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湯ノ釣トポ 改訂5版(2021年版)

再版について

2019年 RockClimbing誌にて再発表(改訂4版)させてもらった湯ノ釣。2020年の大豪雨の際、多大なる変化が起きたもののアクセス情報等は変わらず。よって再発表しなくてもいいかと思っていましたが、情報を聞かれることが増えたので今一度しっかりとまとめ直すことに。

豪雨から

豪雨の影響凄まじく、桜の時エリアは完全消滅。メインとなるレディクレアも消失、鳥返しや火喰い鳥は低くなりました。当時はエリア自体の存在価値はもうないんじゃないかと思って落胆。

同年秋、知人が来店してくれた際、今でも十分楽しめると言ってくれ、その一言で再編しようと決めます。

追加したもの

前回は再発表を見送った旧道側も今回載せています。川を越えねばならずアクセスは厄介だけど中級者に良いv2〜5が多くあります。

また、山側にも未発表のものや新しい課題をいくつか追加。

鳥返しの岩に関しては、北九州のグループが数日かけ復旧してくれ、当時の課題を楽しめます。火喰い鳥やコウノトリv6はオススメ。

なので、低くなった状態の情報と過去の情報の両方をトポに記載。好きな方をどうぞ。

トポについて

湯ノ釣トポ / 1,200-

トポ料金はトポ作成諸経費を除いた金額をこの地のために使いたいと思います(今は復興支援金)。使用した際はどのように使ったか報告します。

そのためjoywall会計ではなく田嶋店番時に販売(JoywallRockNavi主宰として)。注意事項等は全て記載したので特に補足説明はありませんがエリアは常に変化するので、その際に最新情報をお伝えできたらと。

案外夏前でも涼しかったりするので、緊急事態宣言、そして梅雨が明けた頃にまったり楽しんでもらえたら幸いです。

 

湯ノ釣 山側 追加課題

湯ノ釣2019年 再編時の課題

湯ノ釣クラシックでのオススメ、案外知られていない「コウノトリ v6」

湯ノ釣 旧 道側再編2021年

 

黒いトゥネーリ

川のほとりにある長閑な公園。

散歩する夫婦、藤の花を見るために来たであろう若い人たち。夕方になると近所の子どもたちで賑やかになる。

その対岸にぽつりぽつりと在る4つの岩。

少し前までは苔むしていたようだが、luige氏の地道な作業により今は快適に登ることができる。

4月26日

岩の隙間に潜り込みマットを敷く。
そして一つ一つmoveを探る、私が整備した岩ではないのでそれこそ大切に。

時折寝転び休んでみる。あまりの心地よさにこのまま昼寝したくなる。

夕方、至福の時間も終わりを迎えた。

黒いトゥネーリ v11(三段+) 初登

スタートの体勢はluigeくん初登のザ・タービュレンスと同じ位置にしようとも考えたけど、ルーフ側に進行する場合、足先行スタートでノーダメージで抜けることができ、それだとあまりに不自然な形になるので、あえてカンテとポケットコンプレッションでのスタートにしている。ルーフ抜け間際、支えている右の石に触れないよう避けながら動かねばならないのもちょっとしたスパイスになっている。

開拓者の熱量感じられるラインなだけに、成っていて本当に良かったと思う。テクニカルかつパワーも要求されるライン。ルーフ好きにはたまらないだろう。

 

 

 

4/12 ヨダカ(ロマンティカと碧の同盟)

ようやく乾いたマジェスティに出迎えられた。

4月12日   よだかに戻る。

年末年始は雪で閉ざされアクセス不能。春前、雪が溶けると次は染み出し。トライすらできない日が続く。

諦めて春を待つことに。このエリアはどこよりも気温が低い。きっと春からやりはじめても遅くはないと。

山に入ると湿気を感じた。少しだけ緊張。歩くこと20分、岩は乾いていた。

ようやく、ようやくトライできる。

アップを済ませ取り付いてみる。

「修羅になれv11(三段+)」で下部の核心は把握していたので未知なる上部へ。といっても掃除の段階でホールドは把握していた。

いざ突入してみると、、、想像以上にホールドが悪い。

今日登ることを諦め、身体を馴染ませておこうとトライを重ねる。

昼過ぎ、フェイスの入口でいきなり重心が上がり凹角に突入。一歩スメアをあげるともう戻れない。

心が折れ、一旦降りる。

掃除で見た限り十分登れる範囲。でも突っ込む勇気がなかった。今日はやめようかと思ったが、どちらにせよ下部で十分ダメージを受けているのでしばらく休まなければならない。

休憩した後もし気持ちが回復していればやろうと決めた。

13:05 無事に登ることができた。

凹角に入りスメアをあげるとき、スメアを効かせ手を伸ばすとき、どこかがスリップしそうで緊張した。

ロマンティカ 初登

グレードはよくわからない。下部はv11くらいだと思うがフェイスから先が冷静に判断できない。

何にせよこのエリアで最も素晴らしい1本だと思うので、そういうものとして定着してほしいと思う。

時間が余ったのでクールダウンに、初日キクリンさんに教えてもらったフェイスへ。v7くらいだろうから丁度良いだろうと考えていたら、随分悪かった。

掛かりが良いと思っていたクラックがとりあえず悪い。

2本指ガスから動こうとすると肩がぶち壊れそうで一回降りる。

気の抜けた状態でやる岩じゃないことを悟り出直すことにした。

 

4月15日再訪

キクリンさんも昼過ぎから合流。私は昼前からやっていたものの、問題の一手がとまらず意気消沈していた。

周辺の岩を一緒にやりながら、ダラダラとトライしてみる。集中力も全然なかったのでぼちぼち違う岩をやろうかとしていたところで、その1手がとまった。

どうしようか迷ったが動く方の手足を順に進め、結果、何やかんや噛み合い登りきることができた。想像とは全く違うデタラメなmoveで登れた。

碧の同盟 v10(三段)

課題に合わせて上手く動くことができなかった…身体がぶち壊れる前に登れて良かった。

その後、キクリンさんと時間までいくつか初登し、時間になったところで撤収。

メインの岩のメインのラインは終わったけれど開拓はまだまだ続く……。

今日もお世話になりました。

4/6,7 (luigeくんのエリアへ)

4月6日

luigeくんが開拓しているエリアにお手伝い。この日は普通に14時から店番だったので午前中のみ。

現地集合。

藤が丁度綺麗だった。エリアも長閑で公園ぽくてとても良い。

たまに対岸から散歩中の人が応援してくれるらしい。素敵すぎる。

岩は開拓メンバーにより綺麗に整備されていた、物凄い労力だったと思う。おかげで私は特に作業することなく登りを楽しませてもらった。(最近こんな楽なことばかりで申し訳なくもありがたい。)

短時間だけど色々な可能性を見させてもらった。

キュベレー v7 (初段) 初登

グラン・デリ  v7 (初段) 初登

グレードは2本とも暫定なので勝手に変えてほしい。一応しっかり考えたつもりだけど、みんなで登って決めてもらえたらと思う。

長閑で居心地もよく、小ぶりな岩だけどホールドも岩質もオリジナリティがあり面白い。

案内ありがとう、また!

4/8 天戸岩 (鬼と藤娘のトポ)

   天戸岩上部岩塔トポ      

アクセス

日向神ダム下エリアのある天戸岩の最上部。なのでアクセスはk1さんのページが詳しい。

ダム下エリアから奥へ。すると最近公開された桜エリアに。そこからさらに奥の谷へと進む。ピンクテープが2重になったところが分岐で、右に詰めると「天戸岩の鬼」のハング。左のピンクテープ沿いに進むと「藤娘」

    小鬼岩ボルダー課題                       

はじめはボルダーとして登れると思ってやってみたものの断念。途中にテラスがありその先の岩質や植生的にボルダリングぽくないことからTKTさんと相談しショートルートとする。

天戸岩の鬼lowやトラバースはムーブは面白いが、やはりハング下部で終わってしまうので少しやりきれなさが残る。

逆に天邪鬼はとても良い。細いクラックをシビアなレイバックで登る。もしこの課題がアプローチのないエリアにあればきっとコアなクライマーは好んでやると思う。

     ショートルート             

藤娘    5.12a       2021年3月 高田初登

20mオーバーの岩塔。日向神ぽいシビアな下部とうってかわり、上部は見た目以上にパワフル。

 

天戸岩の鬼5.13n

天戸岩の鬼トラバースの核心であるフィンガリーなボルダーパート(v9/二段)から、上部のボルダーパート(v6/1級)へ。

当初、このルートは下部の難易度が全てで、上部は岩の上に上がる通路くらいに思っていたが、実際やってみると上部も意外に難しい。

難しいだけではなく下部も上部もmoveに主張があり、一貫するととても良い感じにまとまったように思う。

正直グレードはよくわからない。move的に一番難しいのはやはり2手目で、2手目核心というのは何回でもトライできるのでリードクライミング的に難しさを感じにくい。

構成が逆で後半部にv9パートがくるのであればグレーディングしやすいのだけど。。。

天戸岩の鬼 5.13n

やっとの思いで下部の核心を超えたなら、痛すぎる深いポケットで呼吸を整えればいい。ただ、休みすぎると思い切りのいる上部核心に入る際、緊張感に支配されるだろう。