「その他ナイト含む」カテゴリーアーカイブ

クリノシマ Day0〜1『はじまらないまま終わる旅』

2023年

正月は休みなくjoyを開けた。その代わり月半ばに二日程の休みを取る。

栗崎の故郷の島に開拓へ。


1月11日(旅0日目)

Joy閉店を少し早め夜中に出発。日は跨いだものの目的地であるネットカフェに到着。
無事宿を確保できた安心感でスッキリと就寝。というわけにはいかず。なんやかんやで寝れなかったが仲間もどうやら同じ状況だった模様。

1月12日(旅初日前半)

少し早起きをして朝食を済ませ船着場へ。眠くて仕方なかったがフェリーに乗り込んだ後少しだけ寝れた。

島に着くとテンション爆上がり。

仲間が観光協会に話を聞きに行っている間、暇だったので目についたスラブを走る。

すると靴が脱げて落ち、さらには落ちた先に金属片が。母子球を裂いた。

しばらくすると血が止まらなくなる。タオルで抑えている間、一瞬迷ったが当たり前に病院へ連れて行ってもらった。

そこそこな大事になってしまい、仲間らに迷惑をかけてしまった。

5針を縫う手術、抗生剤の点滴が必要とのこと。これ以上負担をかけたくなかったので仲間らには岩に行ってもらった。

一人取り残され、ただただ手術の順番を待つ。
旅の終わりを感じた。

クリノシマDay1『青い宝』へ続く

 

 

2022年岩登り10選と総括

2月に入ってしまったのでバタバタと振り返り。

2022年
四季変わらず仕事の合間に岩を登った。

難しさではなく印象に残った素晴らしいラインを10選(季節順)


❶天上桟敷 /唐泊 1月初登

チームKHBCにより公開された2002年よりprojectになっていたライン。台座の上にあるハングの中央ライン。ランディングがやばく中間部のmoveを起こせば戻れない。上部は果たして?

❷Art of life v13(四段+) 2月初登

大豪雨によりエリア完全崩壊から。存在した全ての岩がなくなってしまったけど、ほんの少しだけ巨石が出現した。そのラスボス。

❸メデューサ 2月初登

美しい水と渓谷、磨かれた甌穴に一筋のクラック。まさか身近にこんな完璧なクラックがあったとは。。。

❹ドン・コルレオーネ/傾川 2月初登

地元クライマーにより開拓が進む傾川。案内を受けエリアを回っているうちに出逢い一目惚れしたライン。2023年1月に完成体が登れ、より素晴らしいラインに。

❺Pandora 4月初登

3m程の高さにあるルーフ。とても格好良いのだけど…かつては背中落ちが怖くて攻めきれなかった。満を持して今。

❻閻魔堂 6月初登

川を覗くも石ころはない。ふと足元を、そもそも今立っているこの岩盤こそハング。ランディングは浅瀬、底はゴロゴロと石。魅力的なラインは決して落下を許されない。

❼ポータラカ v12(四段) 9月初登

普通に良い岩、良いライン。

❽ペンタプリズム v13(四段+) 10月初登

西のbig project。ブランクセクションをランジで解決できた時はテンションが上がった。核心はその上だとも知らずに。岩の美しさ、ラインとムーブの格好良さ、難しさ、構成、何をとっても一級品。

❾FAR/鶴見岳絶望岩 10月初登

20年来ずっと登りたかったライン、ずっとトライをしなかったライン。登れてしまった、登ってしまった。良かったのだけど、登ってよかったんだろうか。

➓君子無朋 v13(四段+) 11月初登

3年間暇な時にダラダラやっていたハードムーブ。春、その一手が止まった。それでも登りきれず、後半三段ほどの4手で落とされ続けた。秋に初登。ペンタプリズムしかり今季は難しい一手に向き合った。

岩登り日数 81日
初登本数 137本
v10以上 38本
v12以上 11本
v13-v14 4本
段数 173

例年以上に良い岩が登れた2022年、紹介してくれた縁や人に感謝。
また初登本数は例年の半分ほどだけどそれ以外は、(初登以外も含めると)高い難易度の岩を多く登ることができた。

雨続き、西の果てにて

いつまでも2022年の記録。
しかもまだ11月。。。


11月は雨が続いた。
今季やっているprojectはどれも乾きが悪い。ということで、ずっとやりたかったことに切り替える。西の果ての海岸へ。

11月21日

ローカルに場所を教えてもらいようやく実現した。手前の街で待ち合わせしいざ。

この地は、2000年以降枝村さんを中心にまったり登られていた。メインの岩の奥には元さん(平嶋元)初登のルーフ「無題v11/三段+」も。


11月ともなると流石に静か。奥に見える大岩壁は遠目からでも脆いのがわかる。

浜を歩くこと10分、ずっと写真で見ていた岩が。10年近く気になっていたのでテンションがあがりすぐさま登り出し。最難であるトラバースも登ったがそれ以上に正面がとてもよく。何度も登った。

そして「無題 v11」

メインの岩同様にかなり脆い。
どこまでホールド強度が信頼できるか未知数だったが、極力出力を抑えてのクライミング。
そういうものがとても楽しかった。

 

目的だった二つの岩を堪能したあとは、その辺に転がる岩を適当に登る。前夜の雨に半ばレストも覚悟したが、夕暮れまでフルで登ることができた。

良い場所、また夏でも海遊びついでに訪れたい。

 

郷愁の海、黎明

地元というには少し遠い海辺。子どものときよく連れてきてもらっていた。

手前の浜には大勢の人がいたけど、このゴツゴツした場所は誰もおらず。父はそこにテントを張り釣りをしていた。

高校に入ってからは、その場所にひとつだけある岩でボルダリングの真似事をした。

2022年12月

大分での仕事を終えた次の日。
疲労は溜まっていたが、岩にも行きたかったので乾きのよさそうな海辺へ。

佐賀関 大黒海岸。

冬に来たのはもしかしたら初めてかもしれない。
少し寂しげな風景。

2015年に登った浜黒き果て青し の左を登った。
下部も繊細だが、リップへの一手が痺れる。

黎明 v9/10(二/三段)

浜黒き…は当時より下地が下がっており、今なら顕著なガバからスタートするのが自然だと思う。ホールド欠損もあり v8/9(二段)が丁度良いのではないだろうか?

その後は登るでもなくのんびり過ごした。
またそのうち癒されに来たい。

トポ

 

西のBigProject➡︎ペンタプリズム

噂に聞いていた西のBig Project。

ほんのり開けた場所に佇む巨石の中央、
ブランクセクションをフルスパンフルパワーの一手で越える。

初めて捉えたあの瞬間が強く残る。
その次の瞬間に訪れた絶望感とともに。
『核心は上部だ。』


2020年秋、
西の開拓者に幾つかのエリアを案内いただいた。

どの岩も良かったが、日暮れ前に見た西のbig projectは特にヤバかった。
噂には聞いていたけど想像を遥かに超えてきた。

2021年秋
関東の友人とともに再訪。
すでに一本やった後で疲労はあったが岩を前にすると全てが吹き飛んだ。

岩の中央、リップに見えるシワらしきもの目掛けひたすら跳んだ。
掛かりは確認できたが捉えるところまではいかず。


2022年梅雨
可能性を確認すべく再訪。コンディションは悪かったが十分にある。
そして今季2日目、なんと問題の一手に成功した。

テンションマックスで見上げた上部、想像以上にホールドが見えない。
ある種の絶望、核心が続くことを知った…。

心にくる最上部のシビアなシーケンス。
秋を待つ。


10月20日

気候は十分。長崎出張を理由に心寄せてみることに。

初手を止めねば勝負にならない。
アップを済ませ気合を知れた初トライ。

右のフットホールドがぶっ飛んだ。エッジだったものが単なるプチに成り下がった。

こうして初手が止まらなくなる。
となると止めたトライで登りきりたい。

上部のヤバさはわかっていたが粗方イメージはある。
初手が決まったらつっこむ、マットを一枚足した。

15時までの予定でやり続ける。

15時30分、初めて止まった。そのトライで無事登りきることができた。



ペンタプリズム v13(四段+) 初登

初手のパワー系シーケンスから、進むほどに繊細なシーケンスへ。
最上部は最高に痺れた。

静かな空間に佇む岩の存在感、独特な形状、ラインの潔さ、シーケンス(内容)、全てに於いて完璧だと思う。


繊細な環境にあるエリアを快く案内してくれた開拓者たちには感謝しかありません。
また農作業をしている脇で岩にへばりついて遊んでいること、受け入れてもらっている地元の方々に壮大な感謝を。

ひっそりと長く在り続けていけますように。みなさまありがとうございました。