「RockPath」カテゴリーアーカイブ

広島ココペリ出張「基礎と応用」

10月16〜18日
三日間の福山(広島)出張。

場所は半年に一度のココペリ。

毎度、刺激的な仕事に呼んでいただき感謝なのです。

今回のセット内容はいつもと違いました。
まずはこちら。

ココペリ7周年ということで、はじめてのコンペ!育ちゆくユースたちを思い、対象は学生達。くまさんらしいなと思いました。

ということで、いつもの100本オーバーのレギュラーセットではなく、今回は60本のコンペセット。

ココペリ常連は岩場ガチ勢主体。いつもだと繰り返し登られることを考え、自分なりに「ポジション位置とムーブの
入りの適切さ」を考えながらセットしていましたが今回はコンペセット!

レギュラーセットとコンペセット
基礎と応用(対応力)なんてよく言われますが、究極に近づけばどちらから辿っても案外似るのではないだろうかと思いました(完全なる脱線( ̄ー ̄ ))

私自身機会の少ないコンペセット。レギュラーセットに比べダイナミックな冒険ができるのは確かで、自身とても勉強に。
今回実はコンペセットのプロフェッショナル、平松氏がゲストセッター!なんて刺激的なんでしょうか。

登る身としては対応力、
作る身としては応用題の幅、
道としては試登時の謙虚さ。

精進します。

さて、コンペはというと…

無事終了したようです!私も一安心。
そして何と、課題の9割5分が残るようです!!

キッズ・ユース用にこの本数が用意された環境は極めて貴重。近くの子達は羨ましいかぎりです!引き続き楽しんでもらえたら良いなと思います。

関わってくれたみなさま、ありがとうございました。
また来年〜(一部は年内度々会うでしょう♪)

戸河内で登る

10月15日
翌日から福山で仕事。という事でこの日は移動日、せっかくなので岩に寄ろうと。

どこに行くか迷ったが、最近チラチラと話を聞く機会があった戸河内にした。大昔、関西から帰る途中に1時間だけ寄った記憶もあるが何をやったかは忘却。

(戸河内)ーーー
広島市の北西部に位置し、福山までの道のり丁度半ば。広島ユースの保護者の方にローカルのクライマーを紹介してもらいざっくり下調べ。トポ自体はロクスノ53号(2011年)にあり。
ーーー

深夜に出発し、途中のサービスエリアで仮眠。吉和インターで高速を降りエリアに向かう。
岩登りの準備どころか朝飯も済ませていなかったので、コンビニに寄り体勢を整えようと考えていたところ人里全く無く、そのままエリアに着いてしまった。

車を漁り、残量300mlあたりのコーラを発見。これがカロリー0だったら諦めて山を降りていただろう。昼までであればいける気がした。

今回の目的は周りから話に聞く限り、ノロの岩、モスランジの岩、サザンカの岩が分かりやすく”良い”と聞いたのでその3つが目的。

(エリア)ーーー
駐車スペースは路肩に点在。それぞれが狭く、気遣いが必要だと感じた。

エリアアクセスは信じられないほど良い。徒歩30歩以内。ランディングもかなり良い。エリアに車をとめてから5分以内に本気トライ可能。人気になる訳がわかった。
ーーー

まずノロの岩。

表情が面白い。
ノロ/ジャバーナ/ノロsbs/noname4級を登る。

ノロsbs 3段
ハング中央、顕著な弱点をつき登る。小ぶりだけど内容がぎゅっとしておりとても良かった。

次にモスラ岩

Up/レスキュー返し/モスランジを登る。これは人気になるはずだ。ホールドの成り立ちがどこをとっても絶妙。何を登っても面白い。

次にサザンカの岩
…の予定だったけど、発見できず。snsにヘルプの投稿を。すぐに何人かが連絡をくれ無事発見。コピーしたトポのページが逆になっていた。いくら上流を探しても見つからない訳だ。

ということでその合間にイカズチの岩を。


イカズチ/カナヅチを登る。少しラインが分かりにくいがボルダーぽくて良かった。私もこの岩が身近にあったらこう登るだろうなと思うラインが課題になっていた。
裏面のフェイスがとても気になったが、ここまで来て未知数の岩を触る必要ないだろ!と思い直しやめる。登られているのかな??

ということで気を取り直しサザンカ。マットを一枚追加した。

格好良い岩だった。強度はないが高さのある岩をグイグイ登る感じが良い。

ということで本日の目的は達成。良いエリアだった。コーラも尽きお腹が空いた。時刻は13時過ぎ。夕方には広島ユースとジムで待ち合わせをしている。撤収する理由は山ほどあったが、実はサザンカのトライ前に岡山のクライマーと出逢う。聞くと今から「雨垂れ石をうがつ」をやるそうだ。

私は阿呆なのでご一緒させてもらった。山を歩くこと10分、これは一人じゃたどり着かなかったなというアプローチ。ある種ラッキーだった。綺麗なハング、見学で終わろうと思っていたがやりたくなった。私は阿呆なんだと思う。初見トライは見事に3手目のヒールが外れフォール。そこだけ数回やってmoveはバレた。時刻は14時、もう無理。敗退を決めた。

最後の最後で良い岩を教えてもらい、さらには飴を分けてもらい、暖かくセッションさせてもらい、最高じゃないかと!再訪する理由ができたところでバタバタ撤収。

ーーー
温泉に寄り、飯を食べ、睡眠をとり、夜は広島ユース.広島の岩仲間(岩を一緒に登った事はないけど)とジムで登った。

21時、福山に向け移動。車中泊の予定だったが、前夜あまり寝れずホテルを探し翌日に続く。

ハレルヤ初登

10月10日
粛々とアップをこなし山に入る。

少しだけ慣れてきた山道を歩く。岩を前にしホールドを磨き、トライ開始。

正午前、核心の一手が止まった。

そして無事に登りきる。

hallelujah(ハレルヤ) v13(四/五段)初登

ようやく最上級を更新できた様に思う。ニライカナイを登って3年ちょっと。あれから、難しい課題は度々更新したものの素晴らしい岩を登れたかと問うと、即答出来ずにいた。

圧倒的な存在感を保持するニライカナイ、それと比べると巨石の脇に潜むハレルヤは見劣りすると言えるかもしれない。

しかしながら、巨石の脇にまわり込みこの岩の存在に気づきさえすれば、見上げた瞬間見惚れること間違いなし。岩とラインの美しさは最上級。その上で、初手からボルダリングらしい強度の高い動きを要求してくる。最高じゃないか。

登攀対象として見上げたとき、突然気になりだすのは後ろに広がる斜面。共に対峙したクライマー達は往々にしてドン引きしていた。もちろん私もはじめはそうだった。
通うに連れ静かに慣れていき、いつの間にか気にならなくなった。

余韻に浸っていると、防災無線チャイムが鳴った。正午だ。昼過ぎにクライマーと麓で待ち合わせをしている。慌てて荷物を片付け、山を後にした。

トライできた時間こそ短かったものの、一人で対峙した時間と同じくらい仲間と一緒にこの岩を見上げた。タイミングが良かったのだと思う。もちろん案内してくれたブチ氏と並び、この岩を見上げたことも。

トライできた日もできなかった日も、かけがえのないひと時だったように思う。プレッシャーにやられ情緒不安定な瞬間も度々あり、そんな私のトライに付き合ってもらえた事に感謝。

ハレルヤの初登。ひとつの節目ではあるが登りたい岩はまだ尽きない。のんびり通い続けたいと思う。またお付き合いいただければと。

支配された日々(ハレルヤのトライ)

8月中頃
知人が来店。とある花崗岩の写真を見せてくれた。ぱっと見、よくわからない岩だったけどスケールと岩質だけは理解できた。どちらにせよ今やっているprojectをやれる気候でもなかったので、見に行くことに。

翌日、早速偵察。私の足では空身で15分の山登り。(後に出逢う地元の方はこの山自体を15分ちょいで一周する!)

素晴らしい岩だった。もし成っているのなら、とんでもないクオリティの岩だ。スケールは最上級の課題「ニライカナイ」に劣るものの、岩の美しさやラインの顕著さは圧巻。

雨上がりの気温高めという最悪のコンディションのなか少しだけやってみたが、実際のところ勝負にならなすぎてよくわからなかった。

9月
雨が続く。晴れたとしても山自体が水を持ち岩は乾かない。

トライを諦め、掃除に徹した。岩の表面に付着した砂と苔を落とし、パラパラした表面の結晶や脆いフレークの縁を落とす。この時点でこの道筋の可能性は理解できたわけだが、最上部のヤバさは考えないことにした。

9月30日
ようやくまともにトライできるコンディションとなる。

十分悪い下部をこなし、上部へ。リップまで綺麗に続くダイク(岩脈)も、中間部からは全く使えないものとなる。リップ手前のサイドポケットがとにかく狙いづらい。

最上部が核心となると気になってくるのはランディング。着地できる箇所が狭い。そこを超えて落ちるとかなり下まで落とされる。

この日は精神的にかなり充実していたにも関わらず、一手が出ず。敗退を決めた。難しさによる敗退。この瞬間、私の思考はこの岩で支配された。
いつまた対峙できるか?着地は本当に大丈夫なのか?問題の一手は本当にできるのか?支配されるとキリがなく、取り留めもなく思考が巡る。それも四六時中。こうなると私自身かなり面倒くさい。結論付けできるほど、この岩の事をまだあまり知らない。

10月7日

登るつもりで再訪。良いトライはあった。実際この日、登れるチャンスはあったかもしれない。でも登れなかった。私自身の内側から発生する雑念が多過ぎた。
この日のトライで全ての雑念は拭えた気がする。そしてこの岩の事が芯まで理解できたように思う。敗退。

通う日々の中で出逢う様々な人達。岩登りなど怪しい事をしているにも関わらず、決まって別れ際には気遣いの言葉をくれる。精神的にギリギリの岩と対峙しているからか、幾度となく励まされた。

何人かは「この静かな山が好き」だと言った。私も同じ。
次登れたとしても、そうじゃなかったとしても、通う日々は続くだろうと。

冬前にShadow

去年の記事を見返したら同じような時期にshadow新調。


(毎度感謝。)

集中的にprojectを攻めれる季節が来ると、シューズの消耗が気になりだす?

程度なダウントウにニュートラルな踏み感。
軟らかいハイエンドシューズの中では自由度の高い一足だと思う。
(ジャストサイズ実寸24.3cm/us7.5)

ジブスや花崗岩の結晶立ち込み等を求めなければ1時間程度で馴染む。(縁を削るならその状態で立ち込みも可能。)
完全な状態までの慣らしは、人工壁で8時間(3日?)くらいだろうか?

爪先の剛性が極めてほしい時やヒールで思い切りカキコミたい時のみ履き替えるけれど、それ以外は全く不都合ない。

使い込んだシャドウの変形の写真をアップして記事を終えようと。
今季も良いトライができたら!