実に言い切れる範囲の整備と、課題数の約6割にあたるであろう1990年代の課題の照合から。
少しづつやろう。

この日はひとまず説明用の岩の整備と、かつて登っていなかった岩を。
そんな話はまたそのうちに。

あれから10年を経て

10年の歳月を経て…
私は変わったのだろうか。

今日は野下さんの命日だ。

joyでは当たり前のように語り継がれ普通に聞く名だと思うが、世間一般的にはもしかしたら知らない人の方が多いかもしれない。

野下善秋氏、主に日向神で活動。数多く作られたルートの中でメジャーなものもいくつかあるが、どちらかというなら玄人好みの仕上がりになっているものが多い。ただ本匠のナマコの涙5.12aで分かる通り、稀に爆発的に大衆受けするルートも残してある。

〜joyがプライベートウォールだった頃、雨の降った休日などはよく遊びに来てくれた。

氏の話す岩の話がとても好きだった。氏の開拓スタイルがとても好きだった。氏の残したルートがとても好きだ。
泥臭くどこまでも一途で。

色んな岩を教えてくれた。

最後に教えてくれたその岩は当時の私にはとても残酷だった。可能性を感じるとかそういった次元ではなく、登攀対象にすら見えなかった。
そして私の対応もとても冷酷だったかもしれない。これは不可能ですねと返した。

今でも後悔している。

少し残念そうな顔をしながら、私なら登れそうな気がするんだけどという暖かいニュアンスの言葉をかけてくれたその光景は今でも覚えている。

数年前、ようやく可能性に気づき、今ようやく勝負できるまでになった。

今更ながら10年前の私に問いたい。想像的なクライミングを追い求めていた割に想像を広げようとする努力を怠っていたのではないかと。
自分の見えるものでしか物事を判断できていないのではないか。

そんな事を考えながらふと思うのは、それはそのまま今の自分にも当てはまるのではないかという事。

10年の歳月を経て、何か変わったんだろうか。
思考はたいして変化していない…
ただ、能力だけは上がった。
それは明らかだ。

後悔が消えることはもはやこの先もないと思うが、力あるうちにこれだけは何としても登っておきたい。

この10年を経て、
ようやく期待に応えれるようになったならば、何としても応えたいと思う。

ニコガミ V11

ずっとやりたかった荒神岩の中央完全体。

登れたから良いものの、タイミングが合わずシーズンももう終わる。


3/15
どうもパリッと晴れる日が少ない、この日も予報では午後から雨。だからといって早起きなどできるわけもなく、岩に着いたのは11時過ぎ。

一年以上放置していたのでかつて苔むしていたリップはどうか。
上に回り込んむ。
葉っぱと土、そして僅かな苔が生えていただけで、掃除は20分程で済んだ。

いざバラさんと気合を入れ取り付くも、中間部で思いっきりスリップしマット外へ。
着地自体は成功したが、ガレ場の下地は厄介で踵と太ももを強打した。太ももは擦れた程度で、痛みさえ我慢すれば特に問題ない。ただ踵は登りに響く。

少し休み再開、辛うじて靴は履けた。

核心は垂れたリップから遠いサイドカチを狙う一手。
傾斜は強い上にリップがすっぽ抜けそうで怖い。
しかもそこまでの10手でかなりのダメージを負う。

1年前、スタンドでやった際もメンタル勝負となった。
さて今回はどうか

バラシも落ち着き、一旦車に戻りマットを2枚追加する。
1便目、初手でスリップフォール。
傾斜が強く、全パート足がきれたら思いっきり振られ落ちする。

ダイナミックに動きつつ足を残す、
ある種かなり得意なタイプで動き自体にはそこまでのストレスは感じないものの、
傾斜、高さがありプレッシャーは強い。

2便目、2度のダイナミックな右手だしを成功させリップへ。

リップの保持感はギリギリ。
吹っ飛んだとしてもマットはあるので大丈夫。

思い切って突っ込む、左手は無事サイドカチを捉えた。
素早くマントルを返し岩の上の立つ。
荒神岩中央ラインが終わった。

名は、キーとなる同じ形のmoveが2個あるので
「ニコガミ」
グレードはプレッシャーを加味せず「V11」とする。

少し気が抜け、暫く休んだ。

後半戦、証明岩へ。

3/12
ダンジョンルーフで一頻りprojectをやった後、証明岩へ。
いつ見ても濡れている。この日も湿気てはいたが辛うじてトライ出来そうなコンディションに見えた。

実はこの岩、私は一切開拓に関与していない。
去年の梅雨前仲間が掃除し、今シーズン内でいくつかの美味しいラインが仕上がった。

登攀対象となる前の写真。写真撮影時間が去年5月正午前。

そしてこの写真撮影時間が同日17時過ぎ。

ようは丸一日かけて掃除したということだ。
完成させた数本のラインの中でもメインは中央の’SEIMEI V8’と右の’朧げ夢夜 V8’だろう。

見た目もよく、何よりも仲間の熱意を感じるべくずっとトライしたかったのだが如何せん乾きが悪い。訪れては取り付けず敗退する日々が続いた。

この日も湿気てはいたが痺れを切らし取り付く。

SEIMEIも朧げ夢夜も足場がとてもシビアでmoveを作りにくく、組み立てに手間取った。
SEIMEIでは、登れたと思いたどり着いたリップがまさかのびしゃびしゃでクライムダウンをするはめに。。。

上に回り込みタオルで水分を拭ってからは、とても快適に登ることが出来た。

リップ付近にうっとおしい土や薮もない、
途中のホールドに泥も詰まってない、
まして苔など気にならない。
周辺も開けており快適だ…。

ここまで仕上げるのは大変だったであろう、おかげで日暮れまで贅沢な時間を贅沢な場所ですぎさせてもらった。
次も期待しよう。

良い岩だった。

前半戦、過程のV10

3.12
ダンジョンルーフへ。

気温は高かったが湿度は40%以下。
今年に入ってこんなにも湿度が低いのは初めてだ。

高い湿度しか示さないこの湿度計もどうやら壊れてはいなかったようだ。
となると、ホールドもよくとまる。

この日の目標は、project(ダンジョン正面)のスタンドスタートから突破。

コンディションが良いって素晴らしい、
アップ後、ストレスなく登ることが出来た。

壁の中に存在しながらも、中間部の顕著なリップを乗っ越し安定した終わりを迎えることができる素晴らしいライン、グレードはV10。過程の道筋なので、名はまだ必要ないであろう。

大幅に時間が余ったので、前回登った一反木綿のロースタートから中間部のテラスまで登ることにした。
これも2時間程度で成功したのだが、前回終わりと決めていたガバからはホールドが相当脆くグレードも変わらないのでやる価値があるかと聞かれたら……ただ、テラスの上には立てる。

ということで、再びproject(ダンジョン正面)のsdsに戻る。
すると、さっくり最大核心の足送り手前まで成功した。

行けそうな感触を持ちつつも指かわがもう痛い、諦めることにした。
初めからこいつと勝負する気で来ていたら、登れたかもしれない。残念。

昼過ぎに撤退。
その後、仲間が初登したいくつかの課題をやりに、証明岩へ移動。後半戦へ。