はじめに…
情報提供いただいたk夫婦には感謝!とても濃い体験をさせてもらいました。しっかりと整えリベンジしたいと思います。
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8月24日
写真で見たやばい岩、ずっと気になっていた。
夏ももう終わる。あと1週間もすれば気候も徐々に良くなってくることだろう。その前に見に行っておきたい。
ということで本日偵察決行。
真昼に訪れる満潮が少し気がかりだったけれど、、まぁ何とかなるだろう、と。
現地につく。
いきなりトラブル発生、アプローチが海の中…
仕方ないので岩礁をトラバースすることに。
ひとつめ
5.6程度。とにかく脆い。極力ホールドに荷重をかけたくなかったが、マットやギアが重過ぎた…
ここはなんとか突破。
次の壁
なんだか微妙に傾斜がある。
ホールドは良いので、引きすぎぬよう欠損に気をつけながら進む。すると案の定、左手ガバが欠損。
指先程度の欠損であれば堪えれたと思うが、でかいブロックごと崩壊。ブロックを腕で押して身体にぶつかるのをかわしながら海に落ちる。
水深は腰ほど。マットとギアは辛うじて無事。
オンサイトを逃したことが無性に悔しかった。5.8くらいだと思う。
そこからは、もはや色々なことがどうでもよくなり海の中を進む。
ひとつ目の峰を越えたところで岩が現れる。良い感じ。写真の岩はもう一つ向こうの峰だろう。
マットとギアを残置し偵察に行く。というのも、見るからに先ほどの岩礁より悪そうなアプローチ。
空身だとやはり楽だ。余裕で熟すことができた。
目的の岩に着く。想像通りの岩だった。
正直心は折られた。マットは2枚はほしい。万が一に備えて誰かいてほしい。何より心の準備が必要だ。
今日は敗退を決めた。
トライするにあたって懸念事項がひとつ。果たしてマットは運べるのか?今の潮位(130オーバー)であればかなり厳しい。潮位が下がるまで待ってみることにした。昼寝をする。
17時、干潮が近づいてきた。
潮位は大体70。アプローチしてみる。膝までは浸かるもののマットは運べる。
今日の引き具合から考えると、トライ可能時間は干潮前後の3時間程度。問題点はまだいくつか残る。それでも、トライできる可能性が出てきただけで収穫あり。ゆっくり考えようと思う。
さて、潮も引いたので日暮れまでわずかな時間登ることに。
モーリシャス 多分初登
来たときからこの岩の裏が気になっていた。干潮間際にも関わらず、潮は引かず。痺れをきらしマットを抱え、胸まで潮水に浸かり回り込む。
かなりの閉鎖空間であった。
両壁面、私を威圧するかのように被っていたが、奥壁はスッキリしており特に良い。見上げるとハーケンが打たれていた。
先人恐るべし。岩の上にリングボルトっぽい影が見えたので懸垂下降でアクセスしたのだろうか?それとも潮のタイミングが合えばこんな苦労せずとも来れるのだろうか。
やがて陽が落ちる。
潮はまだ引くはずだ。
18時、潮は引いてきたが波がどんどん強くなっていく。この閉鎖空間から出れなくなるような恐怖心が発生。現にさっきまで乾いていた足元に大飛沫が…時は経つにつれどんどんひどくなっていく。
恐怖心が高まる。
海に入れなくなった際の脱出口を見つけておかねば。最悪マットは残置しようと決めた。
波かかる岩盤に、意を決しマットを投げ込む。そしてトライ開始。特になんの問題もなく岩の上に辿りつくことができた。
七方塞がり(中央)
すぐさま洞窟に戻る。まだ大丈夫。
なんやかんや欲が出てくる。どうせマットはビチャビチャ。ついでなので右のラインと左のラインも登っておいた。
用は済んだ。海をまわるのは正直面倒になりマットを担ぎ、先ほど登った一番やさしいラインを登り返した。洞窟からの脱出。
岩の上で見た夕陽は開放的で美しく、少し気が抜けた。
私は一体なんてバカなことをやっているのだろうか。。。
ちなみに、洞窟内手前の壁の3課題は、都合が良過ぎるほどガバが存在し、あまり面白くはなかった。
開かれた場所で夕陽を眺め、日暮れまでまだ時間があることがわかった後は心地良い海辺をのんびりと歩く。