シバフェイス「暗ノ証」

3月9日
大分での仕事を無事終え、行きたい岩はあったものの少しだけ仕事の余韻に浸る。

目的の岩は取り付けるかどうかわからなかった。というのもその岩は由布山麓にある。

本来なら由布山麓周辺の野焼きは3月頭、ただ先日前を通った際由布の高原は枯れた植物に覆われていた。延期になったのであろう。予想なら丁度この日に野焼きが行われる。もしそうなら入山不可能。

17時、現地到着。やはり野焼きをしていた。幸い目的のエリアは綺麗に終わっており、空気中に舞う灰が出迎えてくれた。黒くなった大地に熱が残る。ただそれもアプローチシューズのゴムを溶かすほどのものではなかった。

目的の岩、10代の頃から焦がれていた岩にはいかず。

シバフェイスに行くことに。いつもならこの岩、藪に覆われ発見困難。野焼き直後なら簡単にアプローチできるのではないかと急遽予定を変更した。可能性があったがどうかすら覚えていないままの強行。

久々に見たその岩はとても魅力的であった。2002年あたり、たまに一緒に登っていたシバさんから教えてもらった岩。中央のシバフェイス以外どこを登ったか全く記憶になかったが、左側がprojectであることは明らかであった。

2度ほどホールドが欠けるがそれで落ち着く。中間部に一切ホールドが存在しない、かつてここで諦めたのであろう。鏡のような岩だと話した記憶がある。きっとこのラインの事だ。

今はどうか?

跳べさえすればリップ手前のカチは持てそうな気がする。ただ跳び出しが異常に悪い。腰から下はややハング、胸から上がややスラブに…空間を作りにくい。直感的に試したmoveがヒットした。

あとは打ち込むだけだ。

暫く跳び続け、きっちりカチを捉えた。リップ付近が微妙に気持ち悪く一回跳び下りる。コツはつかんだのでもう大丈夫。岩の上にまわり、リップ付近を確認。あまり良くないことがわかったが次の便で登りきった。

初登だと思う。名はとあるmoveの和名をもじって
「暗ノ証(ヤミノアカシ)」
グレードは、同系統河頭山のラウンドヘッドオーバーの左のランジ課題より丁度1つ分難しいのでそれをv8とするならこちらはv9(二段)だと思う。

まさかこんな素晴らしい課題を登れると思っていなかった。にせよ日暮れまで時間がある。せっかくなので目的の岩も少しだけ触って帰ることにした。

(続)
※ちなみに帰ってトポを確認、やはり初段以上のprojectになっていた。

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