「ヨダカ」カテゴリーアーカイブ

2/4 ヨダカ(Big-Zam 雪解け雨水凍る)

2月4日

朝、雨が降っていた。どうするか迷ったけど昼には晴れる予報、マジェスティに行ってみることに。

エリアに着く頃、ようやく雨はやんだ。遠くの見晴らしが良い場所でkさんが作業しているのが見えた。私の目的地からは遠いので挨拶はしていない。それでもなぜか少し安心した。

お互い辺境で何をやっているんだろう。

/////////

マジェスティ、もしかしたら乾くかもしれないと期待していたものの、岩を見てすぐに諦めた。

凍った雨水が岩にこびりついていた。これは駄目だ。

トライはできそうにないのでロープに下がり側面を掃除してみることに。正面以上に高さがある。

掃除を進めていくと、2本ラインにはなっていることはわかった。

どちらも7m付近(最上部)が核心、ランディングは極めて悪い。多分だけどそこだけでv10は超えてくるように感じた。

私がトライできる範囲を超えている。これは放置を決めた。思った以上に時間がかかり、気付けば撤収1時間前。

以前、AYAさんが掃除してくれていた舟岩をやる。

スタート付近の形状が複雑でなかなかスタートを決めきれずにいたけど、外傾した棚にへばりつくよう離陸をし、反対向いて見えない方向にデッドをするという摩訶不思議なmoveで解決できた。

その後もリップランジまでトリッキーな構成が続くラインとなった。

Big-Zam v9/10(二/三段)

ジムであれば、このトリッキーさは面白がられるように思う。

少し時間は余ったが、コンディションも良くないので撤収を決めた。

ヨダカ(マジェスティの岩)

2020年10月

エリア集大成「よだかの星」を登った後も、岩は無数に残っており公開に向け余韻的開拓は続く。

入口付近に在るヨダカの岩。次第に奥へと活動を進めた。とある日、レストを兼ね散歩していた時のこと。最奥に巨石を発見した。

果たしてボルダーとしてやれるのだろうか?どうにせよ新たな可能性に心を奪われた。

11月末

 

巨石をどう抜けるか出口を探す。まずは一本右側面に弱点を見た。掃除後ハングの出口右端にあるガバから登ってみた。そこそこ悪く高さもあり、それなりにプレッシャーを感じた。

Your Majesty
デシマルであればピンとくるけど、ボルダーグレードはよくわからないので保留。

12月10日

前回、抜け方は決めたのでハングから繋げてみる。moveはすぐにできたものの中間部アンダーからの一手が強烈。
そこを成功させても移動距離が長く(アンダーから先16手)ひとつミスが起これば耐えられないだろう。現に一度落ちた。

Good-night,Your Majesty v11(三/四段)

ひとつのラインが完成。

もしかしたら、この巨石ひとつも課題が出来ないかもしれないとも思っていたので少しだけ安心した。
次は一番格好良い正面抜けを試してみようと、時間いっぱい使い掃除を終わらせた。

この日は撤収。またすぐにトライしに来れると思っていたけれど…

12月中旬

 

九州では珍しいほど雪が降った。ヨダカへのアクセスが出来なくなった。
雪はすぐに溶けるだろうと思いきや、定期的に大雪が続く。

そのままヨダカは雪に包まれる。

1月28日

kさんから雪解けを聞き、ヨダカに戻る。この日はリップが濡れていたものの、2月からはトライできそうだ。

 

11/24,26ヨダカ岩(その後)

10月29日に本命となるよだかの岩のメインラインを登り、ひと段落。あとは余韻に浸りながらちょこちょこやろうと。

11月24日 道中酷い雨にあった。当然エリアもビチャビチャ。

やりたかった岩のキーホールドも濡れていた。

仕方なく整備や探索。最奥にバカでかい岩があった。初日にkさんに案内いただいたはずなのだが、記憶漏れ。

でかい岩にラインを見出すのは結構大変。一箇所でもブランクセクションがあれば、そこをかわすようラインどらねばならない。可能性を見出すにはそれなりに労力と時間を要する。時間がないので今回はパス。

中途半端に時間があまったので、隙間時間用にストックしていたprojectをやる。

よだかの星のスタートから左のクラックを辿りコグマザに抜ける。

テケテケダンス v7/初段

次、綺麗に掃除されたピアノ岩。白い岩肌に夕陽があたり、辺り一面オレンジ色に染まる光景はとても美しかった。

フェイス中央には残念ながらホールドがない。仕方なく右にトラバースし、カンテ手前をダイナミックに登る。

Moveができた頃には陽も隠れ、寂しげな空気が漂っていた。

もうじき暗闇に埋もれる。その前に見切りをつけようと思ったが運良く登りきることができた。

Fugue G minor v9/二段

 

11月26日

先日見た巨石を掃除することに。岩の周りの藪をざっと処理し、下のがれ場を落ち着かせ、岩の上にまわりロープを垂らす。

昼過ぎから岩自体の掃除、いくつかの可能性に気づけた。

にせよ道筋遠く、、、これはかなり時間がかかりそうだ。18時より店番に戻らねばならなかったので30分だけトライしてみる。

思ったより難しく、少し安心した。撤収。

 

よだかの星

10月29日
ヨダカの岩の中央のprojectを登った。
「よだかの星 v13(四/五段)」


9月に案内いただいた時、中央にすごいラインができると思った。できれば間違いなくv16(六段)以上。もちろん私が生涯こいつに捧げても登れない難易度だ。

来訪2日目、右足で踏んでいたホールドが欠けた。その影響で、思い描いていた中央のラインは不可能なものとなった。

少しだけ落胆。

すごく良い岩で、すごく良い課題もたくさんできる。現にCampanellaや超市蔵は極めて良い課題だ。良い課題なのだけど、あくまでv10(三段)。高難度の夢が少しだけ小さなものとなった。


山の彩が変わる。ヨダカの岩以外にもやりたい岩はあったので通い続けた。
いつしか中央の新たな可能性に気付く。

確かに正面突破は不可能だけど、左からトラバースするようにホールドは繋がっているように思えた。左手で効かすサイドがいくつか続き、それらを右手ガスで入れればトラバース可能ではないか?
試してみると、難しくはあったがその日のうちに解決した。

極めて悪そうに見えるリップから先も、奇跡的な位置にポケットが存在し、丁度良い難易度で繋がっていた。
可能性大、集中してやることに。

10月15日
トライ中キーホールドのガストンカチが欠損し腰を強打した。ホールドは大幅に持ちやすくなったものの、腰の痛みからトライを諦めた。


残念だけど明らかにやさしくなってしまった。なのに登れない日が続くとは……。

 


2週間のレストを決めた。本当はもう少し休みたかったけど、回復と能力衰退の妥協点、このラインを登る能力をキープするのはそれが限度だと判断。

2週間経過

10月29日

正直トライできるか不安でしかなかった。

エリアに向かう途中、先行してエリア入りしているKさんから連絡あり。諸事情により下の駐車場から歩かねばアクセスできないとのこと。

マットを抱え長いアプローチを歩くことに一瞬躊躇したが、やめるという選択はなかった。

11時過ぎ、無事に岩の前に着く。欠けたはずのホールドは思ったよりも悪く感じた。メンタル的に少し弱っている。

アップを済ませ全てのmoveを出しても、いまいちしっくりこない。欠損により明らかにやさしくなってはいるはずなのに、前半3手を除き全てのmoveで落ちた。

感触は全然良くない、でも腰は大丈夫そうだ。


多くの便数を出すことはできないような気がした。
12時過ぎ、集中して1便目

あまりしっくりこない保持感が続きつつも、落ちはしない。
核心のガス止めもそのマッチも、次のガス中継も、保持感微妙。何故か次のリップどめが完璧に決まった。


スイッチが入り、そのまま集中し乗っ越しへ。

ここまできたら安定するはずが…遠いポケットへの一手がかなり不安定。よくよく考えたら、右足を軸とした動きは、Joyでもまだ痛みがあったのだった。

正直ここで落ちたくない。岩を登りきりたいというより着地に自信がなかった。

随分と長い時間、とどまれるポジションを探したように思う。妥協点を見つけたところで右手を出す。いつもと体制が違ったので、勇気を要した。

ポケットをとらえる。

リップへの足上げ、いつもは空間を保ちインサイドでスメア。ポケット取りがギリギリになってしまったので空間が保てずアウトサイドになる。スリップしそうで恐ろしかった。

左足が上がった瞬間、終わったことがわかった。ゆっくりとスラブを上がる。登れたのだ。

よだかの星 v13(四/五段)


長い2週間だった。純粋に岩を想ういつもの2週間と、ストレスのかかり方が全然違った。健康体で岩が登れるというのはなんと素晴らしいことなのか。登れた時の安堵感たるや。これで回復に専念できる、と。

夕方、すぐ上の河原の岩を登ってみる。実は来るたびに少しずつ掃除していた。
右にトラバースする感じが「大いなる河の流れ(小川山)」を想わせた。

美しき河の流れ v9(二段)

ヨダカの岩からわずか30秒、とても良い岩だった。
このように岩の道は続く。もうしばらく通うことだろう。

撤収。

 

よだかの星【前編】最難の最弱

夏の終わり、K夫婦の後ろを着いていき山を上る。

丘を越え斜面を見下ろした時、美しいハングが見えた。興奮しすぐさま駆け寄る。

期待通り、見た目通りの形状とホールドの並びに感動した。

エリア入り2日目に登ったcampanella V10(三段)はとてもよく、この岩最良かつ最難になると思われた。

良い課題はできたが、広いハングの魅力から離れられず、不可能であろうとも来るたびに眺めた。

ハング中央、リップから先どう見てもホールドがない。
とりあえずやってみることに。ど真ん中のピンチとポケットを使い、やや背伸びをして取り付く。
リップ入口にピンチカチがあることは見えていたので、そこまでは予定通り動く。次の一手はリップはるか先へ。膨らみめがけ適当に手を出したところにまさかのカチが。

とりあえず足を思いきりあげ身体を持ち上げると浅いポケットが見えた。保持する。ちょうどいい悪さだ。うまく使いスラブ面に立ち上がりそのままトップアウト。

オンサイト初登。

なんとブランクに見えていたパートは成立していた。

となると、岩の付け根からここに繋がるラインはないのか。。。

探してみると木で覆われていたセクションにホールドが!
evil hawkのスタートから右に流れるように繋がっているではないか。

興奮してすぐさまトライ開始。明らかなる可能性を感じた。

10月8日 二日酔いの中、トライしてみる。すると偶然ながら核心突破。

全てが出来た。

ホールドの配列に無駄がない。

岩の取り付きからリップまで、蛇行しながら弱点をつく。
美しいラインだ。あとは人が登れば完成。

10月15日

アクシデント、キーホールドが欠損。内容に変化こそないものの難易度は下がった。

(続)