道路が濡れている、どうも明け方まで降ったようだ。気持ちが上がってこない。
昼からは晴れるそうだ。
乾きそうな岩は…海辺か?
ホールド欠損し不可能になったと聞く「凪」を思い出す。時間がある時に確認してほしいと言われていたんだった。
ということで唐泊へ。
満潮は昼過ぎ。波によってはたどりつけないが、その時はその時だ。
正午過ぎ、漁港に到着。冬の日はいつも港は穏やかだがエリアに入ると急変する。この日も例外ではなく波はそれなりに。
最悪、夕方まで待つ覚悟を決めていたが14時過ぎに何とか到着。
「凪」のある岩
ふと、その正面に在るopen projectを見上げた。
2002年KHBCによるエリア公開時に紹介されたライン、私らが再編したのが2012年。
明らかに存在する魅力的なライン、だとしても当時はランディングが悪すぎてやる気すら起きなかった。
「いつか誰かが登るんだろうな…」と。
今ならどうか?
見上げた時、明らかに登れると思った。
見下げる時、これはないと思った。
これはない、岩のデカさに対してランディングがない。悪いのではなく”ない”。
上部で失敗したら…?
一応予防で大型マットを持ってきたが、ランディングに対しマットがはみ出ている。はみ出たところに落ちようものなら下まで落ちる。むしろ危ない。
こんなことならいつものマットを持ってくればよかった。
と、自分の内心に驚く。
今、私は本当にこれをやろうとしているのか。。。
すぐに解に気づく。
向きの悪いホールドを思いきり引く、そのホールドが壊れれば壁の外側に吐き出されるのは明らかで…
浮いてるように感じるこのホールドは大丈夫か?
手前にあった小さなピンチは一発で吹っ飛んだ、緊張しながら動く。
意を決したトライで、登ることができた。
「天上桟敷 初登」
最低限の着地スペース。
露出感あり海と空が近い、いわば特等席感。
大々的にお勧めはしないのでグレードはつけない。
20年前、当時のクライマーも同じようこの岩を見上げたのだろうか。