「RockPath」カテゴリーアーカイブ

稲妻カチと天道虫

稲妻カチをガスで入りマッチ、
その後のmoveがよく分からず放置すること10年。

[ カナブンロック左面 ]

傾斜のある綺麗なフェイス、ずっと成っているとは思っていた。


横を向き外傾した稲妻カチから、どうしても身体が左に入ってこない。
昨年春、ふとトライしてみると有効な重心位置がわかる

2023年12月25日
天道虫 v13 初登


限界を超えたラインだと思い放置していた。
あの頃、シーケンスを発見することを諦めず根気強く通い込んでおけば「旬」だったのだろう…と少しだけしんみりした。


最後のラインが終わったのでその周囲を登り返しトポを整理した。その後日暮れまで一山歩き、新たな岩脈を発見。

また。

きっかけの岩、天守 四段(fa)

「 雨宿りproject 」

通うきっかけとなった岩。
この岩がなければここまで通うことはなかっただろう。


昨年、初めてミナッチに案内された際
「いつも登ってそうな岩!」
と紹介されて
(確かに)
と納得してしまったけれど…

ルーフ大好きだとはいってもこれは難しすぎる!
丁度良いハング内に散らばるギリギリのホールドたち。

果たしてこれは登れるのか…
梅雨に判断できるものではなかったので次のシーズンへ持ち越し。

 

2023年暮れ〜2024年明け

吉四六、そしてゴジラ。
それら目的に通う中で、ずっと頭の中にあったライン。

1月15日

取り付くまでずっと緊張していた。
冬の気候で駄目なら当面駄目だ。果たして勝負になるのか?

結果は…核心の一連に成功した。

となるとスタートからやってみてどうか?
しばらくすると、なんと核心が突破できてしまった。
この勢いのまま登ってしまいたいと欲がでる。

その後夜まで粘ったが、結局上部のシビアなパートで何度も落とされ悔い残る敗退となった。


1月17日

翌日の雨を見越し閉店後に直行。

moveは完全に身体に染み込んでいた。体力も全快。
2日前のトライが嘘のようで、核心突破後ダメージをほとんど感じなかった。

「天守 -amamori-四段」初登

あの日見たあの岩は、本当にこの岩なのか?
少しだけ信じられないけれど…登れたことが純粋に嬉しい。

雨が降り出すまで登ろうと周囲のprojectを巡ったが、結局明け方まで降らず。
いくつかの好課題が出来たものの帰りの運転は地獄だった…。

きっかけの岩が終わった。
…ただそれははじまりのきっかけというだけで。

通う間にどんどん新たなきっかけが。

新たな岩に、
まだ見ぬ岩に、
ローカルと語らいに、

菊池通いは続く。

菊池通い2 Godzilla

2024年元旦
菊池へ

※12月の雑記はまた

 

雨が続き、結局2024年になってしまった。
本題の雨宿りpは染み出し、ゴジラ岩の側面を掃除してみることに。

午前中はざっとアプローチ作成。
午後からロープにぶら下がる。

上部は蔦に覆われ全容はわからないものの上部は隠されたガバが出現すると考えていた。

蔦を退かしフェイスへ降りる。

思ったよりも壁が立っており、想像に反してすっきりと綺麗なフェイス。
脆かったらどうしようなんて考えていたが、むしろ硬くてホールドは乏しい。


核心であろうハングを抜けた先のカンテにフラットな棚があり、
そこからリーチ目一杯の距離にあるリップまでホールドはなかった。
さて…。

掃除を終えたところで、やすさん筆頭に地元開拓者たちが合流。
まったり談話しつつ楽しく過ごし後、再びゴジラ岩に戻る。

改めて見上げると威圧感半端無い。
ランディングは極めて悪く上部で失敗はできない。

中間部の核心であろう片手サイズのフラットな棚にデッドするmove。
落ちても大丈夫だと思うけれど…失敗の想像はしたくない。

1月7日

閉店後に直行。この機を逃すと(天候的、スケジュール的に)当面触れそうになかったので強行した。

ロープに下がり状態を確認。
前々日までの雨が心配だったけれど岩は乾いていた。

濡れていた前回と比べると保持感が全く違い、不安だった箇所も許容できる範疇に収まっていた。


いざ。
下部のハング中の動きはすぐに完璧となり核心前まで繋がった。

核心、最初の一手をとめたらもう後には戻れない。

 

しばらく休んだところで覚悟を決めて、
やる。

核心の一手を捉えた。
ほんの少しだけ不安だったリップへのダイナミックな伸び上がり、

躊躇したらやられると思っていたので無心で出すことを決めていた。
ちょっと嫌なマントルまでの一連を作業的にこなし一つ目のリップを超えた。


二つ目のリップまでは慎重に。服に枝を絡ませたり、土で滑ったり、虫に驚いたりせぬよう淡々と進んだ。

そして…
岩の上を歩き裏面をクライムダウンしゴジラ岩を半周。取りつきに戻った。
到着から1時間の出来事。

Godzilla 三段 初登


時間も体力も残っていたが翌日の店番を考え自重し撤収。
帰路見える街明かりが綺麗だった。

そして本題、雨宿りprojectへ

菊池通い再開「吉四六」

12月
菊池通いの日々がはじまった。

      初日          12月18日            

*雨宿りp 初日
*一二三ダイレクトp 初日

今季の目標のひとつ、雨宿り岩のハングがここには在る。
ザ・ボルダー的内容で強度が高いうえにシーケンスも多めで勝負が長い。

相変わらず悪かったが、気候に助けられ核心の2手を繋げることができ一安心。


正午過ぎ、開拓者やすさんたちが。
休みをとってきてくれたらしい、有難すぎる。

合流後まだ触っていなかった岩でセッション。
いくつかの課題が完成した。

私はナイト突入。

昼間やりかけた一二三ダイレクトpの続きを。
エグい割に浅いポケットからリップのガバにランジする。

リップワンハンドになり失敗すると吹っ飛ぶ。
あまりの吹っ飛ぶ具合にみんなドン引きしていたけれど、飛び方を変えると幾分ましになった。

 

         2日目      12月21日                     

**一二三ダイレクトp 2日目

大寒波、そして大雪。ひどくなる前に。

本題の雨宿りpはいきなり指皮裂いてしまいお預け。
予定変更し一二三ダイレクトを。

粗方仕上がったところで雪が積もり出し帰路心配になる。
どちらにせよリップが濡れてきていたので丁度引き際だったのだと思う。

          3日目     12月28日                            

***一二三ダイレクトp 3日目 
**雨宿りp 2日目
ゴジラp 偵察

一二三ダイレクトpに成功、
ランジの際、横の石に微かに掠ったのが心残りだけど登りには影響していないと思うので一旦これで満足したい。

一応名を「吉四六 三/四段」とする。


雨宿りpを練習。裂けたところが前回ではないものの感触はよく、次回勝負をかけたい。

トライの合間に、やすさんから聞いたゴジラ岩の側面を見てみることに。谷を下り岩を見上げ驚いた。

威圧感半端ないものの、存在感抜群のカンテラインは成っていそうだ。

かつて見上げたはずだけど記憶に残っていなかった。
登攀対象として見ていなかったのだと思う。

これはやばい、すぐに戻ってくることを決めた。

そして2024年へ

 

森羅万象

「こりゃ無理だ、成ってはいそうだけど」

一眼見て諦めた。
連れてきてくれた工藤さんは隣で嬉しそうに見上げていた。


出張のたびに足を運び見上げたが、やっぱりない。
デカすぎるその風貌に見合わないランディングの悪さ。やれる気がしない。


2023年秋

早々にリルラリルハv12が完成。時間ができたのでその岩を掃除してみることに。

ハング抜け上部へと繋がる外傾した棚は右に伸びている。
本来なら右に進むべきなのだろうけど…ランディングが悪すぎる。

ダメもと弱点を無視し直登ラインの掃除をしてみるもガバはおろかカチすら出てこなかった。

仕方なく右を掃除すると、やはりラインは存在していた…。
やるしかない、ことがわかった。


12月4日

めじろんカップ翌日、
やらない言い訳がないほどに晴れた。
気は重いが出向く。

濡れていた前回とは違い、岩が岩の色をしていた。
ロープに下がり状態を確認し流石にリハーサルをする。
上部のムーブは悪いままだけど、状態、そして感触は前回より遥かによく。

問題は下部。ハング中のムーブができるか少し心配だったけれど、乾いたホールドを触った瞬間できると確信した。

状態が良くなる瞬間を待つ、そして夕方。

強度の高い下部を超え上部へ。
万が一失敗してもマット位置は完璧だと思う。
意を決して突っ込む。

フェイス中の核心を超えマントル。岩が露出していないので、ありのまま根っこや土を探り慎重に抜けた。

ー 森羅万象 初登 

岩の様、在る場所、離陸し岩の中を通り樹林帯に抜けるまでの内容と目に入る景色、全てが壮大に感じた。

 

初めて案内いただいた日から下流に向かい進んできた。

ドンコルレオーネ、
舞空道、
ブラッディメアリー、
リルラリルハ、
そして森羅万象。

どの岩も忘れ難い。どの岩も人が居てドラマがあった。
どの岩も開拓者の熱意を感じる瞬間があった。

良いエリアに育ってほしい。
次からは上流へ、また。