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四国3「冒涜の虹と松風、やらず」

11月20日
百と八つの流れ星の岩を後にし、大山岬へ。

ここには当初の目的の一つ、「冒涜の虹」が存在する。
見上げたそいつは…
相当格好良くも、登りにくく見えた。

「百と八つの流れ星」など明らかな弱点をついたラインは、その弱点こそが威圧感を放つがこの課題は真逆のタイプ。その場に行ってみないとホールドやmoveが想像しにくい。想像しにくければしにくい程、恐怖心が増す。

見上げるうちにチョーク跡が目につく。大体のホールドとmoveを想像した。
(ちなみに、こういうラインは初登時苦戦する。私は。)

栗崎はどっかに行っったきり帰ってこない。
とりあえず登り出すことに。

仲間がいる日に一人で突っ込む必要もないので、下部が悪そうな「一閃 三段」を冷やかす。

いきなりmoveが出来た、けれどそのまま突っ込むという選択肢はなかった。一旦降りる。
丁度栗崎が帰ってきたのでマットをかり、その上部パートとなる「crazy for you 初段」からやることに。

まず出だしの地ジャンが怖い…。

さらには上部、全くホールドがわからず…恐ろしくなって左にエスケープし飛び降りる。

本当クレイジーなラインだこれは…。意を決して次の便で登ったが、一閃でまた突っ込まねばならないことを考えると気が滅入る。

気分転換を兼ね散歩することにした、その間に栗崎は「冒涜の虹」を。

〜しばらくして、栗崎のトライも落ち着いたところでいざトライ!
久々にスポットとマット移動を頼んだ。

流石に一度登っていると気の持ち方も変わる。
「一閃 三段」

にせよ怖かった。
これで完全に気持ちがきれた。この精神状態で「冒涜の虹」はありえない。

本来の目的の一つ、「冒涜の虹」の敗退を決めた。
帰り際、散歩中どうしても気になった岩屋で遊ぶ。

不思議なロケーションでのクライミング、実に新鮮で想像通り楽しかった。
大山岬終了!

すでに良い時間になっていた。

最後の目的、「松風」のある春野へ。
実は1ヶ月前(10月5日)のこと、この岩の前に虎ロープが張られている写真がsnsに出回った。今はローカルクライマーが詳細を確認しているようで一旦の自粛要請。私もそれに従う。
(ありがたい限りで……)

残念だが、こればかりは仕方ない。記念に見るだけでもと登らなくとウキウキしながら春野へ。
…すると、まさかの渋滞。。。

栗崎は言う、「これフェリー間に合わないすね」と。
私は返す、「まぁ冒涜の虹もあるしまたくりゃいいな。」と。

結果、栗崎の爆走により一本早いフェリーで帰ることが出来た。

。。。おい、春野よれたやん。

旅を終えた。
全てに感謝、四国地元クライマーに超感謝。

四国2「百と八つの流れ星と良い課題の概念」

ずっとやりたい課題があった。
きっかけは何だったか、もう覚えていない。

最近それら課題が網羅されているトポが販売され、すかさず購入。そのトポは読み物としても面白かった。ますますその岩の前に立ちたいという気持ちが強くなった。


私はいつも開拓が多いが、初登に強いこだわりがあるわけではない。ワクワクしそうな体験を求めると、いつも必然的に開拓に行き着くといった感じ。

今回は再登、ただこれら選んだ課題を前にすれば絶対に素敵な体験ができる、そんな確証じみたものが何となくあった。

「百と八つの流れ星」を主題とし、「冒涜の虹」「松風」目当てに四国へ発つ。


11月20日(四国2日目)
ほぼ寝れないまま通した初日の疲労をとるべく、この日はゆっくりめの起床。天気は…快晴!

行くぞ「百と八つの流れ星」

高知市内から車を走らせること1時間、岩が見えた。テンションが上がる。車を停め、道路脇を歩き、海岸に出て、岩に向かう。気づけばダッシュしていた。

佇まいがもう格好良過ぎる。
遠くから見ても近くから見ても格好良い。

下から見上げる、やばい格好良い。

テンション上がる。堪えきれずすぐに取り付きたかったが我慢、準備開始。シューズを出してチョークバック出してストレッチして…すると他のパーティも来始めた。

もう無理、ストレッチもういい、取り付く。

下部を爽快にとばし上部へ。カチは想像以上に悪く、一瞬たじろいだ。右も左も悪い。安定して手を離せるポジションを作れず…次の一手はデッドになる。

これ、過去下地悪かったんだよなと下を見ると…完全に砂地。どこでも落ちれる事を確認して動く、その先は……。マントルを返しリップに立つ。

衝撃的だった、
こんな完璧な課題が存在するなんて。


私にとっての良い課題の概念が根本から覆った。今まで一番良いと思っていた課題は「繊月の如く」だった。
(↓繊月の如く)ー

自然の作り出した形状に、クライマーのみ通行可能な一筋のライン。「繊月の如く」はもはや奇跡だと思った。ただ…ずっと感じていたもの足りなさ。

それがはっきりした。

我々はクライマーだ、造形が美しかろうがそうじゃなかろうが、それを登っていて楽しいかどうかが一番重要で。
繊月の如くは単調で、登っていて面白いとは言い難い。

それに比べこの「百と八つの流れ星」は…。
衝撃的であった。


仲間のトライを見届ける間、周辺の課題を隈なくやった。

二回で書き終える予定が文字数が多くなり、続く( ̄▽ ̄)

四国初日、仁淀川にて

ずっと登りたい岩があった、しかも珍しく誰かに登られている岩で。
四国に行こうと思ったきっかけとなった岩…。

そんな話はまた。

11月18日(日) joyを少し早く閉めさせてもらった。

深夜にフェリーを使い四国入り。

栗崎の爆走により、真夜中に仁淀周辺着。
予定では広場にマットでも敷いて仮眠するつもりだったが…まさかの雨。

仕方なく車で朝を待つことに。

そして7時、待ちに待った太陽が!
現れない!!
雨、、、

晴れないんだけど。

とはいえやる事もないし小降りになったのでエリアに向かう。今回は初仁淀、オススメされていたフューチャーエリアに行くことに。車から降りると、身体はバキバキ。栗崎に至っては一睡もできなかったらしい。あーあ。。

エリアについても雨は止まない。

多少気になっていたロマンチック野郎の敗退を決めた。
そもそも取り付きのジャンプがやばそうだ。


恐るべし初登者の想像力。
このラインを成立させることが出来るなら、うちらのエリアもいろんなものが出来そう。帰って見直すことを決めた。

10:00 雨に影響なさそうなライン 「stoicism 三段」をやる事に。
地ジャンではじまる気持ち良いライン!


一手目が乾いている事が確認できたので決めにかかる。濡れたリップがかなりやばかったが、何とか登れた。

次!
「low start 4段」をやる事に。顕著なアンダーからはじまり明瞭に続いた細かいホールドを頼りにさらに顕著なクラック、ようはstoicismのスタートに繋げるライン。

この2本は確かに同じ線状にあるが、どちらも特徴的でバリエーション感はなく気持ちいい。下部パート、最初にやったmoveがいきなりはまりstoicsmまで繋げることができた。

気も乗ってきたので繋げに入る。

1便目、
核心2つがすっきり決まりこのまま登りきりたかったが、欲が出て濡れたリップに心積もり甘く突っ込んでしまった。
リップ初手で弱気になってしまい、適当に出して落ちる。

あーあ、繋げ1便目で良いとこまで行って落ちると大体ハマるんだ…と、内心凹む。
案の定、その後しばらく下部突破出来ず。

どうせリップもビチャビチャなので、30分程度フラフラする。丁度その頃、別組みのクライマーがエリア入りしたので絡む。聞くと定期的に仕事の依頼頂いている福山のジム(ココペリ)の常連さんらしい。縁って面白い。

12時あたり、乾いた頃だろうと再開。

Stoicismの一手目のガスの入りが悪かったがうまく現場処理できリップへ。
すると…さっきよりコンディション悪い!!!
これが染み出しというやつか、何て思ったりもしたがもう落ちたくない。

幸いガバまで掴んでいたのであとは何とかなる。
濡れたリップにスメアしたくないので、膝を使う。こんな時はゴムより生地の方が効く。
(たまたまだがguのデニムクライミングパンツはフリクションがある。)

何とか登りきることが出来た。


午後からは栗崎のトライを見たりココペリクライマーと絡みながら、乾いてそうな岩を片っ端から登った。

でかい岩の目立つエリアではあるが、小さい岩も結構面白かった。
ロケーションも良いし、のんびり一日みんなと過ごすには最高のエリアだと思う。

栗崎も落ち着いたところで移動。少し登り足りなかったので沈下橋エリアへ。

風情もありつつどことなく寂しげな谷…。
橋から見渡すと下流の良さげなフェイスに目が行く。

案の定、中々良いフェイスであった。
苔のついたホールディングに馴染まず少しハマったが、何とか登れた。

途中の中州で昼寝していた仲間を起こし、仁淀を後にした。


夜は全てお任せだったので、ついていくがままに。
高知の夜を満喫出来たと思う、感謝。

福山ココペリ出張「レッスンとセット」

先月の話ですが、10/23-26まで福山出張でした。
有難いことに半年に一度依頼を頂いているココペリ!

今回初日はユースたちを対象にしたレッスン。
何をしようか考えた末、自分たちでトレーニングができるようになるのが理想かなということで…

テーマ「自己評価の手法の提案」
●フィジカル、テクニカル、メンタル(ブレイン)
●テクニカル:ポジショニングの実際/ムービングの実際
●テクニカル:緩傾斜の基礎と評価
●テクニカル:強傾斜の基礎と評価
●フィジカル:緩傾斜
●フィジカル:強傾斜
●フィジカル:基礎体力

個別の細かい評価までは時間的に厳しいので、一つの評価方の考え方のみ。
持ち帰って深みに潜ってもらえたら幸いです。

2日目の夜は、先のレッスンに基づいてココペリユースを個別に。

それ以外の時間は色濃く、色濃くセット三昧!
メンバーもそれはもう濃い!!

いつも通り100本を超える課題を準備できたと思います。
それぞれの課題のトライのなかで、何か感じるものが見つかればいいなと。

みなさまありがとうございました。
(まさか常連さんと翌月の四国旅行で出逢うとは。。)

ソフトシューズとシャドウ

Black Diamonds (shadow)

消耗激しいシーズン中、きらさぬよう補充(本当に感謝)。

1足目はスメアもエッジングも万能なオールラウンドシューズという印象で、岩に持っていく予備シューズ(硬いシューズや軟らかいシューズ)に履き替える機会もほぼなく使用。

ヘタレてきてたらすぐに新調し古い方は保存モードに入っていたのだが、外周のソールが3mmきったあたり(推測)からこのシューズのイメージが一気に変わった。

というのもこのシューズ、初期はソールの外側は4.2mm、内側3mm弱に仕上げ剛性を保っている。

へたってからはまた印象が随分と変わった。素朴な使用感が良い!
むしろこのシューズは自分好みに外周がへたってからが本領発揮する靴なんだろう。

ちなみにソールの粘りがあるソフトシューズは、新品でも縁を自分好みに削った方が慣らしが早く済む。
中国地方の先駆者も岩場で愛用のシューズを削っていた。(もしかしたら今は愛用シューズが切り替わっているかもしれないけど)

削るのは勇気がいるので、無難にジムで2週間くらいかけて削ってもいいとは思うけど。。。