「その他ナイト含む」カテゴリーアーカイブ

西の果てのラスボスと

西の果ての海辺で完全敗退。

再び西の果ての海辺。
今回はさらに奥のエリアを案内してもらった。
( Special thanks @クマさん)

4月3日

画像を見せてもらって以来ずっと気になっていた岩。
いざ見上げると…
やばいなんて一言で片付けられるものじゃなかった。

一目惚れしてきたこれまでの岩。
取り付かずに敗退したことはなかったけれど、今回は心が折れた。

スケール、岩の脆さ、下降の困難さ、ランディングの悪さ。万全の準備をしてきたつもりだったけれど足りなかった。

ラスボスクラス。
どこまで攻めれるか判断できる自信がない。岩質の理解を深めなければ到達できない範疇だと感じた。仕方なく周囲の面白そうな岩で遊ぶと、どの岩も形状が多彩で意外とおもしろかった。

 

陽も傾きはじめた頃、綺麗な浜の脇で遊ぶ。みんなは居心地良さそうな岩で。私は奥の暗がりで。
一枚の強傾斜。ホールド乏しく、どうもラインにならない。

苛立ち募り強引にホールドを引き過ぎた。欠けるかもしれないと思っていたアンダーがブロックごと剥離。

掌の中での欠損(エッジなど)であればコントロールできたと思うのだけど、ブロックごと剥がれてしまったらどうにもならない。受身はとれたがランディングが悪く左脚を捻挫。

日暮れ前に撤収。
運転しながら見る夕陽がとても切なかった。

西の果てのラスボスまでの道のりは遥か遠く。
誰か登ってからでもいいかな、なんて思う。
また。

捻挫

酷い捻挫をした。
治ればすぐに忘れるだろう、その前に記録を。岩登りの話はまた。


4月3日
西の果ての新たな岩を紹介してもらう。
夕方、〆にハードなハングに着手。

脆い砂岩質、次々に砕けていくキーホールド。
残されたホールドではどうラインをとってもv10は下らないだろう。

最上部、岩ころが重なりできた高座の上で強烈な一手を狙う。

悪いランディングで力みすぎてしまったのか、大丈夫だと思っていたアンダーがブロック状に剥がれ後ろに吹き飛ばされる。

一瞬のこと

右の岩狙って右腕で受身、落下の流れを変え着地点を目視。
勢い余ってマット外にとばされている。丁度岩が突き出ていたので、最初に接地した左足で踏ん張り粘る。辛うじて背中の強打は避けることができたが脇腹を打つ。

しばらくうずくまりダメージを確認。

脇が痛いが多分軽症。
問題は左足。思いきり石を蹴って勢いの方向を変えたのでどうか。


ダメだ、全然回復してこない。
シンプルに捻挫。この日のクライミングは諦め処置をした後テーピングで固定。撤収することを決めた。


これだけ脆いのにブロックごと剥がれるという計算ができていなかった。
傲慢になっていたのだと思う。

岩に対峙するというのはこういうことだ。

過去の実績や経験は、その瞬間において何の役にも立たない。
どれだけ準備してようとも、自身をどう動かすかはその瞬間の自身に委ねられる。

色々と余計なものを零にし感性研ぎ澄ますこと。
そういうものができていなかった。

反省、
ということで回復に努める。

そして秋穂/エビリューション

山口らぼの駐車場にて。
車の中で迎えた朝、陽が差し込み目が覚めた。

2月14日 快晴

新しい日を清々しく迎えたいところだけど例に漏れず二日酔い。
店内に入り二人を起こす。顔が死んでいた。

 


 

前日の雨の影響でやりたかった岩は絶望的、ということで乾きの良い秋穂ボルダーに連れて行ってくれるという。

らぼから南に車で40分。海辺に接した丘を歩くこと15分で高台に着いた。

展望台に上がる階段の脇に巨石が。

「あ、この岩見たことある。」


 

綺麗なカンテの奥に見える展望台の階段とその手摺りが印象的。

「エビリューション 二段」

渋めの課題かと思いきや中々に。
move解析がとても面白かった。後ほど動画を上げるがこれは見ない方が絶対に良い。

なぜこのクラシック課題を私は見逃していたんだろうか。。。
といえるくらいに素晴らしいラインだった。

ロケーション、岩質、形状、ライン、登った時に達成感、全てにおいて完璧だと思う。

前後によくわからないノーハンドスラブや変なマントル課題をさせられたが面白かった。

Joyの店番があるので13時撤収。

テルテル坊主に挨拶をしふくたろうを乗せて山口をあとにした。
(そういえばふくたろうずっと気分が悪そうだった。。。飲み過ぎやめた方がいいね)

疲労困憊の中案内ありがとうございました。また飲みに行く。

 

 

 

 

 

クリノシマDay2「トロイメライ」

空を見上げると虹が出ていた。
道路は濡れている。
午後からは本格的に雨が降るようだ。


クリノシマの記録二日目

1月13日
民宿で迎えた朝。

どこに行くかは任せることに。出発直前まで悩んでいたが岬のエリアに決まった。ここにはもう一本のキングラインがある。ならば…。

9年ぶりの岬。
岩盤の上から見る壮大な景色に感動した。

下にまわるとすぐにキングラインが。

見上げて怯む。

ハング中央に並ぶホールド。この明瞭さでかつて敗退していることを考えると、純粋に難しいんだろう。。。

正午過ぎに動きは固まった。あとは中央のフラットなカチを本気で抑えるだけだ。
予定時刻をわずかに過ぎたころ、狙っていた一手が止まりそのまま登り切ることができた。

と、簡単に書いたけど上部もかなりやばかった。
リップへの一手が厳しく選択を誤っていたら落ちていたと思う。

Träumerei(トロイメライ)

グレードはv12あたりか?

プロクライマーの残したトポをもとに探った9年前。

シンボルとなる岩の中央ラインはプロジェクトの文字すらなく…
そんなものに栗崎と夢を見た。
逸れることなく真っ直ぐ続くラインに憧れを抱いた。

今回も本当は二人でトライしたかったのだけど、数時間差で合流出来なかった。

岩は普遍だ。
またすぐに栗崎もトライするだろう。そのときにこの岩の夢と今を共有したい。

結局この日もフルで登ったが、二人とも良いクライミングができていたのでホッとした。
巨大な岩に二人とも苦戦していたが、最終的に心の壁・難度の壁を克服しいくつかのラインを登っていた。

車に戻った直後、ひどい雨が降り出す。あとはのんびりと過ごし島を後にした。


フェリーが到着してからも帰路は長い。

腹ごしらえをと寄った定食屋で貴重品を詰め込んだポーチを置き去るという大失態をかまし、仲間の疲労に追い討ちをかけた。

初めから終わりまで、冴えない私であった。。。
ごめんなさい。

終わり。

クリノシマDay1『青い宝』

フェリー乗り場で足の裏をきって病院行きとなった1月12日。
続きの話。

5針縫う手術、そして抗生剤の点滴。
1日潰れるかと思いきや昼過ぎに終わった。

手術終わりに恐る恐る…
『積極的に歩かない方がいいですよね?』
と聞くと
『強めに縫ったので刺激を入れる意味でもガンガン歩いてもらっていいですよ』
と逞しい回答を得られた。微かな希望が。

さて、
どうやって病院を出るか?

一応仲間に連絡してみる。すると、迎えを快く引き受けてくれた。
貴重な時間を私に使ってくれたことに最大限感謝したい。



急斜面を下り天然林を抜けると視界が広がる。
草原の向こうに壮大な海が。
9年前に見た光景と変わらず再度感動した。

今旅の目的は2本のキングラインに再度対峙すること。
ここにはそのうちの一本がある。

かつて見たその岩を前に、今なら何を感じるのだろう?

変わらずに在ったその岩。

相変わらず途轍もない存在感を誇るその岩は少しだけ小さく見えた。
今ならやれる。そう思った。

恐る恐るシューズを履く。踵を通す瞬間はズキっと痛いが履いてしまえばもう大丈夫。あとは下手な着地さえしなければ大丈夫だ。

軽く触ったところでリップの確認。

すると巨大な浮石が。回り込んでいてよかった。足が万全だったならそのまま突っ込んでいたかもしれない。と考えると運が良かった。

下から引かないと取れないブロックがひとつだけ残る。
そっと登ることとした。

完璧なラインだと思う。
1本目のキングラインが完結した。

9年前この岩を共に見上げて感動を共有した仲間、栗崎と相談し決めた。

「青い宝」

怪我もありグレードはわからないがv10ほどのようだ。


落ちゆく陽に染まる浜でKazahana片手にまったり巡る。

夜になり町に戻る。夕食を済ませて民宿へ。
1日の終わり。

明日の夕方に島を出る。正午あたりに雨が降るようなのでそれまでもう少しだけ岩を触りたい。

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