西のBigProject➡︎ペンタプリズム

噂に聞いていた西のBig Project。

ほんのり開けた場所に佇む巨石の中央、
ブランクセクションをフルスパンフルパワーの一手で越える。

初めて捉えたあの瞬間が強く残る。
その次の瞬間に訪れた絶望感とともに。
『核心は上部だ。』


2020年秋、
西の開拓者に幾つかのエリアを案内いただいた。

どの岩も良かったが、日暮れ前に見た西のbig projectは特にヤバかった。
噂には聞いていたけど想像を遥かに超えてきた。

2021年秋
関東の友人とともに再訪。
すでに一本やった後で疲労はあったが岩を前にすると全てが吹き飛んだ。

岩の中央、リップに見えるシワらしきもの目掛けひたすら跳んだ。
掛かりは確認できたが捉えるところまではいかず。


2022年梅雨
可能性を確認すべく再訪。コンディションは悪かったが十分にある。
そして今季2日目、なんと問題の一手に成功した。

テンションマックスで見上げた上部、想像以上にホールドが見えない。
ある種の絶望、核心が続くことを知った…。

心にくる最上部のシビアなシーケンス。
秋を待つ。


10月20日

気候は十分。長崎出張を理由に心寄せてみることに。

初手を止めねば勝負にならない。
アップを済ませ気合を知れた初トライ。

右のフットホールドがぶっ飛んだ。エッジだったものが単なるプチに成り下がった。

こうして初手が止まらなくなる。
となると止めたトライで登りきりたい。

上部のヤバさはわかっていたが粗方イメージはある。
初手が決まったらつっこむ、マットを一枚足した。

15時までの予定でやり続ける。

15時30分、初めて止まった。そのトライで無事登りきることができた。



ペンタプリズム v13(四段+) 初登

初手のパワー系シーケンスから、進むほどに繊細なシーケンスへ。
最上部は最高に痺れた。

静かな空間に佇む岩の存在感、独特な形状、ラインの潔さ、シーケンス(内容)、全てに於いて完璧だと思う。


繊細な環境にあるエリアを快く案内してくれた開拓者たちには感謝しかありません。
また農作業をしている脇で岩にへばりついて遊んでいること、受け入れてもらっている地元の方々に壮大な感謝を。

ひっそりと長く在り続けていけますように。みなさまありがとうございました。

 

 

 

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