「その他ナイト含む」カテゴリーアーカイブ

カンテの課題、ロバノミミ

7月14日(かなり前の記録になるが…)
豪雨後、ちょこちょことエリア偵察を進めていた。

河川公園は相変わらず課題水没中。
上流域もほとんどが消滅。

期待していたウラノメトリアは、復活ならず。
まぁいつの日か陸に上がることでしょう。

暇つぶしに分岐からさらに上流、やったようなやってなかったような脆そうな岩をやる。

見た目好課題の予感。
取り付くと速攻足場が欠けてふっとばされた。

エッジを踏むとホールドごと吹っ飛ぶこと数回。
形状にスメアすることにした。
ただ…レイバックのポジションでエッジが踏めないとなるとかなりつらい…。

絶妙なレイバックを決め手を進めては、フックをかけ反対の手を寄せる
繰り返すこと数度でマントルへ。

見た目通りの絶妙なバランスをしいられる好課題であった。
見た目通りの脆さはあまり好みではないが…。

岩の形状から、ロバノミミ(V6/1級)。

///被験者クラブデータ///
気温30℃オーバー/湿度75%/雨上がり
V3(他全滅)
シューズ:キメラ

ユートピアと心霊スポット

8/6 (mon)

静かな夜、
目的のラインは濡れていた。
仕事終わりで疲れた私には丁度良かったのかもしれない、諦める。
代わりに、随分前に登った課題のやさしいバリエーションをまったりとやった。

休んでる最中、ふと近くの岩での大昔の出来事を思い出す。


「錆びた斧を持った何者かが潜む廃墟」

当時(およそ15年前)snsなどない時代、インターネット上でそんな噂が流れた地元のとある場所。

その廃墟には、確かに柄の悪そうな若者がたむろしていた。
ただそんな若者たちも心霊スポットとしての噂が広がるにつれ、徐々にいなくなっていった。
好奇心旺盛な人らが訪れるその場所は彼らにとって居心地が悪くなったのか…
その廃墟の脇にあるとある岩、当時の私には丁度良い規模で執拗に通った。

荒い岩質は指皮をえぐり、良く流血した。常時首に巻いているタオルで止血。
道中はイバラがひどいので大柄の鉈を。背にはウレタンパッド。

朝こそ誰もいないが夕方帰ることには、それこそ柄の悪そうな若者たちとすれ違った。

岩があるのは廃墟の下。傾斜がきつく、彼らとタイミングがガチ合えば、道を占拠するその側を数往復する他ない。

だいぶ後になって気づいたのだが、彼らにとっては私こそ不審者だったのではないだろうか。

そんな廃墟も最近ついに取り壊されたようだ。


思い出すことが豊富にある我が故郷周辺…
適度にレストをとり疲れた体に鞭打って何とか登りきった。


ユートピア V9/10(2/3段)

被験者クラブデータ
気温26度/湿度85%/スタート染み出し
max:boost+V3
シューズ:フューリアS(前半ポケットにねじ込むには変形しやすいこいつが最適)

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河頭山にて

7月31日、午前中の1時間だけ河頭山。

アップ後、
15年ぶりということで微かな記憶を頼りに動く。
若干の遭難の後、ハーフドームエリア再奥に潜むそこそこでかい石にたどり着いた。

この石の明瞭な弱点となる右カンテこそ河頭山を代表する「ラウンドヘッドオーバー 1級/初段」。
1986年初登(柏木さん)というスーパークラシックながら、今をもそこそこの人気を誇る一本。

こいつをキヨにさせたかった。

岩の弱点を突いたラインではあるがポジションの組み立てがやや分かりにくい。
昔ながらのクライミングを要求されるが、一周まわって実は今風なのではないかと。

キヨのトライを眺めながら、その左ラインの可能性に気づく。
しっかりとかかるポケットが運良く三つ並んだ後は一切ホールドが見当たらない。

ラウンドヘッドオーバーのトップからふと左ラインの真上を除くとガバがあるではないか。
取り付きから再び見上げると、例のポケットから届きそうな位置にガバはあった。

キヨのレスト時間にマットをかりやってみると、
その位置まさにジャスト!!!

全てのホールドが意味のある配置に並んでいる。

実はこのライン、私もすっかり忘れていたのだが2002年のお披露目コンペ時の決勝課題となったprojectではないか。
そしてその際、大トリのクライマー(弓月さん)がランジをとめた瞬間、壮大に盛り上がったという。
なぜこんな大事な出来事を今の今まで忘れていたのだろうか。

右には繊細なポジショニングが要求される「ラウンドヘッドオーバー」 1級/初段
左には豪快なムービングが要求させるビッグジャンププロブレム

初登のドラマもさることながら、
これら二本は内容的にとても素晴らしい課題だと感じた。

と、その後多少の遅刻で通谷家と合流。

(被験者データ)
5級-初/二段既存課題
気温25度 /湿度85% /岩台風明けでビシャビシャ
Black(グシャグシャすぎて何やっても無駄な抵抗に感じチョークバックに入っていたもので)
Scarpa furies (慣らし)

獅子岩「Denebola V10」

7/10(wed)
隙間時間を見つけて、閉店後ナイト。

向かうは獅子岩、
この時期やれる課題も少ないのでかなり迷った。

狙いは4月にmoveができたレグルスのダイレクトプロジェクト。
アップは店(joywall久留米店)で終わらせていたので速攻取り付く。

…1時間経過、
4月に出来たことが出来ない。

動き方を変えながら色々試すがどれもダメ。故障後、まだ復帰しきれていないのか?
数値自体はぼちぼち戻っているのだが…。

岩が多少湿気ていたことや湿度が85%を超えていたのも原因の一つかもしれない。
諦める。

移動しようにも中途半端な時間だったので、仕方なくレグルスのlow startをやる。
核心となるシビアなランジ前に3手加わる。
負荷はそこまで上がらないがその3手が微妙なプレッシャーに。

ランジ周辺を入念にチェック後、繋げに入る。
案の定、ランジで落ちまくったがかろうじて登りきった。


Denebola V10
内容自体は面白いと思うが、ラインとしてはレグルスの方がわかりやすい。

撤収。
帰り、少しだけ玖珠川のエリア変化を確認。
相変わらず結構変化しており、再整備の必要なのは明らか。
梅雨明けもしたことだし状況把握だけでもしておかねば…。

やりたい事が多過ぎる。

蠢く星屑

6月17日(日)閉店後
定休日に予定が入っていたので、夜活決行。

鬱蒼とした夏の森に日没後入る気になれず、林道沿いの岩へ。
少し遠出となったが、そこそこ涼しく良い選択であったと思う。

かつて無謀な挑戦だと感じ放棄していた道筋、
前回ふらっと寄った時に何となく行けそうな気がした。

いざ取り付く。
ホールドが一切無いパートも、形状をうまく使い体勢を固めると離陸出来た。
その後の一手は一旦放置し、次のリップランジを試す。

暫くやり込み、無事成功。

この一手でV9程度はある気がする。
出来たところで核心をやろうと思ったがどうも眠い。
ライトを落して、少し休む事に。

暗闇に目が慣れた頃、点滅する無数の虫に囲まれている事に気付いた。
薄緑色の点が私と岩を囲むよう至る所でチカチカしている。

「蛍か!」

思えばここは蛍の出没条件が揃っているではないか。
はじめは薄気味悪い無数の光と気持ち悪い虫にたじろいだが、慣れれば幻想的とでも言えようか。

気分転換にはなったが、体力は回復せず。
Projectは諦め、脇のラインを登る。

ホールド自体は良いが向きが悪く足場も悪い。
見込み違いの悪さで嵌りかけたが
もう早く気持ちよく帰りたかったので、ねじ伏せる。

蠢く星屑 V8

車に戻った瞬間豪雨。
蛍もみれたしもう満足。