day3
私は朝が苦手だ。
起きると、温かい味噌汁とご飯、魚が…。
食後のコーヒーを頂き、その後ギアの整理をし助手席に乗り込む……。
何て幸せな日々であったのだろうか。
室井さん夫婦に心より感謝。
3日目、天気は曇り。思ったより良くない。
踵の打撲も想定より辛く、歩くと痛む。
そこまで打ち込んではいけないことを自覚した。
岩は昨日よりは乾いていたがまだ濡れている。
湿気ぽい皇帝岩で初段まで登り、目当てのインドラへ。
そこには先客パーティが、踵のこともあり、少し安心している自分がいた。
マットがあることに。
故障を言い訳に、これで心置き無く突っ込めると開き直りトライ開始。
数便でシーケンスを掴み、こなせることが分かった。
このトライではっきりと分かった。
わかってはいたのだが、バラしの段階でのマットの有無はリミッターのコントロールに大幅に影響する。
リミッターが解除された状態でのmove起こしは、凄く久々の感覚で…
もの凄く力が出たことに驚き戸惑った。
自身開拓中のエリアであればこうも痛まないであろう。
ここは瑞牆だ、ここまで来て何をやっているのだ。
マットがあることにより、岩と葛藤できる機会を失う危険性もあることを痛感した。
気持ちの晴れぬまま、シューズに足を通し、取り付きに立ち、浅いポケットに指をかけ、身体を引き上げる。
そのまま動作に集中し、核心を越えたと思いきや、中間部のカチが湿気ていた。
やばい、そう思った時にはもう下にマットがあるなしは完全に頭から飛んでいた。
落ちたくない一心で最良のmoveを選択しガバに見えるポケットに指を伸ばす。
幸いガバであったことから安心し、そこからは冷静にトップアウトをした。
インドラ、
スタイルの話に結論は出ていないし、ここで語るは役不足なのでやめておくが、
……ただただ様々な事を深く考えれたのはこの課題があり、理想的なスタイルで初登された経緯があり、
さらには
この状況で登るのは頭ではなく身体だと教えられ……。
良い体験をさせてもらった。
その後は、どんどん悪くなるコンディションの中無理やり登った。
課題はどれも印象的だったし思いのほか攻めたクライミングも出来たが、
在り来たりな文になるので略す。
夕方、
湿気が酷くなってきたのでジャンボボルダーに移動したが、ここも駄目。
潔く撤退。
学生集う不思議な空間でお土産を買い、タンメンと呼ばれるものを食し一日を終えた。