たどり着いた頃にはすでに、陽が沈みかけていた。
夕陽があたり、岩は橙に染まる。
それはとても美しいのだが……。
険しいアプローチは、行きの整備により大幅に楽になった。
しかし難解さは健在で、暗闇の中帰れる自信は無い。
すぐにシューズを履き、アップと決めたクラックに取り付く。
「中間のクラックまでうまく切り抜ければ、あとは易しい」
と、読むが
そもそもクラックまでたどり着かない…。
陽がどんどん落ちていく。
グレードの見込みを誤った。
30分程度だし続け、アップが終わったところで振り絞り、
辛うじてクラックまでたどり着いた。
スケールのある良い課題であった。
逢魔が時 v8
さて、暗闇が訪れる前に車に戻らねば。